防災にポータブル電源はいらない?必要な人・いらない人の分かれ目を解説【2026】

「防災用にポータブル電源って、本当に必要か?」「高いのに、使わないまま押し入れで眠ったら後悔しそう」。買うべきか迷っている人ほど、ネットで見かける「いらない」という声が気になりませんか?

防災にポータブル電源がいらない人は、ちゃんといます。分かれ目は「停電が3日続いたとき、電気でしか守れないものが家にあるかどうか」。スマホの充電だけで済む家なら、手持ちのモバイルバッテリーで足ります。乳幼児や高齢の家族がいる家、オール電化の家、冷蔵庫やWi-Fiを止めたくない家は、備えておく側です。

「電気はすぐ戻る」という意見も半分は当たっていて、2018年の北海道胆振東部地震では最大約295万戸の停電が約50時間で99%解消しました。一方で2019年の台風15号は、99%解消まで約280時間かかっています(経済産業省の資料)。備えの基本は、首相官邸の「災害が起きる前にできること」にあるとおり水と食料が先。電気はその次、という順番は変わりません。

この記事では、Jackery公式の判断基準と停電の公的なデータ、それに僕が手元で使っている3台の持ち方をもとに、必要な人・いらない人の分かれ目を書きます。沖縄に住んで台風の停電を経験してきた立場から、デメリットや後悔しやすいパターンも隠さず書きます。国の防災の取り組みや備えの情報は、内閣府の防災情報のページにまとまっています。

目次

【結論】防災にポータブル電源はいらない人もいる|必要な人・いらない人の分かれ目

いる・いらないは「ポータブル電源が便利かどうか」ではなく、停電中に電気で守りたいものがあるかで決まります。下の2つの箱は、Jackeryが公式ブログで示している判断基準をそのまま並べたものです。

防災用ポータブル電源が必要な人

  • 乳幼児や高齢者がいる家庭
  • オール電化住宅に住んでいる
  • 過去に長期停電を経験した地域に住んでいる
  • ペットを飼っており、空調管理が必要

防災用ポータブル電源がいらない可能性が高い人

  • 大容量モバイルバッテリーを複数持っている
  • 石油ストーブなど電源不要の暖房器具を持っている
  • 避難所が近く徒歩圏内にある
  • 最低限の連絡手段確保だけで十分と考えている

出典:Jackery Japan「ポータブル電源は災害時にいらない?不要派の意見や必要・不要の判断基準を解説」。メーカーの記事なので「必要」寄りに読まれがちですが、いらない人の条件まで書いているので、判断の物差しとして使いやすいんです。

あなたの家は、どちらの箱に近いですか?

ポータブル電源 防災 必要か|4つのうち1つでも当てはまれば備える側

ポータブル電源が防災に必要かは、停電中に電気でしか守れないものが家にあるかで決まり、上の「必要な人」の4つのうち1つでも当てはまれば備える側です。どれも、停電が長引くと我慢では済まない条件なので、赤ちゃんのミルクのお湯や、高齢の家族とペットの暑さ寒さ対策は、電気が止まったその日から困ります。

オール電化の家は、停電するとお湯をわかすのも調理をするのも止まってしまいます。「長期停電を経験した地域」は、僕の住む沖縄がまさにそうで、2023年8月の台風6号では沖縄電力の管内で最大215,800戸が停電し、99%が戻ったのは停電が始まってから6日後でした(電力広域的運営推進機関の資料)。

4つに当てはまらなくても、冷蔵庫とWi-Fiルーターを止めたくない家は必要な側に入ります。僕の家の冷蔵庫(502L)とルーターは合わせて96Wで、1,070WhのJackery 1000 Newにつなぐと、画面には残り8.5時間と出ました。

