スマホやイヤホンを外で充電するだけならモバイルバッテリー、コンセントの家電を動かす・停電に備えるならポータブル電源です。いちばんの違いは、交流100Vのコンセント(AC出力)を出せるかどうかで、どちらを選ぶかはこの一点でほぼ決まります。ACの有無が分かれ目です。
違いは、交流100Vを出せるか・容量(Wh)の桁・電気用品安全法の扱いの3つです。どちらも充電して持ち運ぶ電池ですが、できることは別ものになります。停電や災害への備えは内閣府の防災情報のページでも呼びかけられています。
容量はmAhではなくWhで比べます。20,000mAhは約74Wh、Jackery 240 Newは256Whです
モバイルバッテリーは電気用品安全法でPSEマークが要り、交流を出せるポータブル電源は対象外です
飛行機は160Wh以下のモバイルバッテリーを2個まで。160Whを超える機種は航空会社に確かめます
ポータブル電源とモバイルバッテリーの違い
この章では、ポータブル電源とモバイルバッテリーの違いが、どこにあるのかに先に答えます。
違いは、交流100Vのコンセントを出せるか、容量(Wh)の桁、法律上の扱いの3つで、どちらも充電して持ち運ぶ電池ですが、できることが別ものになります。
| 項目 | ポータブル電源 | モバイルバッテリー |
|---|---|---|
| 電気の出口 | 交流100VのAC・USB・シガーなど | USBが中心 |
| 容量の単位 | Wh(ワットアワー) | mAh(ミリアンペアアワー) |
| 容量の例 | Jackery 240 New 256Wh・1000 New 1070Wh | 国交省の例:27,000mAh・3.7Vで99.9Wh |
| 電気用品安全法 | 交流を出せる機種は対象外 | 対象(丸形のPSEマーク) |
| 飛行機 | 240 New 256Wh・1000 New 1070Whは160Whを超える | 160Wh以下を2個まで機内に |
容量・出力は各メーカー公式、法律と飛行機は国の資料の数字です(2026年10月24日時点)。
ポータブル電源 モバイルバッテリー 違い|コンセントの有無
いちばんの分かれ道は、交流100Vのコンセントがあるかどうかです。ポータブル電源は内部のインバーターで家庭と同じ交流100Vを作れるので、扇風機や電気毛布などのコンセント家電を動かせます。モバイルバッテリーはUSBだけなので、スマホやタブレットの充電までになります。
家電を動かしたい方は、ポータブル電源が要ります。基礎から知りたい方はポータブル電源とはの記事にまとめています。
ポータブルバッテリーとモバイルバッテリーの違い
「ポータブルバッテリー」は、法律で決まった区分ではない呼び方です。交流100Vを出せる製品は、経済産業省の扱いでは蓄電池に当たらず、モバイルバッテリーではなくポータブル電源として見ます。呼び名で迷ったら、交流100Vのコンセントがあるかどうかで分けると分かりやすいです。
mAhとWhの換算と容量の比べ方
この章では、単位の違うmAhとWhを、どう揃えて比べるかに答えます。
計算式はWh=mAh×電圧(V)÷1000です。20,000mAhを3.7Vで換算すると約74Whになります。mAhには電圧が入っていないので、ポータブル電源のWhと並べる時はWhに直します。

mAh Wh 換算|計算式と例
式はワット時定格量(Wh)=定格容量(mAh)×定格電圧(V)÷1000です。27,000mAhを3.7Vで計算すると99.9Whになります。20,000mAhの約74Whに対し、240 Newの256Whは約3.5倍の容量です。
AORA 30 V2の288Whは、約74Whの約3.9倍です。3.7Vはここでは例として置いた値で、どのモバイルバッテリーも3.7Vとは限りません。容量の目安は容量の選び方の記事にまとめています。
モバイルバッテリー 容量 比較|mAh表記の見方
mAhの数字が大きくても電圧しだいで使えるエネルギーは変わるため、経済産業省のFAQでは、PSEの定格容量は5時間にわたって供給できる電気の量で、内蔵する電池の容量とは一致しないとしています。
数字で迷う方は、パッケージの定格電圧とWh表記を見て比べます。見るのは電圧とWhです。
AC出力で家電が使えるかの違い
この章では、家電が動くかどうかが、どこで決まるのかに答えます。
コンセントの家電を動かせるのはポータブル電源だけです。モバイルバッテリーはUSB給電の機器までで、扇風機や電気毛布は動きません。ポータブル電源も、定格出力(W)を超える家電は動かせません。

