「ポータブル電源って、発火したりしないの?」と、ニュースを見て不安になっていませんか?
結論からお伝えすると、ポータブル電源の発火リスクはゼロではありませんが、電池の種類とリコール情報を確かめて選び、高温や衝撃を避けて使うことで大きく減らせます。
事故の数も気になりますよね。NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2020〜2024年のリチウムイオン電池搭載製品の事故は1,860件で、約85%が火災でした(2026年9月25日確認)。

僕は沖縄で現役の電気工事士をしていて、台風のたびに停電を経験してきました。停電への備え方の基本は内閣府防災情報にまとまっているので、あわせて目を通しておくと安心です。
この記事では、発火の原因、電池の種類による違い、メーカー別のリコール、PSEマークの扱い、発火させない使い方までを1本にまとめました。経済産業省やNITE、消費者庁の一次資料で確かめた事実だけで書いているので、不安の正体を知って、落ち着いて選べるようになるはずですよ。
【結論】ポータブル電源の火災・発火は「電池選び」と「使い方」で減らせる
ポータブル電源の火災・発火リスクは、電池の種類を公式で確かめて選び、NITEが呼びかける「正しく購入・使用・対処」を守ることで減らせます。どんなメーカーのどんなモデルでも、リスクがゼロになるわけではないという前提は持っておきましょう。
・持っている機種がリコール対象でないか、消費者庁のリコール情報サイトで確かめる
・AC出力のポータブル電源は、現在PSEマークの対象外(経済産業省)
・夏の車内など高温の場所に置きっぱなしにしない
・膨らみ・異臭・異常な発熱に気づいたら、すぐ使うのをやめる
「うちのは大丈夫かな?」と心配になっちゃいますよね。この記事がとくに役立つのは、次のような方です。
・ポータブル電源の発火ニュースを見て、買うのをためらっている
・すでに持っている機種がリコール対象でないか気になる
・車中泊や防災用に置きっぱなしにしていて、使い方が合っているか不安
・「安全性ランキング」を探したけれど、何を信じればいいか分からない
発火リスクはゼロにならないと知っておく
ポータブル電源は、大容量のリチウムイオン電池を箱に詰めた製品です。経済産業省も2024年2月の資料で「一定の電気的リスク(火災・感電等)が存在する」と書いていて、国の資料でもリスクがあると明記されているんです。
だからといって、怖がって使わないのはもったいないですよね。リスクがある前提で、選び方と使い方で下げていく。考え方はシンプルです。
すでに持っている方はリコール対象かを先に確かめる
いま手元にポータブル電源がある方は、まずリコール対象でないかを確かめるのがいちばん早い安全対策です。消費者庁は、リコール対象のEcoFlow「EFDELTA」で2026年6月13日に火災が起きたと公表しています(2026年9月25日確認)。
確かめ方は、このあとのメーカー別リコールの章でまとめています。型番を照らし合わせるだけ。数分で終わりますよ。
これから買うならリン酸鉄×BMS明記のモデルから選ぶ
これから買う方は、電池がリン酸鉄リチウムで、BMS(バッテリー管理システム)の記載があるモデルから選ぶと迷いにくいです。Jackery公式サイトでは、1000 New V3の電池がリン酸鉄リチウムイオン電池で、BMSを搭載していると確認できます(2026年9月25日確認)。
もちろん、リン酸鉄でも使い方を誤れば事故は起こりえます。電池選びと使い方の両方をそろえて、はじめてリスクが下がるんです。
これから買うなら、電池の種類とBMSを公式ページで確かめられるモデルから。
Jackery ポータブル電源 1000 New V3
リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、約6,000回の充放電後も初期容量の70%を維持するとJackery公式が明記しています(2026年10月1日確認)。
ポータブル電源が発火する原因は?NITEの公的統計で見る火災事故

NITEの統計では、リチウムイオン電池を積んだ製品の事故の約85%が火災で、事故は春から夏にかけて増え、6〜8月にピークを迎えます(2026年9月25日確認)。高温と衝撃、そして異常に気づいても使い続けることが、事故につながる主な流れです。
| 項目 | NITEの公表内容 |
