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補助金・制度

卒FIT後どうする?売電価格の今と蓄電池・売電先の選び方を電気工事士が解説【2026年】

卒FIT後はどうする?

結論:卒FIT後は「高く売る」か「蓄電池で使う」かが基本。売電価格が7〜9円に下がった今、そのまま放置はもったいない

FIT(固定価格買取制度)は住宅用で10年で満了し、これを卒FITと呼びます。
・卒FIT後、大手電力の買取価格は7〜9円/kWhとFIT期間の半分以下に下がる
・選べる道は①売電先を高い会社に切り替える ②蓄電池で自家消費 ③そのまま継続の3つ
この記事では電気工事士の僕が、売電価格の現状・売電先の比較・蓄電池の損得・進め方まで数字つきで解説します。

「もうすぐ10年、卒FITって聞くけど何をすればいいの?」——毎年多くの家庭が迎える節目なのに、いざ自分の番になると迷いますよね。

僕は電気工事士として電気設備に関わりながら、太陽光や蓄電池についても普段から調べ、卒FITの相談も受けています。その立場から実情をお伝えします。

先に結論を言うと、卒FIT後の売電価格は7〜9円/kWhまで下がります。だから「売る」より「使う・貯める」価値が上がった、というのが今の時代です(参考:資源エネルギー庁)。

読み終わるころには、卒FITの意味と売電価格の現状、そして売電先の切り替え・蓄電池・そのままのどれが我が家に合うかが、判断できるようになります。

7〜9円卒FIT後の大手買取価格
13〜15円高い新電力の買取例
27〜31円今の買電単価の目安
卒FIT後どうする?売電価格の今と蓄電池・売電先の選び方を電気工事士が解説【2026年】

卒FITとは?10年でFIT(固定買取)が終わる

卒FITとは?10年でFIT(固定買取)が終わる

まず言葉の整理から。FIT(固定価格買取制度)とは、太陽光で発電した電気のうち余った分(余剰電力)を、国が決めた単価で一定期間買い取ってくれる制度です。

住宅用(10kW未満)の場合、この買取期間は10年間と決まっています。設置してから10年が経つと固定買取が終わり、これを「卒FIT」と呼びます。

つまり卒FITは、故障でも契約違反でもなく、制度どおりに10年の役目を終えただけ。誰にでも必ず訪れる、太陽光の“卒業”のようなものです。

i卒FITをひと言でいうと

・FIT=余剰電力を10年間、固定単価で買い取る制度・設置から10年経つと固定買取が満了=卒FIT・卒FIT後も発電と売電そのものは続けられる(単価が変わるだけ)

2019年11月に、最初にFITが始まった家庭が10年を迎え、日本で初めての卒FITが発生しました。以降、毎年11月ごろを中心に、多くの家庭が卒FITを迎えています。

ここで大事なのが、卒FIT=売電できなくなる、ではないという点。発電も売電も今までどおりできます。変わるのは「いくらで買い取ってもらえるか」という単価だけです。

逆に言えば、放っておいても発電は続き、電気も勝手に止まりません。ただし何もしないと、後述するように安い単価で売り続けることになります。

だからこそ、10年の節目は「今の売り方でいいのか」を一度見直す絶好のタイミング。FIT期間の高い単価が終わる前後で、家計への効き方が変わってくるからです(参考:資源エネルギー庁 固定価格買取制度)。