防災用に冷蔵庫とWi-Fiルーターをつないだ僕のJackery 1000 New の画面。入力0W・残量100%・出力96W・残り8.5時間の表示

8.5時間あれば、夜に停電しても翌朝まで冷蔵庫の中身とネットが守れるので、停電中に情報を取り続けたい家ほど1台の意味が大きくなります。丸1日以上を1台で守るには容量が足りず、その先は昼間にソーラーで充電して足す使い方になります。

ポータブル電源 いらない 災害|いらないのはこんな人

スマホが充電できれば十分で、暖房も明かりも電気に頼らずに済む人は、防災用ポータブル電源は必要ありません。避難所が歩いて行ける距離なら、家で粘る必要も小さくなります。

もうひとつ、Jackeryの基準には無いけれど僕が付け足したいのが「住宅用の太陽光発電がある家」です。経済産業省の資料では、2019年の台風15号のとき、住宅用太陽光のユーザー486件のうち388件(約80%)が自立運転の機能で停電中も電気を使えていました。昼間に屋根の太陽光から電気が取れる家は、ポータブル電源の優先度が一段下がります。

迷ったら「停電3日目に何を動かしたいか」で決める

どちらとも言えない人は、停電3日目の自分の家で何を動かしたいかを想像してみてください。それが決まれば、いる・いらないも、買うならどの大きさかも自然と決まります。

停電3日目、電気で動かしたいものは?

スマホと懐中電灯だけポータブル電源はいりません。モバイルバッテリーと乾電池で足ります。
スマホ・ルーター・小さな扇風機くらい300Wh前後の小型で十分。僕のBLUETTI AORA 30 V2(288Wh)がこの役です。
冷蔵庫とWi-Fiは止めたくない1,000Whクラス。僕はJackery 1000 Newを冷蔵庫とルーターにつなぎっぱなしにしています。
明かり・テレビ・冷蔵庫をまとめて何日も2,000Whクラスを家に据え置き。僕はDabbsson 2000Lを置いています。

💡 冷蔵庫とWi-Fiを止めたくない人の1台

Jackery ポータブル電源 1000 New

容量1,070Wh/定格出力1,500W/約10.8kg/リン酸鉄リチウムイオン電池

停電時は20ミリ秒未満で自動切替(UPS)

つなぎっぱなしで備えられる Jackery 1000 New を公式で見る →

📝 この章のまとめ:乳幼児・高齢者・ペットがいる、オール電化、長期停電の地域、冷蔵庫とWi-Fiを止めたくない家なら備える側。スマホの充電だけで済む人はいりません。

防災にポータブル電源はいらないと言われる理由と、その答え

停電した夜の部屋でポータブル電源を使う家族

「いらない」と言う人の理由には、もっともなものが多いんです。

ここでは、よく見かける意見を1つずつ取り上げて、どこまで正しいかを経済産業省などの公的なデータで確かめていきます。

先に言うと、僕もうなずく意見がほとんどです。

「電気はすぐ復旧する」は半分正解

大きな停電でも、多くは2〜5日で99%が戻っています。ただし台風で電柱や電線がやられると、12日かかった例もあります。経済産業省と電力広域的運営推進機関の資料から、最大停電戸数と「99%が戻るまでの時間」を並べました。

災害最大停電戸数99%が戻るまで
2018年 北海道胆振東部地震約295万戸約50時間
2018年 台風21号(関西電力)約240万戸約120時間
2018年 台風24号(中部電力)約180万戸約70時間
2019年 台風15号(東京電力)約93万戸約280時間(12日)
2023年 台風6号(沖縄電力)215,800戸停電の始まりから6日後

出典:経済産業省 電力レジリエンスWG資料/電力広域的運営推進機関 第473回理事会資料

表で見てほしいのは、「99%が戻るまで」という数字が何を意味しているかです。残りの1%、つまり倒木や土砂で直せない場所の家は、もっと長く待つことになります。「平均的には数日で戻る。でも自分の家が最後の1%に入らない保証はない」が正直なところ。