|---|---|
| 対象期間 | 2020〜2024年の5年間 |
| 事故件数 | 1,860件(リチウムイオン電池搭載製品全体) |
| うち火災事故 | 1,587件(約85%) |
| 多い時期 | 春から夏にかけて増加し、6〜8月にピーク |
表の値は、NITEの注意喚起(2025年6月26日発表)で2026年9月25日に確認したものです。対象はモバイルバッテリーやスマートフォンなどを含むリチウムイオン電池搭載製品全体で、ポータブル電源だけの数字ではない点に注意してください。
5年間で1,860件、そのうち約85%が火災事故
NITEが公表した5年間の1,860件を5で割ると、1,860÷5で年平均372件という試算になります(NITE・2026年9月25日確認の値をもとに試算)。火災以外の事故は1,860−1,587で273件という試算なので、事故のほとんどが火災につながっていることが分かります。少なくない数です。
ここは意外な盲点です。リチウムイオン電池の事故は「ちょっと熱くなった」で終わらず、起きたときには火災になりやすいという性質を持っています。
事故は6〜8月に増える|暑さがいちばんの敵
NITEによると、事故は春から夏にかけて増えて6〜8月にピークを迎えます(2026年9月25日確認)。気温が高い季節ほど電池に負担がかかると考えておくと、使い方の注意点がすっと入ってきますよ。
夏場はとくに要注意です。沖縄は一年のうち暑い期間が長く、夏の車内は本当に高温になります。車に積みっぱなしにしがちな方は、このあとの使い方の章を先に読んでも大丈夫です。
経済産業省も「ポータブル電源の事故は増加傾向」と明記
ポータブル電源に絞った情報もあります。経済産業省の委託事業でまとめられたポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)は、2024年2月29日付の資料です。NITEに寄せられた情報をもとに、「ポータブル電源の使用による事故(概ね火災)が増加傾向にある」と書かれています(2026年9月25日確認)。
件数までは書かれていませんが、国がポータブル電源専用の安全基準づくりに動いたこと自体が、事故が無視できない数になっている証拠なんですよね。
発火につながる主な原因は高温・衝撃・電池の異常
NITEは火災を防ぐポイントとして、高温の場所に放置しないことと、強い衝撃を与えないことを挙げています(2026年9月25日確認)。経済産業省の中間とりまとめでも、長時間の車内放置で回路やセルの劣化が進むことや、電池の異常でガスが出ることへの対策が求められています。
ポータブル電源の発火につながりやすい状態
- 夏の車内や直射日光の当たる場所など、高温の場所に置きっぱなしにする
- 落としたりぶつけたりして、本体に強い衝撃を与える
- 膨らみ・異臭・異常な発熱があるのに使い続ける
- 換気のない密閉した空間で使う
- リコール対象の製品を、対象と知らずに使い続ける
電池の中で起きる過充電や過放電、内部短絡(ショート)も発火の引き金になります。こうした電池の異常を監視して止めるのが、あとで出てくるBMSの役目です。
電池の種類で発火リスクは変わる|三元系とリン酸鉄リチウムの違い

ポータブル電源の電池は、主に三元系リチウムイオン電池とリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)の2種類で、熱暴走しにくいのはリン酸鉄のほうです。Jackery公式サイトでは、240 Newから3000 Proまで現行の主力6モデルがすべてリン酸鉄を採用しています(2026年9月25日確認)。
| 比べる点 | 三元系リチウムイオン電池 | リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP) |
|---|---|---|
| 熱への強さ | 高温で熱暴走を起こしやすい | 結晶構造が安定していて熱暴走しにくい |
| 大きさ・重さ | 小さく軽くしやすい | 同じ容量だとやや大きく重くなりやすい |
| 寿命 | 充放電の回数は少なめ | 充放電の回数が多いモデルが多い |
| いまの主流 | 旧モデルに多い | 各社の現行モデルで採用が増えている |
| 注意点 | 高温・衝撃への配慮がより必要 | リチウムイオン電池なので発火リスクはゼロではない |