i自分の卒FIT時期の調べ方

・太陽光の設置年月+10年が満了の目安・電力会社から満了案内が届くことが多い・検針票やマイページの契約開始日でも確認できる

「うちはいつ卒FIT?」と迷ったら、まず太陽光を設置した年月を思い出しましょう。その10年後が、おおまかな満了の時期になります。

満了が近づくと、多くの電力会社から案内が届きます。ただし届くのを待つより、自分から時期を把握しておくほうが、慌てず準備できます。

すでに卒FITを過ぎていた、というケースも珍しくありません。その場合も遅すぎることはなく、今から売電先を切り替えれば単価を底上げできます。

卒FITは特別なトラブルではなく、太陽光を持つ家なら誰もが通る道。だからこそ、正しく理解して備えれば、必要以上に身構えずに済みます。

卒FIT後の売電価格はいくら?【大手は7〜9円に半減】

卒FIT後の売電価格はいくら?【大手は7〜9円に半減】

いちばん気になるお金の話です。卒FIT後、大手電力会社の買取価格はおおむね7〜9円/kWhが目安(2026年時点)。地域や会社で多少前後します。

FIT期間中の単価は、設置した年によって24円や、もっと前なら40円台という高単価もありました。それが卒FITで7〜9円へ、半分以下に下がるわけです。

なぜこんなに下がるのか。FITの高い単価は、普及を後押しするために国が定めていたもの。その支援期間である10年が終わると、電力会社が独自に決める“素の買取価格”に戻るからです。

住宅用の売電単価イメージ(設置年ごとの目安)

2012年ごろ設置42円で10年固定

2019年ごろ設置24円で10年固定

10年満了で卒FIT7〜9円に下落

高い新電力へ切替13〜15円の例も

一方で、今あなたが電力会社から買っている電気の単価は27〜31円/kWh前後(2026年時点の目安)。つまり「売る7〜9円」と「買う27〜31円」で、大きな差があります。

この差こそが、卒FIT後の考え方の軸になります。7〜9円で売るより、その電気を自分で使って高い買電を減らすほうが、家計には効くという理屈です。

ここが卒FITの分かれ道

売ると1kWh=7〜9円にしかならない・自分で使うと1kWh=27〜31円の買電を減らせる・だから卒FIT後は「売る」より「使う・貯める」価値が上がった

もちろん、昼に発電した電気を全部その場で使い切れる家庭は多くありません。だから余った分をどう扱うかで、次の3つの選択肢が出てきます。

ポイントは、安く売るしかない状態を、いかに減らすか。ここを押さえたうえで、我が家に合う道を選んでいきましょう。

約24円→7〜9円卒FIT前後の単価差の一例
半分以下下落幅の目安
毎年11月ごろ卒FITを迎える家庭が集中

この「売る安さ」と「買う高さ」のギャップは、今後すぐに縮まる見込みは薄いのが実情。だから多くの家庭が、売り方の見直しに動いています。

まずは今の検針票で、売電単価がいくらになっているかを確認してみましょう。7〜9円に下がっていたら、見直しのサインです。

なお単価は電力会社やエリア、契約プランで差があります。挙げた7〜9円や27〜31円も、あくまで2026年時点の目安として捉えてください。

大切なのは、この単価差を知ったうえで「売る・使う・貯める」を選び直すこと。次の章で、3つの選択肢を具体的に見ていきます。

卒FIT後の3つの選択肢

卒FIT後の3つの選択肢

卒FIT後にとれる道は、大きく分けて3つです。どれが正解というより、家庭の状況によって向き不向きが変わります。

卒FIT後の3つの選択肢(イメージ)
35%40%25%
①売電先を切り替え(35%)②蓄電池で自家消費(40%)③そのまま継続(25%)

選択肢①:売電先を高い会社に切り替える

新電力の中には、卒FIT向けに大手より高い単価で買い取るプランを出す会社があります。申し込みは無料・数分で済むことが多く、いちばん手軽な一手です。

選択肢②:蓄電池を導入して自家消費する

昼の余りを蓄電池に貯めて夜に使う方法。7〜9円で売る代わりに、27〜31円の買電を減らせるので実質お得です。停電への備えにもなります。

選択肢③:そのまま今の会社に売り続ける

何もしなくても、多くは自動で継続され、安い単価(7〜9円)で売電が続きます。手間はゼロですが、得られる金額は3つの中でいちばん小さくなりがちです。

i3つの選択肢の性格

①売電先切替:無料・すぐできる。売電額を底上げ・②蓄電池:初期費用はかかるが、長い目で電気代を大きく削減+防災・③そのまま:手間ゼロだが単価は最安。実質「様子見」