数日で戻る前提なら小さい1台、長引く前提なら大きい1台とソーラーパネル、という考え方になります。

「水と食料が先」はそのとおり

ここは僕も同じ意見です。ポータブル電源より先に、水と食料をそろえてください。首相官邸の「災害が起きる前にできること」では、飲料水は3日分(1人1日3リットルが目安)、非常食も3日分、大規模災害では「1週間分」の備蓄が望ましいとしています。お湯をわかせるカセットコンロも、首相官邸のページで備蓄の例に入っています。

家じゅうの電気を普段どおりに使うつもりなら、1,000Whでは足りません。ただ、冷蔵庫とルーターとスマホに絞れば話が変わります。Jackery 1000 New(1,070Wh)の目安は、スマホ充電(29W)約45回、電気毛布(55W)約12時間です。全部をまかなう道具ではなく、「止まると困るものだけを動かす道具」と考えると、いる・いらないが判断しやすくなります。

使い道を絞れるかどうか、が分かれ目です。

「電源のいらない暖房がある」なら冬は困らない

石油ストーブのように電気を使わない暖房があるなら、冬の停電は乗り切れます。ここは「いらない派」の言うとおりです。気をつけたいのは、石油ファンヒーターはコンセントが無いと動かないこと。同じ灯油でも、電気が要るかどうかは機種で違うので、今あるストーブを一度見ておいてください。

逆に、電気を使わない冷房はありません。沖縄の夏の停電で困るのは寒さではなく暑さで、扇風機を回すための電気がどうしても欲しくなります。住んでいる地域の「停電しやすい季節」で考えると判断がぶれません。

暑さはガマンでどうにかなるものではありません。

「モバイルバッテリーで足りる」はスマホだけなら正解

停電中に充電したいのがスマホだけなら、モバイルバッテリーで足ります。モバイルバッテリーで足りないのは、コンセント(AC)で動く家電を使いたいときです。扇風機や電気毛布、冷蔵庫、Wi-Fiルーターはこちらに入ります。

その中間にあるのが、僕のAORA 30 V2のような300Wh前後の小型機です。片手で持てる大きさで、スマホもルーターも小さな扇風機もまとめて面倒を見られます。これが便利なんです。違いをもっと細かく知りたい人はポータブル電源とモバイルバッテリーの違いにまとめています。

「処分が大変」は買う前に回収の窓口を見ておけば済む

処分の手間は、たしかにあります。ただ、メーカーの回収サービスを買う前に見ておけば大丈夫です。たとえばJackeryは、500 Newの公式ページで「無償回収リサイクルサービス」を案内しています。

中身は大きなリチウムイオン電池なので、ふつうのごみと同じ感覚では出せません。

具体的な出し方はポータブル電源の処分・廃棄方法で手順ごとに書いています。

📝 この章のまとめ:電気は数日で戻ることが多いが、12日かかった台風もある。水と食料が先、スマホだけならモバイルバッテリーで足りる、はどれも正しい。

ポータブル電源のデメリットと「買って後悔」するパターン

残量0%の表示になったポータブル電源

買う前に、悪いところも知っておいてください。後悔する人の多くは、デメリットを知らなかったというより「自分の家に当てはめていなかった」パターンです。

耳の痛い話も、ここで一緒に見ておきましょう。

ポータブル電源 デメリット|重い・容量に限りがある・管理が要る

大きなデメリットは「重さ」「容量の限り」「管理の手間」「値段」です。まずは重さから。容量が増えるほど重くなり、1,000WhクラスのJackery 1000 Newで約10.8kg、2,000WhクラスのDabbsson 2000Lで約18.6kgあります(各社公式)。

容量にも限りがあって、使えば減り、充電しなければ戻りません。しまったままでも、少しずつ減ります。値段は数万円から十数万円。「なんとなく不安だから」で大きい機種を選ぶと、持て余しやすいんです。