ポータブル電源 モバイルバッテリー 家電|定格出力で決まる
動かせる家電は定格出力(W)で決まるので、Jackery 240 Newは300W、BLUETTI AORA 30 V2は600W、Jackery 1000 Newは1500Wと幅があります。
240 Newの目安では電気毛布(55W)が約3.7時間、扇風機(15W)が約16時間、ノートパソコン(87W)が約2回動きますが、消費電力が定格を超える家電は動きません。
コンセント家電を動かしたい方は、Jackery 240 Newのように定格300W以上の機種を選びます。どのワット数が要るかは定格出力の選び方の記事にまとめています。
モバイルバッテリーの代わりにポータブル電源を使う
スマホやノートパソコンの充電なら、小型のポータブル電源がモバイルバッテリーの代わりになります。BLUETTI AORA 30 V2はUSB-Cが100Wと140Wの2口、USB-Aが2口です。僕は現場と車で工具の充電に使っていて、車の中でスマホなどの充電が早くて助かっています。
電気用品安全法の扱いの違い
この章では、2つが法律の上でどう分かれているのかに答えます。
モバイルバッテリーは電気用品安全法の対象でPSEマークが要り、交流100Vを出せるポータブル電源は非対象で、同じ電池でも国の扱いが分かれています。

モバイルバッテリー PSE|丸形のマークと販売禁止
モバイルバッテリーは「特定電気用品以外の電気用品」に当たって丸形のPSEマークの表示が要り(Q.17)、平成30年2月1日以降は表示のない製品が流通在庫を含めて販売できません(Q.14)。
規制の対象は、単電池1個あたりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上のものです(Q.1)。手持ちの機種が気になる方は、丸いPSEマークを確かめます。マークは本体の外側に付きます。
ポータブル電源 PSE|対象外でも選ぶ基準は要る
交流100Vを出せるポータブル電源は、蓄電池に当たらないためモバイルバッテリーとして扱われず非対象で(Q.4)、UPSも同じく非対象です(Q.5)。
この整理では、モバイルバッテリー向けの丸形PSEマークの対象ではありません。国の一律の確認がない分、製造・販売元がはっきりしているか、回収・リサイクルやリコールに対応しているかを、選ぶ方が確かめます。
消費者庁はポータブル電源の火災事故が近年発生しているとして注意を呼びかけています。無名のメーカーを避けたい方は、こうした点を基準にします。
飛行機に持ち込めるのはどちら
この章では、飛行機に持ち込めるのがどちらなのかに答えます。
機内に持ち込めるのは160Wh以下のモバイルバッテリーで、2個までです。預け入れはできません。ポータブル電源は240 New(256Wh)・AORA 30 V2(288Wh)・1000 New(1070Wh)のように160Whを超える機種があり、持ち込みの扱いは航空会社に確かめます。

モバイルバッテリー 飛行機|160Whと2個まで
国土交通省の報道発表では、令和8年4月24日から機内持込みのモバイルバッテリーは160Wh以下を2個までになり、受託手荷物(預け入れ)には入れられません。
機内では本体への充電も、本体から他の機器への充電もしません。座席上の収納棚に入れず、手元に保管することも求められています。旅行に持っていく方は、この数と置き場所を確かめます。
ポータブル電源 飛行機|99Whの小型機種
160Whを超えるポータブル電源は、国交省のモバイルバッテリー向けの案内では持ち込み禁止の数字です。飛行機で使いたい方は、99WhのJackery 100 Plusのような小型の機種に限られます。
100 PlusはJackeryが機内持ち込みできると案内しています(機内では使用不可)。詳しい容量ルールは飛行機持ち込みの記事にまとめています。
小型ポータブル電源という中間の選択肢
この章では、モバイルバッテリーと大型のあいだを埋める選択肢に答えます。
モバイルバッテリーでは足りず、大型は重いと感じる方には、256〜288Whの小型ポータブル電源があります。AC出力があって約3.6〜4.3kgです。99WhのJackery 100 PlusはAC出力がなく、モバイルバッテリー側の機種になります。
| 機種 | 容量 | 最大出力 | AC出力 | 停電時の自動切替(UPS) |
|---|---|---|---|---|
| Jackery 100 Plus | 99Wh | 最大128W | なし | 商品ページに記載なし |
| Jackery 240 New | 256Wh | 定格300W | あり | 20ミリ秒未満 |
| BLUETTI AORA 30 V2 | 288Wh | 600W Max. | あり | 10ミリ秒以内 |
| Jackery 1000 New | 1070Wh | 定格1500W | あり | 20ミリ秒未満 |
小型ポータブル電源 モバイルバッテリー代わり|240 NewとAORA 30 V2
モバイルバッテリーの代わりを探す方には、Jackery 240 NewとBLUETTI AORA 30 V2が候補です。240 Newは256Wh・定格300W・約3.6kgで、約4000回(4000回後も70%)の充放電に対応し、停電時は20ミリ秒未満で切り替わります。
AORA 30 V2は288Wh・600Wで約4.3kg、停電時は10ミリ秒以内に切り替わります。僕は現場と車で工具の充電や、停電時の補助に使っています。
小型の機種は小型ポータブル電源の記事、240 Newの詳しい使い勝手は240 Newのレビュー記事にまとめています。停電時の自動切替はUPS機能の記事をどうぞ。
AC出力付きの大容量モバイルバッテリー|経産省ではポータブル電源
交流100Vを出せる大容量の「モバイルバッテリー」と名乗る製品もあります。ただし経済産業省の扱いでは、交流を出せる製品は蓄電池に当たらずモバイルバッテリーではなくポータブル電源側です(Q.4)。コンセント家電を動かしたい方は、はじめからポータブル電源として選びます。
99WhでACのないJackery 100 Plusは、USB-Cが2口とUSB-Aが1口だけです。ACは出ません。飛行機に持ち込める小型の機種です。
どちらを選ぶ?用途別の条件
この章では、どっちを選べばよいかを、用途ごとに答えます。
毎日持ち歩いてスマホを充電するならモバイルバッテリー、家電・停電・現場の電源ならポータブル電源で、役割で分けて両方を持つのも手です。