三元系は小さく軽くできるが、熱には弱め
三元系は、ニッケル・コバルト・マンガンなどを使うリチウムイオン電池で、スマホのバッテリーと同じ系統です。小さく軽く作りやすいのが長所で、少し前のポータブル電源ではこちらが主流でした。
その一方で、高温になると熱暴走を起こしやすい性質があります。中古や旧モデルを検討している方は、電池の種類を公式ページや取扱説明書で確かめてから決めましょう。
リン酸鉄は熱暴走しにくいが、発火リスクはゼロではない
リン酸鉄リチウムは、正極の結晶構造が安定していて、高温でも熱暴走が起きにくい電池とされています。ただ、リチウムイオン電池の一種であることは変わらないので、「リン酸鉄なら燃えない」と考えるのは行きすぎです。
実際、経済産業省の中間とりまとめも「リチウムイオン蓄電池等」を使うポータブル電源全体を対象にしています(2026年9月25日確認)。電池の種類は「リスクを下げる選び方」であって、使い方の注意を省いていい理由にはならないんです。
電池の種類とBMSは公式ページで確かめる
電池の種類とあわせて見たいのが、電池の状態を監視して異常時に止めるBMS(バッテリー管理システム)です。各社の商品ページでは、下の4モデルにBMSの記載がありました(2026年9月25日確認)。
ただし、BMSが何を監視しているかの細かな内訳は、メーカーやモデルごとに書き方がまちまちです。気になる方は、商品ページの仕様欄や取扱説明書の保護機能の項目まで目を通してみてください。
リン酸鉄のメリット・デメリットはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのポータブル電源、次世代の電池は半固体電池のポータブル電源で詳しく書いています。
ポータブル電源のメーカー別リコール情報|EcoFlow・Anker・Jackery・BLUETTI・Dabbsson【2026年9月時点】

2026年9月25日時点で、公式のリコール告知を確認できたポータブル電源はEcoFlowの「EFDELTA」です。Ankerにもリコールはありますが、対象はモバイルバッテリーで、AC出力のポータブル電源本体ではありません。
| メーカー | 公式に確認できたリコール | 補足 |
|---|---|---|
| EcoFlow | ポータブル電源「EFDELTA」 | 無料回収・後継機DELTA 2への無料交換 |
| Anker | モバイルバッテリー(Anker Power Bank等) | AC出力のポータブル電源本体ではない |
| Jackery | 調べた範囲では見つからず | 現行の主力モデルはリン酸鉄を採用 |
| BLUETTI | 調べた範囲では見つからず | 公式お知らせページも確認 |
| Dabbsson | 調べた範囲では見つからず | 消費者庁リコール情報サイトで確認 |
表は、各社の公式サイトと消費者庁リコール情報サイトを2026年9月25日に確認した結果です。「見つからず」は、2026年9月25日時点で公表されたリコール情報が無かったという意味です。
EcoFlow「EFDELTA」は無料回収・DELTA 2へ無料交換
EcoFlow公式によると、対象は2019年11月18日〜2023年4月30日に販売された「EFDELTA」です(2026年9月25日確認)。理由は個別の異常発煙・発火が起きたためで、無料回収と後継機「DELTA 2」への無料交換が案内されています。
| 項目 | EcoFlow「EFDELTA」のリコール内容 |
|---|---|
| 対象の販売期間 | 2019年11月18日〜2023年4月30日 |
| 理由 | 個別の異常発煙・発火事象が発生したため |
| 対応 | 無料回収・後継機「DELTA 2」への無料交換 |
| 告知の経緯 | 2023年10月20日付で開始、2025年1月6日付で対象範囲を拡大 |
このリコールは2023年10月20日付で始まり、2025年1月6日付で対象範囲が広げられました(EcoFlow公式・2026年9月25日確認)。前回の告知で対象外だった方も、改めて確かめる価値があるということです。
さらに消費者庁は、2026年6月13日にリコール対象製品とその周りを焼く火災が起きたと公表しました(2026年9月25日確認)。対象の方には、直ちに使用をやめて放電などの対応をとるよう呼びかけています。