ポータブル電源 後悔|しまいっぱなしで、いざというとき空っぽ

いちばん多い後悔は「押し入れにしまったまま、停電の日に残量が無かった」です。防災用に買った人ほど、普段は使わないので起きやすいんです。その対策は、このあとの「普段使い」の章でくわしく書きます。

ほかには「大きすぎて動かせない」「小さすぎて冷蔵庫が動かない」というサイズ選びの失敗もあります。買ったあとに後悔した人の声はポータブル電源で後悔する人の特徴にまとめました。

2000Lを買って分かった「重くて動かせない」問題

これは僕自身の話です。Dabbsson 2000Lは大容量が欲しくて買いましたが、重さがあるので、置いた場所からほとんど動かしていません。

正直、ここまで動かさなくなるとは思っていませんでした。

今は明かりと大型テレビ用の電源として、固定した場所で使っています。

「避難所に持って行けるか」で考えると2,000Whクラスは向きませんが、家で使う前提なら困らないので、持ち出すのか、家に置くのかを先に決めておくのがおすすめです。

📝 この章のまとめ:デメリットは重さ・容量の限り・管理・値段。後悔の多くは「しまいっぱなし」と「サイズ違い」。持ち出すか置くかを先に決める。

ポータブル電源は買うべきか|僕が使っている3台の使い分け

「停電で何を動かすか」が決まっている人は買うべきです。決まっていない人は、小さい1台からで十分です。僕は手元に3台ありますが、置き方も役割もバラバラです。どのタイプが自分に近いか、見比べてみてください。

Jackery 1000 New|冷蔵庫とWi-Fiルーターのバックアップにつなぎっぱなし

コンセントにつないだままのJackery 1000 New(運営者の実機)
📸 コンセントとの間につなぎっぱなしにしている僕の1000 New

もともとは現場用に買ったんですが、そこまでの容量は要りませんでした。それより冷蔵庫とWi-Fiルーターのバックアップにしたほうが安心できると思って、今はコンセントとの間につなぎっぱなしにしています。

停電しても、UPSのおかげで僕の家ではネットが切れません。電気が戻っても何も切り替えなくていいのが、地味にいちばん助かっている点です。停電時は20ミリ秒(0.02秒)未満でポータブル電源からの給電に自動で切り替わります。ふだんの動作音も、僕の場合はほとんど気になりません。

🎯 こんな人におすすめ:停電に気づかないうちに冷蔵庫とネットを守りたい人。「しまいっぱなし」にならない置き方をしたい人。

BLUETTI AORA 30 V2|停電時のスマホ充電ならこれで十分

BLUETTI AORA 30 V2の側面の取っ手を持って持ち上げる様子(運営者の実機)
📸 片手で持てるAORA 30 V2。ふだんは現場と車で使っています

ふだんは現場や車で、工具のバッテリーを充電するのに使っています。片手で持てるので、いざとなったら停電のときの補助に使うつもりです。

車の中でスマホを充電しても早くて、そこも気に入っています。

買った理由は、安くて持ち運びやすいこと。停電時のスマホなどの充電は、これで十分だと思っています。小さくても頼れます。容量288Wh・定格出力600W・約4.3kgで、UPSの切り替えは10ms以内です。「大容量はいらないけれど、モバイルバッテリーだけだと心細い」人のちょうど間に入る1台です。

🎯 こんな人におすすめ:スマホとルーター、小さな家電が動けばいい人。一人暮らしや、避難所へ持ち出す前提の人。

Dabbsson 2000L|置きっぱなしで明かりと大型テレビの電源に

Dabbsson 2000Lの操作面と残量100%の表示(運営者の実機)
📸 場所を決めて置いているDabbsson 2000L

大容量が欲しかったのと、台風と停電の備えのために買いました。2,000Whクラスとしては容量のわりに安かったのも、決め手になっています。重さがあるので場所を決めて置き、明かりの兼用と大型テレビの電源、スマホの充電に使っています。

