停電時に家電が使えるバッテリーの選び方|冷蔵庫とWi-Fiの容量計算・使える時間を電気工事士が解説

停電時に使えるバッテリーの選び方。冷蔵庫の容量計算

停電のとき、冷蔵庫やWi-Fiはそのまま使えるのでしょうか?

家電を動かすには、コンセント(AC出力)のあるポータブル電源が要ります。モバイルバッテリーはUSBだけなので、停電中に冷蔵庫や扇風機は動きません。

僕が冷蔵庫とWi-FiルーターにつないでいるJackery 1000 New(1,070Wh)の画面では、出力96W・残り8.5時間と出ています。電気ケトルや電子レンジのように消費電力の大きい家電は、容量より定格出力(W)で動くかどうかが決まります。

停電に備えて1台だけ用意したい方は、まずこの記事の目安と計算のやり方だけ押さえれば十分です。

この記事では、使える家電と使える時間、冷蔵庫とWi-Fiの容量計算、停電に備えるバッテリーの選び方を、僕の実機3台の画面と各メーカーの公式の目安でまとめました。家庭の備えの全体像は内閣府の防災情報のページにまとまっています。

💡 この記事のポイント 家電を動かすにはAC出力のあるポータブル電源が必要。モバイルバッテリーでは動きません
1,070Whの目安は冷蔵庫 約1.7〜38時間・電気毛布 約12時間・スマホ 約45回・ケトル 約1時間
電子レンジやドライヤーは容量より定格出力で決まり、1,500Wを超える家電は動きません
僕のJackery 1000 Newは冷蔵庫とWi-Fiルーターで出力96W・残り8.5時間でした
目次

停電で使える家電と使える時間

停電のとき、どの家電がどれくらい動くのでしょうか?

1,070WhのJackery 1000 Newなら、冷蔵庫は約1.7〜38時間、電気毛布は約12時間、スマホは約45回、電気ケトルは約1時間が目安です。容量が約3倍の3000 New(3,072Wh)では、冷蔵庫が約45時間、電子レンジが約2時間に伸びます。大きな家電は動きません。

Jackery 1000 New(1,070Wh)で使える時間の目安。冷蔵庫 約1.7〜38時間、電気毛布 約12時間、電気ケトル 約1時間、スマホ 約45回、ノートPC 約13回、LED照明 約35時間
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家電(消費電力)1000 New(1,070Wh)3000 New(3,072Wh)
冷蔵庫約1.7〜38時間約45時間
電子レンジ—約2時間
電気ケトル(850W)約1時間約3時間
テレビ(60W)—約30時間
電気毛布(55W)約12時間—
スマートフォン充電(29W)約45回約108回
ノートパソコン(80W)約13回約36回
LED照明(10W)約35時間約81.6時間

※各メーカーの公式の目安です。冷蔵庫の消費電力は機種で15〜520W、55Wと幅があり、1000 Newと3000 Newで条件が違います。「—」は公式に目安の記載がないものです。容量が約3倍になると、使える時間もおおよそ3倍が目安になります。

冷蔵庫を丸1日動かしたい方は、後の章の試算(約1,440Wh)が目安になります。

停電 家電|冷蔵庫とWi-Fiルーターは96W

僕は停電に備えて、冷蔵庫とWi-FiルーターをJackery 1000 Newにつないだままにしています。その画面は出力96W・残量100%・残り8.5時間で、96Wは冷蔵庫とWi-Fiルーターの合計です。

冷蔵庫はシャープ SJ-F501F-N(502L・2020年製)で、停電しても何も切り替えずにネットがつながったままなので、ここが停電への備えで僕がいちばん助かっている点です。

冷蔵庫を据え置きで守りたい方は、薄型のJackery SlimPower H1の記事もあわせてどうぞ。

📝 この章のまとめ:1,070Whの目安は冷蔵庫 約1.7〜38時間・電気毛布 約12時間・スマホ 約45回です。僕の冷蔵庫とWi-Fiルーターは合計96Wで、画面は残り8.5時間でした。

冷蔵庫とWi-Fiの容量計算

自分の家の冷蔵庫は何時間もつのか、どう計算すればいいのでしょうか?

使える時間は容量Wh÷消費電力Wで出ます。ただし、僕のJackery 1000 Newの画面の残り時間は、この割り算より短く出ます。

画面の残り時間と単純な割り算の差。単純な割り算(1,070Wh÷96W)は約11.1時間、本体の画面に出た残り時間は8.5時間で、8.5時間は容量の約76%にあたる

蓄電池 停電 冷蔵庫 wi-fi 容量 wh 計算のやり方

式は、使える時間=容量÷消費電力です。1,070Whを96Wで割ると約11.1時間になります。一方、画面の残り時間は8.5時間で、これは容量の約76%(96W×8.5時間=816Wh)にあたります。短くなる理由は公式に説明がないため、割り算より短めに見ておきます。