大切なのは、①と②は両立できるということ。まず売電先を切り替えて底上げしつつ、蓄電池をじっくり検討する、という順番も現実的です。

逆に③のまま何年も放置すると、その間ずっと安い単価で売り続けることに。まずは①だけでも動いておくと、取りこぼしが減ります。

次の章から、①の売電先切替と②の蓄電池を、それぞれ具体的に見ていきましょう。

まず動くなら『無料の①』から

①切替は無料・数分。今日からでも動ける・②蓄電池は比較・見積もりに時間をかけて・③そのままは、実質「決めない」=安い単価が続く

3つのうち、リスクなく始められるのは①の売電先切替です。無料で単価を底上げできるので、迷っている間の“つなぎ”としても優秀です。

②の蓄電池は、電気の使い方や住む年数によって得の大きさが変わります。焦らず、複数社の見積もりで数字を見てから決めれば十分です。

③のまま何もしないのも一つの判断ですが、それは「安い単価で売り続ける」選択だと理解したうえで選びましょう。

大事なのは、どれか一つに絞らないと動けない、と思い込まないこと。まず①で底上げしておき、あとから②を足す積み上げ方が現実的です。

我が家がどのタイプかは、後半のセルフ診断でも整理できます。選択肢の全体像をつかんでおけば、営業トークにも流されにくくなります。

選択肢1:売電先を高く買う会社に切り替える

選択肢1:売電先を高く買う会社に切り替える

まずは手軽な「売電先の切り替え」から。卒FIT向けの買取プランは各社が用意していて、単価やサービスに差があります。

一例として、東京電力エリアでは13〜15円/kWh前後の高い買取プランもあります(2026年時点の一例。エリアや時期で変わります)。大手の7〜9円と比べると、単価が大きく違います。

買取型には「固定型」と「市場連動型」がある

買取プランは、大きく2種類に分かれます。ここを知らずに選ぶと、思ったより安かった、ということが起きます。

固定買取型

  • 単価が一定で分かりやすい
  • 収入が読みやすい
  • 相場が高いと割安に感じることも

VS

市場連動型(JEPX連動)

  • 電力市場の相場に単価が連動
  • 相場が高い時は高く売れる
  • 相場が下がると安くなるリスク

固定買取型は、決まった単価で買い取ってもらえるタイプ。収入が読みやすく、値動きに一喜一憂したくない人に向いています。

一方の市場連動型は、電力の卸市場(JEPX)の相場に単価が連動するタイプ。相場が高い時間帯や時期は高く売れますが、下がれば安くなるという振れ幅があります。

SOL|電気工事士SOL|電気工事士

現場感覚で言うと、まずは固定型で単価を底上げするのが分かりやすくておすすめです。市場連動型は仕組みを理解して「相場が動く前提」で付き合える人向け。どちらにしても、切り替え自体は無料・数分の申し込みで済むことが多いので、面倒がらずに一度比べてみてください。

切り替えの申し込みは、多くの場合無料・オンラインで数分。今の売電も止まらず、切り替え後は自動で新しい単価が適用されます。

ただし会社によっては契約期間や解約条件が設定されていることも。あとで蓄電池を入れる予定なら、しばりの緩いプランを選んでおくと動きやすいです。

「まず無料でできることから」という意味で、売電先の切り替えは卒FIT後の第一歩として最適です。

!売電先を切り替えるときの確認ポイント

・買取単価(固定か市場連動か)・契約期間・解約条件・違約金の有無・申し込みや解約に費用がかからないか

切り替えは手軽ですが、条件だけは事前チェックを。とくに違約金としばりは、あとで蓄電池を入れたくなったときに効いてきます。

選択肢2:蓄電池を導入して自家消費する

選択肢2:蓄電池を導入して自家消費する

次に、長い目で電気代を大きく減らせる「蓄電池での自家消費」です。卒FITをきっかけに検討する人がいちばん多い選択肢でもあります。

仕組みはシンプル。昼に太陽光で作った余りを蓄電池に貯め、夜間や早朝に使う。7〜9円で売る代わりに、27〜31円の買電を減らせるので、差額ぶんが実質お得になります。

蓄電池で得する1kWhあたりの効果=買電単価(27〜31円) − 売電単価(7〜9円)
貯めて自家消費すれば、売るより1kWhあたり約20円前後おトク。夜間の使用が多い家庭ほど効果が出やすい