公式の値は容量2,048Wh・定格出力2,200W・約18.6kg。安全性を重視した半固体電池で、4,000回の充放電後も初期容量の80%を維持するとしています。停電時は15ミリ秒未満で切り替わるEPS機能つきです。在宅避難で、明かりもテレビも冷蔵庫もまとめて何日か動かしたい家向けです。

🎯 こんな人におすすめ:家族で在宅避難する前提の人。持ち出さず、家の決まった場所に置いておける人。

3台と、よく比べられる2機種の公式スペック

上の3台は僕の手元にある機種、下の2台は手元に無いので公式の値だけで並べています。

機種容量定格出力重さ僕の使い方
Jackery 1000 New1,070Wh1,500W約10.8kg冷蔵庫とルーターにつなぎっぱなし
BLUETTI AORA 30 V2288Wh600W約4.3kg現場と車。停電時はスマホの充電
Dabbsson 2000L2,048Wh2,200W約18.6kg据え置きで明かりと大型テレビ
Jackery 500 New512Wh500W約5.7kg手元に無い(公式値で比較)
Anker Solix C1000 Gen 21,024Wh1,550W約11.3kg手元に無い(公式値で比較)

各社公式サイトの値

3台それぞれの細かいレビューはJackery 1000 Newの口コミ・評判、BLUETTI AORA 30 V2のレビュー、Dabbsson 2000Lの口コミ・評判にあります。防災向けにほかの機種も比べたい人は災害用おすすめポータブル電源へどうぞ。

📝 この章のまとめ:つなぎっぱなしの1,000Wh、持ち歩ける300Wh前後、据え置きの2,000Wh。持ち方で選ぶと失敗しにくい。

ポータブル電源は普段使いしたほうが良いか|しまいっぱなしが一番の失敗

ポータブル電源を日常と非常時の両方で使うイメージ

普段使いしたほうが良いです。使っていれば残量が自然と目に入りますし、停電の日に「どのボタンを押すんだっけ」と迷うこともありません。防災用にしまっておくより、生活の中で回したほうが、いざというときに確実に動きます。

「もったいないから使わない」は、逆なんです。

僕の普段使いは「コンセントにつなぎっぱなし」

いちばん手間がかからないのは、僕が1000 Newでやっている「冷蔵庫やルーターとコンセントの間につなぎっぱなし」です。ふだんはコンセントの電気がそのまま流れ、停電したらポータブル電源からの給電に切り替わります。手間はゼロです。

この使い方には、停電時の自動切り替え(UPS)とパススルーに対応した機種が必要です。仕組みと対応機種はポータブル電源のUPS機能とパススルー充電の解説で詳しく書いています。

しまっておくなら3か月に1回、残量を見る

つなぎっぱなしにできない場合は、しまう前の残量と、確認の間隔だけ決めておいてください。Jackery公式の注意事項では、長く使わないときは残量50〜80%で、0〜40℃の屋内に保管し、3か月に1回は充電するよう案内しています。

💡 確認する日を先に決めてしまう 覚えておくのが苦手なら、3月・6月・9月・12月の1日など、3か月おきの日をカレンダーに入れてしまうのがラクです。そのついでに、扇風機や電気毛布を実際につないで動くか試しておくと、停電の日に慌てません。

保管場所の選び方はポータブル電源の正しい保管方法、日常での使い道はポータブル電源の普段使いにまとめています。

📝 この章のまとめ:普段使いしたほうが良い。つなぎっぱなしが一番ラク。しまうなら残量50〜80%で、3か月に1回は充電(Jackery公式)。

防災用ポータブル電源の容量の決め方と、発電機・蓄電池との違い

ポータブル電源・発電機・家庭用蓄電池を並べた様子

買うと決めた人向けに、容量の決め方と、ほかの非常用電源との違いをまとめておきます。ここを飛ばすと「小さすぎた」「大きすぎた」の後悔につながるので、少しだけお付き合いください。