項目値
使える時間の式容量Wh ÷ 消費電力W
1000 Newの例1,070Wh ÷ 96W ≒ 約11.1時間
画面の残り時間8.5時間(容量の約76%)
冷蔵庫の1日(試算)約1,096Wh(400kWh/年 ÷ 365日)
冷蔵庫の平均(試算)約46W(1,096Wh ÷ 24時間)
1日分の目安(試算)約1,440Wh(1,096Wh ÷ 0.76)

容量を自分で見積もりたい方は、この式だけ覚えておけば足ります。

冷蔵庫の1日は約1,096Wh

僕の冷蔵庫(シャープ SJ-F501F-N)は銘板で消費電力量400kWh/年なので、これを365日で割ると1日あたり約1,096Wh(試算)、24時間で割ると平均約46Wになります。画面の96Wは、コンプレッサーが動いている瞬間の値です。

容量の約76%が使えるとして冷蔵庫の1日分を見積もると、約1,096Wh÷0.76=約1,440Wh(試算)が目安です。容量の決め方はポータブル電源の容量の選び方の記事、冷蔵庫の詳しい検証は冷蔵庫は何時間動くかの記事にまとめています。

📝 この章のまとめ:使える時間は容量÷消費電力で出ます。1,070Wh÷96Wは約11.1時間ですが、画面は8.5時間(容量の約76%)で、割り算より短めに見ておきます。

定格出力で使える家電が決まる

容量が足りていれば、どんな家電でも動くのでしょうか?

容量(Wh)は電気の量、定格出力(W)は同時に出せる電気の大きさです。容量が足りていても、定格出力を超える家電は動きません。容量とは別の数字です。

各機種の定格出力の棒グラフ。Dabbsson 2000Lは2,200W、Anker C1000 Gen 2は1,550W、Jackery 1000 NewとEcoFlow DELTA 3 Plusは1,500W、BLUETTI AORA 30 V2は600W
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機種容量定格出力UPS切替重さ電池の維持率の基準
Jackery 1000 New1,070Wh1,500W20ミリ秒未満約10.8kg4,000回後も70%
Dabbsson 2000L2,048Wh2,200W(最大3,300W)15ミリ秒未満約18.6kg4,000回後も80%
BLUETTI AORA 30 V2288Wh600W—約4.3kg記載なし
EcoFlow DELTA 3 Plus1,024Wh1,500W(最大2,000W)10ミリ秒未満約12.5kg4,000回後も80%
Anker C1000 Gen 21,024Wh1,550W(サージ2,300W)—約11.3kg4,000回以上

※維持率の70%・80%は、その回数を使ったあとに残る容量の基準で、メーカーで異なります。Power-Boostは電熱線の家電で最大3,300W(Dabbsson)、X-Boostは最大2,000W(EcoFlow)まで一時的に対応します。

ドライヤー・電子レンジ・ケトルは定格出力で決まる

ドライヤーも使いたい方は、定格出力を先に見ます。

市販のドライヤーの出力は1000〜2000Wで、Jackery 1000 Newの定格1,500Wを超えるものが多いです。冷蔵庫・エアコン・ヒーター・ドライヤー・エアポンプなどは、起動時に消費電力より大きな電力が要る点にも気をつけます。

定格2,200WのDabbsson 2000Lなら、電子レンジや電気ケトルまで動かせます。機器ごとの目安は電子レンジの記事・電気ケトルの記事・ドライヤーの記事、出力の選び方は定格出力の選び方の記事にまとめています。

📝 この章のまとめ:容量が足りていても、定格出力を超える家電は動きません。ドライヤーや電子レンジは1,000W超が多く、動かすには定格1,500W以上、余裕を持つなら2,000W級が目安です。

停電対策のバッテリーの選び方

停電対策のバッテリーは、どこを見て選べばいいのでしょうか?

見るのは容量・定格出力・UPS・電池・ソーラーの5点です。家電を何時間動かすかで容量を、同時に使う家電の合計Wで定格出力を決めます。

見る点決め方
容量(Wh)動かす家電 × 使う時間で決める
定格出力(W)同時に使う家電の合計Wを超えないか
UPS停電時に自動で切り替わるか
電池リン酸鉄リチウムイオン・維持率の基準
ソーラー長期の停電で充電し直せるか

停電 バッテリー|UPSでつなぎっぱなしにする

在宅ワークのPCやWi-Fiを停電で止めたくない方は、UPS付きを選びます。

UPSは、停電したときに自動で電源を切り替える働きで、Jackery 1000 Newは20ミリ秒未満、Dabbsson 2000Lは15ミリ秒未満で切り替わります。

僕は1000 Newを冷蔵庫とWi-Fiルーターの間につなぎっぱなしにしていて、停電してもネットが切れません。ただし切り替えには瞬間の途切れがあるので、止まると困る医療機器などには使いません。詳しくはUPS機能付きポータブル電源の記事にまとめています。