消費者庁のリコール情報サイトにも、EcoFlow Technology Japan「ポータブル電源:EFDELTA」として登録されています。
交換先になっているDELTA 2の仕様はEcoFlow DELTA 2のレビュー、EcoFlow全体の評判はEcoFlowの評判で書いています。
Ankerのリコールはモバイルバッテリーで、ポータブル電源とは別
ここが要注意です。消費者庁リコール情報サイトに載っているAnkerのリコールは、「Anker Power Bank」などのモバイルバッテリーが対象です(2026年9月25日確認)。USBで充電する小型の電池で、AC100Vを出せるSolixシリーズのようなポータブル電源とは製品の種類が違います。
「Anker リコール」で検索すると、ポータブル電源もリコールされたように見えて迷っちゃいますよね。Ankerのモバイルバッテリーを持っている方は、型番がリコール対象に入っていないかを消費者庁のページで確かめておきましょう。
Ankerのポータブル電源そのものの評判はAnkerポータブル電源の評判にまとめています。
Jackery・BLUETTI・Dabbssonは公式のリコール告知が見つからなかった
Jackery・BLUETTI・Dabbssonの3社は、調べた範囲では公式のリコール告知が見つかりませんでした(2026年9月25日時点)。消費者庁のリコール情報サイトと、BLUETTI公式のお知らせページなどを確認した結果です。
とはいえ、告知が見つからないことは、事故が無いことの証明ではありません。リコール情報はあとから出ることもあるので、買ったあとも年に一度くらいは確かめる習慣をつけておくと安心ですよ。
Jackeryの製造国や安全面の話はJackeryの評判、BLUETTIはBLUETTIの評判で詳しく書いています。
手持ちの機種がリコール対象か確かめる方法
リコール対象かどうかは、本体の型番と、消費者庁リコール情報サイトやメーカー公式のお知らせを照らし合わせれば確かめられます。型番は本体の底面や側面のラベル、取扱説明書、購入時の箱に書かれていることが多いです。
PSEマークとポータブル電源の関係|AC出力モデルは電気用品安全法の対象外

経済産業省の公式FAQによると、AC100Vを出力できるポータブル電源は現在、電気用品安全法(PSE)の対象外です(2026年9月25日確認)。一方で、USB出力のモバイルバッテリーはPSEマークが無いと販売できません。これは大きな違いです。
| 比べる点 | モバイルバッテリー(USB出力) | ポータブル電源(AC100V出力) |
|---|---|---|
| 電気用品安全法 | 対象 | 対象外 |
| PSEマーク | 表示が無いと販売できない | 表示の義務なし |
| 国の扱い | 平成30年2月1日から表示の無い製品は販売不可 | 2024年2月に任意の安全基準(中間とりまとめ)を整理 |
| 任意の認証 | - | 2024年6月3日にSマークの追加基準が制定 |
表の内容は、経済産業省のモバイルバッテリーに関するFAQと、JQA(日本品質保証機構)のお知らせで2026年9月25日に確認したものです。
なぜポータブル電源はPSEの対象外なのか
経済産業省のFAQでは、「蓄電池の出力は原理上直流に限られており,交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しない」と説明されています(2026年9月25日確認)。つまり、電池の出力は本来「直流」なので、家庭用と同じ「交流」を出せるポータブル電源は、法律上の蓄電池の枠に入らないという理屈です。
正直、ここはややこしいです。電気工事士として見ても、制度のすき間といえる部分なんです。中身は大容量のリチウムイオン電池なのに、法律の分類ではモバイルバッテリーより扱いがゆるい、というねじれが起きています。
対象外でも安全とは限らない|経済産業省が2024年に安全基準を整理
経済産業省の中間とりまとめ(2024年2月29日付)は、ポータブル電源を「現在,電気用品安全法の規制対象外」と書いています(2026年9月25日確認)。そのうえで「一定の電気的リスク(火災・感電等)が存在する」と続けていて、国が「対象外だけどリスクはある」とはっきり認めているわけですね。