容量は「消費電力(W)×使う時間」の足し算で決める

必要な容量(Wh)は、使いたい家電の消費電力(W)に使う時間をかけて、全部足した数です。たとえば50Wの家電を8時間使うなら、50W×8時間=400Wh(試算)。これを動かしたい家電ごとに出して、停電の日数ぶん足していきます。

計算はこれだけです。

ただ、本体の中で電気を変換するときにロスが出るので、表示の容量どおりには使えません。メーカーの目安がいちばん確かで、Jackery公式は500 New(512Wh)でスマホ充電(18W)約24回・電気毛布(55W)約7時間以上、1000 New(1,070Wh)で電気毛布(55W)約12時間としています。家族の人数から考えたい人は4人家族の停電対策に必要な容量、家電ごとの目安は容量(Wh)の選び方を見てください。

ポータブル発電機との違い|家の中で使えるかどうか

いちばん大きな違いは、家の中で使えるかどうかです。ポータブル電源は使えて、発電機は使えません。発電機の排ガスには一酸化炭素が含まれていて、経済産業省は屋内での使用を「絶対に」しないよう呼びかけています。車の中やテントの中も、屋内と同じかそれ以上に危ないとしています。

⚠ 停電中の発電機の事故は実際に起きている 経済産業省の資料には、北海道胆振東部地震の後の2018年9月8日に、換気の悪い屋内で携帯発電機を使った方が一酸化炭素中毒で亡くなった事故が載っています。マンションや住宅が密集した場所で発電機を回すのは、僕はおすすめしません。

とはいえ、燃料があれば長く発電できるのは発電機の強みです。どちらが向くかはポータブル電源と発電機の比較で詳しく比べています。

家庭用蓄電池との違い|工事が要るか、持ち運べるか

家庭用蓄電池は家の配線に組み込む設備で、ポータブル電源はコンセントに挿すだけの家電です。蓄電池は設置工事が必要なぶん、停電時に家の決まった回路をまとめて動かせます。ポータブル電源は工事なしで使え、車や避難所にも持ち出せます。

家全体を守りたいなら蓄電池、止まると困る家電をいくつか守りたいならポータブル電源、という分け方になります。

費用や向き不向きはポータブル電源と家庭用蓄電池の違いにまとめました。

停電が長引く地域ならソーラーパネルも

ソーラーパネルで充電しているポータブル電源

99%が戻るまで12日かかった台風15号のような停電を想定するなら、ソーラーパネルがあると心強いです。ポータブル電源だけでは、ためた電気を使い切ったら終わり。昼間にパネルで充電できれば、そのぶんを夜の明かりやスマホの充電に回せます。

晴れた日が1日あるだけで、気持ちがかなり違います。

パネルは、つなぎ方で迷わないように同じメーカーの純正品を選んでください。必要かどうかの判断はソーラーパネルは必要か、組み合わせ方はソーラーパネルとのセットの選び方をどうぞ。

防災用ならリン酸鉄リチウムイオン電池を選ぶ

何年も置いておく防災用なら、寿命の長いリン酸鉄リチウムイオン電池の機種がおすすめです。差は大きいです。Jackery公式は充放電の回数の目安を、リン酸鉄で2,000〜6,000回程度、三元系で500〜1,500回程度としています。僕の3台も、1000 NewとAORA 30 V2がリン酸鉄、2000Lが半固体電池です。詳しくはリン酸鉄リチウムのポータブル電源にまとめています。

📝 この章のまとめ:容量はW×時間の足し算。発電機は屋内で使えない。家全体なら蓄電池、いくつかの家電ならポータブル電源。長引く地域はソーラーも。

停電したら最初にやってほしいこと

停電したら、電気ストーブや電気こんろなど熱を出す家電のプラグを抜いてください。家を離れて避難するときに時間があれば、分電盤のブレーカーも切っておきます。ポータブル電源があっても無くても、ここは同じです。