さらに、停電時に電気が使えるのも蓄電池の強み。台風や災害で停電しても、貯めた電気で冷蔵庫や照明、スマホの充電をまかなえます。

沖縄で暮らしていた僕は、台風で長時間の停電を何度も経験しました。そんなとき、太陽光と蓄電池があれば昼に貯めて夜に使えるので、安心感がまるで違います。

デメリットは初期費用と回収年数

いい面ばかりではありません。蓄電池は初期費用が100〜250万円ほどかかり、これを電気代の削減で少しずつ回収していく必要があります。

!蓄電池のメリットとデメリット

メリット:高い買電を減らせる/停電に強い/余剰を無駄にしない・デメリット:初期費用100〜250万円/回収に年数がかかる/設置スペースが必要だからこそ、補助金の活用と相見積もりで“買い方”が重要になります。

ただし、自治体の補助金を使えば実質負担を下げられます。なお国のDR補助金(最大60万円)は2026年5月29日に終了し、再開予定はありません。時期によって内容が変わるので、導入前に最新の制度を確認しましょう(参考:経済産業省)。

補助金の詳しい中身や2026年の動きは、別記事で整理しています。蓄電池を前向きに考えるなら、あわせて確認しておくと損しません。

100〜250万円蓄電池の初期費用の目安
終了国のDR補助金(2026年5月29日)
約20円自家消費1kWhの得の目安

もう一つの利点が、卒FITで余った電気を無駄なく使い切れること。安値で手放していた余剰を、家の中で価値の高い電気として活用できます。

ただし容量選びは慎重に。大きすぎると使い切れず割高、小さすぎると効果が薄いので、我が家の夜間の使用量に合った容量を選ぶのが肝心です。

☀️あわせて読みたいあわせて読みたい:2026年の太陽光・蓄電池の補助金国や自治体の補助金の探し方と、実質負担を下げる使い方を電気工事士が解説しています。

【比較】売電先の切り替えと蓄電池、どっちが得?

【比較】売電先の切り替えと蓄電池、どっちが得?

「結局、切り替えと蓄電池はどっちがいいの?」——ここが多くの人の悩みどころ。まず性格の違いを整理しましょう。

売電先の切り替え

  • 無料・すぐできる
  • 初期費用ゼロ
  • 売電額を底上げ
  • 効果は単価の差ぶん

VS

蓄電池で自家消費

  • 初期費用100〜250万円
  • 回収に年数が必要
  • 電気代を大きく削減+防災
  • 長く住むほど有利

ざっくり言えば、すぐ・無料で手を打つなら売電先切替長い目で電気代を大きく減らし、防災も備えたいなら蓄電池、という住み分けです。

切り替えは「今ある売電をより高く売る」だけなので、効果は単価の差ぶんに限られます。ただ手間もお金もかからず、デメリットがほぼありません。

蓄電池は「そもそも売らずに使う」ことで、高い買電を大きく減らせます。効果は大きい一方、初期費用の回収という宿題がついてきます。

タイプ別・おすすめの組み合わせ

とにかく手間なく得したい:売電先の切り替えだけでOK・電気をよく使う・長く住む・防災も:蓄電池を前向きに・迷う:まず切り替えで底上げ→蓄電池をじっくり検討、の二段構え