中間とりまとめは、JIS C 62368-1とあわせて使う任意の技術基準で、守らないと販売できない強制の規格ではありません。そのなかには、長時間の車内放置を禁止する表示や、電池の異常時にガスを逃がす仕組み、密閉空間での使用を禁止する表示が盛り込まれています。
任意の認証「Sマーク」にポータブル電源の基準ができた
JQAによると、2024年6月3日に「ポータブル電源に係るSマーク追加基準」が制定されました(2026年9月25日確認)。基準には、経済産業省の中間とりまとめが採用されています。Sマークは第三者機関が安全性を確かめる任意の認証で、法律の義務ではないぶん、取っているかどうかがメーカーの姿勢を見る材料になります。
気になるモデルがSマークを取っているかは、メーカー公式の商品ページや発表で確かめてみてください。
「PSEマークが無いポータブル電源は違法」は誤解
ネットでは「PSEマークが無いポータブル電源は違法」という説明を見かけますが、これは誤解です。AC出力のポータブル電源本体は、経済産業省のFAQで非対象と明記されているからです(2026年9月25日確認)。PSEマークの有無だけで、ポータブル電源本体の安全性を判断することはできません。
見るべきなのはマークの有無ではなく、電池の種類やBMS、リコール情報といった中身のほうなんですよね。モバイルバッテリーとの違いはポータブル電源とモバイルバッテリーの違いで詳しく比べています。
ポータブル電源を発火させない使い方|車内放置・充電しっぱなし・保管の注意点

NITEが呼びかける火災予防は「正しく購入する・正しく使用する・正しく対処する」で、ポータブル電源にもそのまま当てはまります(2026年9月25日確認)。メーカーや販売店から買ってリコール対象でないか確かめ、高温と衝撃を避け、異常に気づいたらすぐ使うのをやめる、という流れです。
夏の車内に置きっぱなしにしない
経済産業省の中間とりまとめは、「長時間の車内への放置を禁止する」表示をメーカーに求めています(2026年9月25日確認)。長く車内に置くと、回路やセルの劣化が進むためです。車中泊やキャンプで使う方ほど、積みっぱなしにしやすいので気をつけたいところです。
使うときだけ車に積み、帰ったら家の中に戻す。これだけで、夏場のリスクはかなり下げられます。
車内の温度と劣化の関係はポータブル電源の車内放置は危険?で詳しく書いています。
充電しっぱなしより「コンセント周り」に気をつける
充電しっぱなしが心配な方は多いですが、電気工事士として気にしてほしいのはコンセントとプラグのすき間にたまるほこりです。ほこりが湿気を吸って電気が流れ、発火するトラッキング現象は、ポータブル電源に限らずどの家電でも起こります。
防災用にコンセントにつなぎっぱなしで置いている方は、ときどきプラグを抜いてほこりを拭くのがおすすめです。充電しっぱなしの考え方はポータブル電源の充電しっぱなしは大丈夫?、つないだまま使う機能はパススルー充電の記事で書いています。
長く使わないときは涼しい場所で保管する
しばらく使わないときは、直射日光の当たらない涼しい室内に置くのが基本です。NITEの統計で事故が6〜8月に増えることを考えると(2026年9月25日確認)、夏の保管場所はとくに気をつけたいですね。
保管中の残量の目安や充電の頻度は、モデルによって取扱説明書の指示が違います。まとめて知りたい方はポータブル電源の正しい保管方法をどうぞ。
換気のない密閉空間で使わない・落とさない
経済産業省の中間とりまとめは、電池に異常があったときにガスを逃がす仕組みを設け、密閉空間での使用を禁止する表示を求めています(2026年9月25日確認)。閉め切った狭い収納の中や、換気のないテントの奥で使うのは避けましょう。
NITEも強い衝撃を与えないよう呼びかけています。車に積むときは固定して、走行中に転がらないようにしておくと安心です。
膨らみ・異臭・異常な発熱に気づいたらすぐ使用をやめる
NITEは、充電中や使用中に異常があればすぐに中止するよう呼びかけています(2026年9月25日確認)。本体が膨らむ、焦げたにおいがする、触れないほど熱い。こうした変化に気づいたら、電源を切って家電と充電ケーブルを外し、燃えやすい物から離してメーカーに相談してください。
使わなくなった本体や膨らんだ本体の捨て方は、ポータブル電源の処分方法でまとめています。
ポータブル電源の「安全性ランキング」を作らない理由と、代わりに見る基準