理由は「通電火災」なんです。経済産業省によると、停電の前にスイッチが入ったままだった電気ストーブや電気こんろが、電気が戻った瞬間に動き出して火が出た事故が起きています。電気が戻ったら、外見に異常が無いかを見てからブレーカーを入れ、プラグを1台ずつ挿して様子を見るのが安全です。

停電中に使う家電の選び方は停電時に使える家電と消費電力、沖縄の台風への備えは沖縄の台風停電の対策にまとめています。

防災用ポータブル電源のよくある質問

防災用ポータブル電源のよくある質問
「災害時にポータブル電源はいらない」と見たけど、本当?

家じゅうの電気をまかなう前提なら、その意見は正しいです。1,000Whクラスでは普段どおりの生活は続けられません。ただ、冷蔵庫・Wi-Fiルーター・スマホのように止まると困るものに絞れば役に立ちます。いる・いらないは、乳幼児や高齢の家族がいるか、オール電化か、で分かれます。

一人暮らしでも防災用ポータブル電源は必要?

スマホの充電だけで済むならいりません。モバイルバッテリーで足ります。夏の扇風機や冬の電気毛布、ルーターも動かしたいなら、300Wh前後の小型が1台あると助かります。避難所へ持ち出すことも考えて、片手で持てる重さを選んでください。

マンションで在宅避難するなら、発電機とポータブル電源のどっち?

ポータブル電源です。発電機は排ガスに一酸化炭素が含まれ、経済産業省は屋内での使用をしないよう呼びかけています。ポータブル電源は排ガスが出ないので、部屋の中で使えます。

防災用は何Whあればいい?

動かしたい家電で決まります。スマホとルーター程度なら300Wh前後、冷蔵庫とWi-Fiも止めたくないなら1,000Whクラス、明かりやテレビも含めて何日か動かすなら2,000Whクラスが目安です。消費電力(W)×使う時間を足して確かめてください。

買ったまま何年もしまっておいていい?

しまいっぱなしは避けてください。Jackery公式は、長く使わないときは残量50〜80%で保管し、3か月に1回は充電するよう案内しています。いちばんラクなのは、冷蔵庫やルーターにつないで普段から使うことです。

買う前に試してみたい。レンタルや中古はあり?

「本当に要るか分からない」人には、レンタルで一度試すのはありです。キャンプや停電の練習で使ってみると、自分に必要な容量が見えてきます。中古は電池の劣化具合が分かりにくいので、防災用には新品をすすめます。詳しくはポータブル電源のレンタルと中古のポータブル電源の注意点にまとめています。

まとめ:防災にポータブル電源がいらない人・必要な人の分かれ目は「停電3日目に何を動かすか」

防災にポータブル電源がいらない人はいます。スマホの充電だけで済み、電気を使わない暖房があり、避難所が近い人です。反対に、乳幼児や高齢の家族、ペットがいる家、オール電化の家、長い停電が起きる地域の家は、備えておく側です。

電気は多くの災害で数日のうちに99%が戻りますが、2019年の台風15号では約280時間かかりました。水と食料をそろえたうえで、止まると困る家電に合わせて大きさを選び、しまいっぱなしにせず普段使いしてください。

僕の家では、1000 Newを冷蔵庫とルーターにつなぎっぱなし、AORA 30 V2を持ち歩き用、2000Lを据え置きにしています。迷ったら「つなぎっぱなしで備えられる1台」から始めるのが、後悔しにくい買い方です。

参照

この記事の数字と口コミの引用は、2024年6月11日〜2026年10月8日時点の内容です。

  • Jackery公式サイト(製品ページ)
SOL|ポータブル電源ラボ編集部
第二種電気工事士
沖縄在住/第二種電気工事士
台風による停電を何度も経験
家庭の停電対策としてポータブル電源を研究
「容量・出力・安全性」を公式情報をもとに分かりやすく解説
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次