おすすめしたいのは、まず売電先を切り替えて、そのうえで蓄電池を検討する順番。切り替えは無料なので、蓄電池を考える間も損をしません。

どちらも「我が家の電気の使い方」で得の大きさが変わります。夜間にたくさん電気を使う家ほど、蓄電池の自家消費が効いてくる傾向です。

正確な損得は、次の章で紹介するシミュレーションと、複数社の見積もりで数字にして比べるのが確実です。

iどっちが得か迷ったときの考え方

効果の大きさなら蓄電池(自家消費で買電を大きく削減)・手軽さ・ノーリスクなら売電先切替・両取りなら「切替→蓄電池」の順で段階的に

もう少し具体的に言うと、電気代が高い家庭や、オール電化で夜間の使用が多い家庭ほど、蓄電池の自家消費が効いてきます。

逆に、日中に家を空けることが多く電気の使用量が少ない家庭は、まず売電先の切り替えで十分なことも。使い方次第で答えが変わります。

また、蓄電池は電気代の節約だけでなく停電への備えという価値もあります。金額だけでは測れないメリットも加味しましょう。

「今すぐ得したい」のか「長い目で大きく減らしたい・防災も」なのか。自分が何を優先するかを決めると、選ぶ道が自然と絞れてきます。

迷って何もしないのがいちばんもったいないパターン。まずは無料の切り替えだけでも動いておけば、その間ずっと単価を底上げできます。

卒FIT後の進め方・切り替えの手順

卒FIT後の進め方・切り替えの手順

では実際に、卒FIT後は何から動けばいいのか。手順を4ステップに整理しました。難しくないので、順番にやれば大丈夫です。

今の売電単価と契約先を確認する

まずは現状把握から。検針票や電力会社のマイページで、今の売電単価と契約している会社を確認します。卒FITが近い人は、満了の案内が届いていないかもチェックしましょう。いつ10年を迎えるかを知るのが出発点です。

売電先の買取プランを比較する

次に、卒FIT向けの買取プランを比べます。固定型か市場連動型か、単価はいくらか、契約期間や解約条件はどうかを確認。あとで蓄電池を入れる予定なら、しばりの緩いプランを選んでおくと動きやすいです。

蓄電池を入れるなら複数社で見積もりを取る

自家消費を考えるなら、蓄電池は必ず複数社で相見積もりを。同じ容量でも価格差が出やすい設備です。補助金の対象になるか、設置場所や工事内容まで含めて比べると、適正価格が見えてきます。

切り替えを申し込む

方針が決まったら、売電先の切り替えを申し込みます。多くは無料・オンラインで数分。今の売電は止まらず、切り替え後は自動で新しい単価が適用されます。蓄電池は契約後に工事日を調整します。

ポイントは、①現状確認 → ②比較 → ③(蓄電池は)見積もり → ④申し込みという流れ。いきなり契約せず、比較のステップを飛ばさないことが大事です。

とくに蓄電池は高い買い物なので、1社の言い値で決めないこと。相見積もりで各社の価格と保証をそろえて比べれば、判断に迷いがなくなります。

売電先の切り替えだけなら、今日からでも動けます。まずは検針票を手元に、今の単価を確かめるところから始めてみてください。

進め方でつまずかないコツ

比較のステップを飛ばさない(いきなり契約しない)・蓄電池は必ず複数社で見積もる・切替はしばりの緩いプランを選んでおく

手順の中でいちばん差が出るのが、②の比較と③の相見積もりです。ここを丁寧にやるかどうかで、最終的な得の大きさが変わってきます。

とくに蓄電池は、同じ機種でも会社によって数十万円の差が出ることも。1社だけの提案で判断せず、必ず横並びで比べましょう。

時間がないなら、まずは①の売電先切替だけ先に済ませるのも手。無料で単価を底上げしつつ、②はあとからじっくり進められます。

手順そのものは難しくありません。大事なのは焦って即決しないこと。順番に進めれば、卒FIT後の選択で失敗することはほぼなくなります。

卒FITで失敗しないための注意点

卒FITで失敗しないための注意点

最後に、卒FITで後悔しないための注意点をまとめます。知っておくだけで、余計な失敗や割高な契約を避けられます。

卒FITで気をつけたい4つのこと

市場連動型の相場変動リスクを理解せずに契約する・解約条件や違約金を確認しないまま切り替える・蓄電池を1社の言い値で契約してしまう・「卒FITだから蓄電池は必須」という営業トークを鵜呑みにする

「卒FITだから蓄電池が必須」ではない

とくに注意したいのが、訪問販売などでの「卒FITになったら蓄電池を入れないと損」という煽り。これは正確ではありません。蓄電池は選択肢の一つで、必須ではないんです。