NITE・経済産業省・消費者庁の公表資料を調べた範囲では、メーカー別に安全性を順位付けした公的なデータは見つかりませんでした(2026年9月25日時点)。そのため、この記事ではメーカーの安全性に順位をつけず、公式に確かめられる基準で比べる方法をおすすめします。
事故件数だけではメーカーの安全性は比べられない
NITEが公表している1,860件は、リチウムイオン電池を使った製品全体の事故件数で、メーカー別の内訳ではありません(2026年9月25日確認)。仮にメーカー別の件数があっても、売れた台数が違えば、件数の多い少ないはそのまま安全性の差にはならないんです。
ネットで見かける安全性ランキングの多くは、書き手の検証や口コミをもとにした独自の順位です。参考にするのはいいのですが、公的な根拠がある順位なのかどうかは分けて読んだほうが迷いません。
ランキングの代わりに見る6つの基準
ランキングに頼らなくても、公式ページと公的なサイトで確かめられる基準を順に見ていけば、自分で納得して選べます。電気工事士として僕が見るのも、この表の項目です。
| 基準 | 確かめる場所 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 電池の種類 | 商品ページの仕様欄 | リン酸鉄リチウムか、三元系か |
| BMS・保護機能 | 商品ページ・取扱説明書 | BMSの記載と、保護機能の説明があるか |
| リコールの有無と対応 | 消費者庁リコール情報サイト・公式お知らせ | 対象製品か、回収・交換の案内が分かりやすいか |
| 第三者の認証 | 商品ページ・メーカーの発表 | Sマークなど任意の認証を取っているか |
| 警告表示 | 取扱説明書・本体ラベル | 車内放置や密閉空間での使用について注意書きがあるか |
| 買う場所と保証 | 購入ページ | メーカー公式や正規の販売店か、保証の窓口があるか |
公式ページで確かめられた安全に関わる項目の例
基準の使い方の例として、各社の公式ページで2026年9月25日に確かめられた項目を並べました。順位ではなく、公式に書かれていることの一覧として見てください。
| モデル | 電池の種類 | BMSの記載 | 公式のリコール告知 |
|---|---|---|---|
| Jackery 1000 New V3 | リン酸鉄リチウムイオン | あり | 調べた範囲では見つからず |
| Jackery 240 New | リン酸鉄リチウムイオン | 公式に記載なし | 調べた範囲では見つからず |
| EcoFlow DELTA 3 Classic | 公式に記載なし | あり | 本機は対象外(EcoFlowのリコールはEFDELTA) |
| Anker Solix C1000 | 公式に記載なし | あり(過放電保護の記載も) | ポータブル電源は見つからず(モバイルバッテリーは別) |
| Dabbsson 2000L | 公式に記載なし | あり | 調べた範囲では見つからず |

| 電池 | リン酸鉄リチウムイオン電池 |
| サイクル寿命 | 約6,000回で初期容量の70% |
| 定格出力 | 1500W |
| 容量 | 1,024Wh |
| 重量 | 約10.6kg |
| 価格 | 109,800円(2026年9月25日時点・公式サイト) |
Jackery 1000 New V3は、リン酸鉄リチウムイオン電池とBMSの記載を公式ページで確認できたモデルです(2026年9月25日確認)。定格1500Wでドライヤーや電子レンジまで動かせるので、防災とアウトドアを1台でまかないたい方に向いています。
迷ったらここからでOKです。詳しい使い心地はJackery 1000 New V3のレビュー記事で書いています。

| 電池 | リン酸鉄リチウムイオン(LFP) |
| サイクル寿命 | 4,000回で70%維持 |
| 定格出力 | 300W |
| 容量 | 256Wh |
| 重量 | 約3.6kg |
| 価格 | 32,800円(2026年9月25日時点・公式サイト) |
Jackery 240 Newは、リン酸鉄リチウムイオン電池を積んだ容量256Wh・約3.6kgの小型モデルです(Jackery公式・2026年9月25日確認)。スマホや照明の充電が中心で、まずは小さめのリン酸鉄モデルを持っておきたい方にちょうどいい大きさですね。