停電 対策 バッテリー 家庭用|実機3台の使い分け

僕は3台を使い分けていて、Jackery 1000 Newは冷蔵庫とWi-Fiルーターの常時接続、Dabbsson 2000Lは明かりと大型テレビの固定、BLUETTI AORA 30 V2はスマホと現場の工具です。

重いDabbsson 2000Lは置いたまま、片手で持てるAORA 30 V2は車や現場に持ち出す、と分けています。1台で足りない家庭は、用途で分けると使いやすくなります。各機種は1000 New・2000L・AORA 30 V2の記事にまとめています。

実機以外の選択肢

もっと容量や出力がほしい方は、僕は持っていませんが公式の数字で選択肢になるのが2機種あります。EcoFlow DELTA 3 Plusは1,024Wh・定格1,500W(X-Boostで最大2,000W)で、AC充電が最短56分です。

Anker Solix C1000 Gen 2は1,024Wh・定格1,550W(サージ2,300W)で、電池は4,000回以上の設計です。どちらもリン酸鉄リチウムイオン電池です。

📝 この章のまとめ:選ぶときは容量・定格出力・UPS・電池・ソーラーの5点を見ます。僕は冷蔵庫とルーター用の1000 New、固定の2000L、持ち出しのAORA 30 V2を用途で分けています。

停電は何日続くか

停電は、どれくらいの期間続くものなのでしょうか?

2023年の台風6号(沖縄)は復旧まで約6日、2024年の能登半島地震は電気の99%復旧まで約3か月かかりました。停電は数時間で終わるとは限りません。

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災害停電の始まり最大の停電99%復旧
台風6号(沖縄・2023年)8月1日10時8月2日10時 215,800戸8月7日13時
能登半島地震(2024年)1月1日16時10分約40,000戸3月25日

「99%復旧」は設備の復旧の区切りで、全戸の通電ではありません。離島の水納島では、住民が持っていたポータブル発電機が携帯電話の充電程度しか供給できなかったと記録されています。台風と停電の日数は沖縄の台風の記事にまとめています。

発電機は屋内で使えない

消費者庁は、携帯発電機を屋内では絶対に使わない、屋外でも換気の悪い場所や火気のある場所では使わないよう呼びかけています。一酸化炭素中毒が疑われる死亡事故が起きているためです。

ポータブル電源はこの一酸化炭素の危険とは別物ですが、火災の事故が近年起きています。使う前に消費者庁の注意のページを読んでおきます。

📝 この章のまとめ:台風6号は約6日、能登半島地震は電気の99%復旧まで約3か月でした。発電機は屋内で使えないため、屋内で使えるポータブル電源の備えが要ります。

停電時の家電とバッテリーのよくある質問

冷蔵庫は何時間動かせますか?

1,070WhのJackery 1000 Newで、冷蔵庫は約1.7〜38時間が目安です。消費電力が機種で15〜520Wと幅があるためで、僕の冷蔵庫(502L)では画面上は残り8.5時間でした。

モバイルバッテリーでは家電は動きませんか?

動きません。モバイルバッテリーはUSB出力だけで、コンセント(AC)につなぐ冷蔵庫や電子レンジは動かせません。家電を動かすにはAC出力のあるポータブル電源が要ります。

電子レンジは使えますか?

容量ではなく定格出力で決まります。電子レンジは1,000W前後あり、定格1,500W以上の機種なら目安として動きます(3,072Whの3000 Newで約2時間)。

UPSとは何ですか?

停電したときに自動で電源を切り替える働きです。Jackery 1000 Newは20ミリ秒未満で切り替わりますが、瞬間の途切れがあるので、止まると困る医療機器などには使いません。

発電機とポータブル電源の違いは何ですか?

発電機はガソリンなどで発電し、屋内では一酸化炭素中毒の危険があるため使えません。ポータブル電源は電気をためておく機器で、屋内でも使えます。

まとめ:家電を動かすなら容量と定格出力で選ぶ

  • 停電で家電を動かすにはAC出力のあるポータブル電源が必要。モバイルバッテリーでは動きません
  • 1,070Whの目安は冷蔵庫 約1.7〜38時間・電気毛布 約12時間・スマホ 約45回・ケトル 約1時間
  • 電子レンジやドライヤーは容量より定格出力で決まり、1,500Wを超える家電は動きません

僕は冷蔵庫とWi-Fiルーターを1000 Newにつなぎっぱなしにして、停電でもネットを切らさずに備えています。家電をどこまで動かすかを決めてから、容量と定格出力で選びます。

機種別のおすすめは、EcoFlow DELTA 3 Plusなど5選をまとめた災害用の記事もあります。

参照

仕様と目安は各メーカー公式の数字(2026年10月21日時点)です。

家庭の防災の備えと機種選びは、災害用の記事にまとめています。

SOL|ポータブル電源ラボ編集部
第二種電気工事士
沖縄在住/第二種電気工事士
台風による停電を何度も経験
家庭の停電対策としてポータブル電源を研究
「容量・出力・安全性」を公式情報をもとに分かりやすく解説
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