蓄電池を入れなくても、売電先の切り替えだけで売電額を底上げできます。焦らせて即決を迫る営業には、その場で契約せず一度持ち帰る姿勢が大切です。

訪問販売の断り方や見分け方に不安がある人は、事前に知っておくと安心して対応できます。

☀️あわせて読みたいあわせて読みたい:太陽光・蓄電池の訪問販売、上手な断り方しつこい営業の見分け方と、その場で契約しないためのコツを電気工事士が解説しています。

市場連動型を選ぶ場合は、相場が下がれば単価も下がるという前提を理解してから。収入を安定させたいなら固定型が無難です。

切り替え時は、契約期間・解約条件・違約金の有無も必ず確認を。あとで蓄電池やほかのプランに動きたくなったとき、しばりが足かせにならないようにしておきましょう。

蓄電池は必ず相見積もり。同じ機種でも会社によって価格が違うため、複数社を比べて適正価格をつかむのが、失敗しない最大のコツです。

!即決を迫られたときの対処法

・「今日だけ」「卒FIT特別価格」は一度持ち帰る・その場でサインしない・印鑑を出さない・不安なら家族や第三者に相談してから決める

訪問販売でよくあるのが、「今契約しないと補助金に間に合わない」といった急かし文句。本当に急ぎか、その場で判断せず確認しましょう。

クーリング・オフという制度もありますが、そもそも急かされて契約しないのが一番。少しでも迷ったら、契約は保留にして大丈夫です。

卒FITは、慌てて動かなくても損はしません。安い単価が続くだけで電気は止まらないので、納得できるまで比較する時間は十分にあります。

正しい知識さえあれば、卒FITはむしろ電気代を見直すチャンス。煽りに乗らず、我が家に合う選択肢を落ち着いて選んでいきましょう。

【無料】卒FIT後の選択肢シミュレーション

【無料】卒FIT後の選択肢シミュレーション

ここまで読んだら、次は「我が家の数字」で確かめる番です。平均ではなく、自分の家の条件で試すのがいちばん納得できます。

下のシミュレーターに、地域・容量・電気代・蓄電池の有無を入れれば、費用・年間の経済効果・回収年数の目安が出ます。まずは気軽に試してみてください。

☀️ 太陽光・蓄電池 かんたん回収シミュレーター

お住まいの地域と条件を選ぶと、初期費用・年間の経済効果・回収年数の目安が自動で計算されます。

蓄電池を検討している人は、自家消費でどれだけ買電を減らせるかと、初期費用を何年で回収できるかをセットで見るのがコツです。

蓄電池の回収年数の目安=初期費用(補助金を引いた実質額) ÷ 年間の節約額
夜間の自家消費が多いほど年間の節約額が増え、回収年数は短くなる。正確な額は一括見積もりで各社に出してもらうのが確実

回収年数が蓄電池の寿命より十分に短ければ、元を取ったうえでお釣りが来る、という考え方です。ここを数字で確かめておくと、判断に迷いがなくなります。

あなたに合う選択肢はどれ?セルフ診断

シミュレーションの前後で、我が家がどの選択肢に向いているかを簡単にセルフ診断できるリストを用意しました。当てはまる数を数えてみてください。

  • まもなく(または既に)FITの10年満了=卒FITを迎える
  • 今の売電単価が7〜9円まで下がっている、または下がる予定
  • 夜間や早朝にもそれなりに電気を使う
  • 台風や災害など、停電への備えをしておきたい
  • 今の家に、これから10年以上は住む予定

目安はこうです。上の2つだけ当てはまるなら、まずは無料の売電先切替で売電額を底上げするのが手軽でおすすめ。

3つ以上当てはまるなら、蓄電池での自家消費が効いてくる可能性が高い家庭です。相見積もりで費用と回収年数を確かめてみましょう。

診断はあくまで目安ですが、「切り替えだけ」か「蓄電池も」かの方向性をつかむきっかけになります。より正確な金額は、無料の一括見積もりで各社に出してもらうのが確実です。

i診断結果の活かし方

切替向き:まず無料でプランを比較して申し込み・蓄電池も検討:一括見積もりで費用と回収年数を確認・迷う:切替で底上げしつつ、見積もりだけ先に取る

シミュレーションと診断、どちらも「我が家の条件」で考えるための道具です。他人の事例ではなく、自分の数字で判断するのが後悔しないコツです。

結果を見て「切り替えだけで十分」と分かればそれでよし。「蓄電池も検討する価値あり」と出たら、次は一括見積もりで実額を確かめる番です。

大きな判断ほど、感覚ではなく数字で。無料でできる範囲でしっかり試してから、納得して次の一歩に進んでください。

よくある質問

よくある質問

最後に、卒FITについてよく寄せられる質問をまとめました。ここまでの総まとめとしても使えます。

卒FITになると売電できなくなるのですか?