定格300Wなので、ドライヤーや電子レンジは動かない点だけ覚えておいてください。メーカー選びで失敗しないコツは買ってはいけないポータブル電源の特徴、メーカーごとの特徴はポータブル電源のおすすめメーカーでまとめています。
ポータブル電源の火災・発火・安全性によくある質問

リチウムイオン電池を使う以上、どのメーカーでも発火リスクはゼロではありません。Jackeryは現行の主力モデルがリン酸鉄リチウムイオン電池を採用していて、調べた範囲では公式のリコール告知は見つかりませんでした(2026年9月25日時点)。詳しくはJackeryの評判で書いています。
発火リスクがゼロと言えるポータブル電源はありません。経済産業省も2024年2月の中間とりまとめで、ポータブル電源には一定の電気的リスク(火災・感電等)があると書いています。リン酸鉄リチウムなど熱暴走しにくい電池を選び、高温や衝撃を避けて使うことでリスクを下げるのが現実的です。
リン酸鉄リチウムは熱暴走しにくい電池とされていますが、燃えないわけではありません。リチウムイオン電池の一種なので、夏の車内への放置や強い衝撃は避けてください。電池の特徴はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのポータブル電源で詳しく書いています。
AC100Vを出力できるポータブル電源本体は、経済産業省のFAQで電気用品安全法の非対象とされているので、PSEマークが無くても違法ではありません(2026年9月25日確認)。USB出力のモバイルバッテリーはPSEマークが無いと販売できないので、この2つは分けて考えましょう。
経済産業省の中間とりまとめは、長時間の車内放置で回路やセルの劣化が進むとして、車内放置を禁止する表示をメーカーに求めています。NITEの統計でも事故は6〜8月にピークを迎えるので、とくに夏は使うときだけ積むようにしてください。詳しくはポータブル電源の車内放置は危険?をどうぞ。
充電しっぱなしの扱いはモデルによって取扱説明書の指示が違うので、まずは説明書を確かめてください。電気工事士として気をつけてほしいのは、コンセントとプラグの間にたまったほこりが原因になるトラッキング現象です。詳しくはポータブル電源の充電しっぱなしは大丈夫?で書いています。
EFDELTAはEcoFlowのリコール対象で、無料回収と後継機DELTA 2への無料交換が案内されています。消費者庁は2026年6月13日の火災を受けて、対象製品の使用を直ちにやめるよう呼びかけているので、EcoFlow公式のリコールページから申し込んでください。
中古品は、電池の状態や使われ方、リコール対象かどうかを買う側が確かめにくいのが難しいところです。NITEもメーカーや販売店から正しく購入することを呼びかけています。中古を考えている方は、型番をリコール情報サイトで確かめたうえで中古ポータブル電源の注意点も読んでみてください。
煙や火が出たときは、無理に触ったり運んだりせず、まず身の安全を確保して119番に通報してください。煙が出る前の段階で、膨らみや異臭、異常な発熱に気づいたら、電源を切って家電と充電ケーブルを外し、燃えやすい物から離してメーカーに相談しましょう。
まとめ:ポータブル電源の火災・発火は「電池選び・リコール確認・使い方」で防ぐ
ポータブル電源の発火リスクはゼロではありませんが、電池の種類とBMSを公式で確かめて選び、高温や衝撃を避けて使うことで大きく減らせます。NITEによると、2020〜2024年のリチウムイオン電池搭載製品の事故1,860件のうち約85%が火災でした(2026年9月25日確認)。
AC出力のポータブル電源は現在PSEマークの対象外なので、マークの有無ではなく、公式ページとリコール情報で判断するのが確実です。
- 手元にある方:型番を消費者庁リコール情報サイトで確かめる(EcoFlow EFDELTAは対象)
- これから買う方:リン酸鉄リチウムとBMSの記載を公式ページで確かめる
- 使うとき:夏の車内に置かない・密閉空間で使わない・異常に気づいたらすぐやめる
迷ったら、リン酸鉄リチウムイオン電池とBMSの記載を公式で確かめられるJackery 1000 New V3から見てみてください。安心して使える1台があれば、停電の夜もキャンプの夜も、落ち着いて過ごせますよ!


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