ポータブル電源 モバイルバッテリー どっち|用途で決める
外でスマホを充電するだけの方は、軽いモバイルバッテリーで足ります。家電や停電に備えたい方は、ポータブル電源が向きます。
僕はJackery 1000 Newを冷蔵庫とWi-Fiルーターにつなぎっぱなしにしていて、画面は出力96W・残量100%・残り8.5時間の表示です。停電でもUPSのおかげでネットが切れません(僕の実感)。

停電の備えを厚くしたい方は、1070Whで家電も動くJackery 1000 Newが候補です。防災の選び方は防災用ポータブル電源の記事、停電時に何が動くかは停電時に使える家電の記事にまとめています。
ポータブル電源 モバイルバッテリー 併用|停電時の役割分担
両方を持つなら、家ではポータブル電源で家電を支え、持ち出しにはモバイルバッテリー、と役割を分けられます。ポータブル電源のUSBやACからモバイルバッテリーを充電して、持ち出し用に使う運用もできます。停電が長引く時に、避難の身軽さを残したい方に向いた分け方です。
ポータブル電源とモバイルバッテリーのよくある質問
外でスマホを充電するだけならモバイルバッテリー、コンセントの家電を動かす・停電に備えるならポータブル電源です。動かしたいものがUSB機器かコンセント家電かで決まります。
いちばんの違いは交流100Vのコンセント(AC出力)を出せるかどうかです。容量もWhで見ると桁がちがい、電気用品安全法の扱いも分かれています。
Jackery 240 New(256Wh)の目安では、スマートフォン充電(29W)で約11回です。容量が大きいほど回数は増えます。
基本的に使えません。電気毛布や扇風機は交流100Vのコンセントで動く家電で、モバイルバッテリーのUSB出力では動かないからです。使うにはポータブル電源が要ります。
モバイルバッテリーは160Wh以下を2個まで機内に持ち込めます(預け入れは不可)。160Whを超えるポータブル電源の扱いは航空会社に確かめます。詳しくは飛行機持ち込みの記事をご確認ください。
できます。ポータブル電源のUSBポートやACコンセントから、モバイルバッテリーを充電できます。停電が長引いたときの持ち出し用に充電しておく使い方もできます。
経産省の整理では、交流100Vを出せるポータブル電源はモバイルバッテリーとして扱われず、モバイルバッテリー向けの丸形PSEマークの対象外です。モバイルバッテリーは対象で、丸形のPSEマークが要ります。
スマホ中心ならモバイルバッテリー、家電や防災ならポータブル電源です。中間が欲しい方は、交流100Vも使える256Whクラスの小型ポータブル電源から選べます。
ポータブル電源とモバイルバッテリーのまとめ
- いちばんの違いは交流100Vのコンセントです。家電を動かせるのはポータブル電源で、モバイルバッテリーはUSB給電の機器までです
- 容量はmAhではなくWhで比べます。電気用品安全法でも、交流を出せるポータブル電源はモバイルバッテリーとは別の扱いになります
- 飛行機に機内持ち込みできるのは160Wh以下のモバイルバッテリーです。ポータブル電源は航空会社に確かめます
外でスマホを充電するだけなら軽いモバイルバッテリー、家電や停電の備えならポータブル電源が向いています。中間が欲しい方は、交流100Vも使える小型のポータブル電源から選べます。
モバイルバッテリーの代わりになる小型から始めたい方は、Jackery 240 Newが候補です。
参照
- 内閣府 防災情報のページ
- 経済産業省 モバイルバッテリーの規制(電気用品安全法)に関するFAQ(Q.1・Q.4・Q.5・Q.14・Q.17・Q.24)
- 国土交通省 報道発表(機内持込みのモバイルバッテリーのルール・ワット時定格量の計算)
- 消費者庁 ポータブル電源の火災事故への注意
- Jackery公式サイト(Jackery 240 New・1000 New・100 Plus)の製品ページ・仕様
- BLUETTI公式サイト(BLUETTI AORA 30 V2)の製品ページ・取扱説明書
ポータブル電源の基礎から選び方までは、こちらの記事にまとめています。



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