いいえ。卒FIT後も発電も売電も続けられます。変わるのは買取単価だけで、大手だと7〜9円/kWh程度に下がります。安いままで売り続けるのが嫌なら、高い新電力への切り替えや、蓄電池での自家消費を検討しましょう。

卒FITを放っておくとどうなりますか?

多くは今の会社で自動継続され、安い単価(7〜9円)で売電が続きます。電気が止まることはありませんが、得られる金額は最も小さくなりがちです。まずは無料でできる売電先の切り替えだけでも動いておくと、取りこぼしを防げます。

売電先の切り替えは無料でできますか?

多くの場合、申し込みは無料・オンラインで数分です。今の売電も止まらず、切り替え後は自動で新しい単価が適用されます。ただし会社によって契約期間や解約条件があるため、そこは事前に確認しておきましょう。

卒FITになったら蓄電池は必須ですか?

必須ではありません。蓄電池は選択肢の一つです。売電先を切り替えるだけでも売電額を底上げできます。「卒FITだから蓄電池を入れないと損」という営業トークは鵜呑みにせず、我が家に必要かを冷静に判断しましょう。

市場連動型(JEPX連動)の買取は危険ですか?

危険というより、相場に単価が連動する仕組みです。相場が高い時は高く売れ、下がれば安くなります。収入を安定させたいなら固定買取型が無難。値動きの前提を理解できる人なら、市場連動型も選択肢になります。

売電先の切り替えの手続きはどうしますか?

まず検針票やマイページで今の単価と契約先を確認し、卒FIT向けの買取プランを比較します。方針が決まったら、新しい会社にオンラインなどで申し込むだけ。今の売電を止める手続きは、多くの場合、新会社側でまとめて対応してくれます。

蓄電池の補助金は使えますか?

国のDR補助金(最大60万円)は2026年5月29日に終了し、再開予定はありません。現在は自治体の補助金が主役で、住む市区町村で金額が大きく変わります。内容や募集時期は年度で変わるため、導入前に最新情報を確認しましょう。補助金を前提に相見積もりを取ると、実質負担を抑えて回収年数を短くできます。

EV(V2H)も卒FIT後の選択肢になりますか?

なります。V2Hを使えば、電気自動車(EV)を大きな蓄電池のように使い、昼の余剰を貯めて夜や走行に活用できます。EVを持っている、または導入予定の家庭なら、蓄電池の代わり・併用として検討する価値があります。

卒FIT後の売電価格は今後もっと下がりますか?

先のことは断言できませんが、FITの高い単価に戻ることは基本的にありません。だからこそ「安く売る」より「自家消費で高い買電を減らす」価値が上がっています。数値は2026年時点の目安で、地域や会社で変わる点にご注意ください。

まとめ:卒FIT後は「高く売る」か「蓄電池で使う」かで動こう

まとめ:卒FIT後は「高く売る」か「蓄電池で使う」かで動こう

卒FITとは、住宅用FITの10年の固定買取が満了すること。売電できなくなるわけではなく、大手の買取価格が7〜9円/kWhまで下がるのがポイントです。

とれる道は①売電先を高い会社に切り替える ②蓄電池で自家消費する ③そのまま継続の3つ。無料ですぐ動くなら①、長い目で電気代を大きく減らし防災も備えるなら②が向いています。

迷うなら、まず売電先を切り替えて底上げしつつ、蓄電池をじっくり検討する二段構えがおすすめ。まずは無料のシミュレーションと一括見積もりで、我が家の数字を確かめるところから始めてみてくださいね。

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