埼玉県の太陽光発電・蓄電池|2026年の補助金・発電量・相場と見積もりのコツ

結論:埼玉県は「県か市か、どちらかを選ぶ」構造。しかも県の太陽光補助は2026年5月27日にもう終わっています
埼玉県で太陽光・蓄電池を検討するなら、次の3つを押さえてください。
・埼玉県の太陽光補助(7万円/kW・上限35万円)は2026年5月27日に予算到達で受付終了。残っているのは蓄電池10万円/件のみ
・国の蓄電池DR補助金は2026年5月29日に受付終了(再開予定なし)。2026年後半の主役は市町村の補助金
・埼玉は県と市の補助が併用できないケースが多い(財源がどちらも国庫)。所沢市なら市だけで約111万円=県より断然おトク
「埼玉県で太陽光をつけたら、補助金はいくらもらえるの?」——結論から言うと、お住まいの市町村しだいで100万円以上の差がつきます。同じ埼玉県内でも、所沢市なら太陽光+蓄電池で約111万円、県庁所在地のさいたま市なら市の補助は0円です。
僕は電気工事士として電気設備に関わりながら、太陽光や蓄電池についても普段から調べ、相談を受けています。この記事では、埼玉県内24市町の補助金を公式サイトで1件ずつ確認して整理しました。金額・条件・受付期間・申請のタイミングまで、2026年7月時点の実際の情報でまとめます。
ネット上には「埼玉県から太陽光7万円/kWがもらえます」と書いている記事が大量にあります。でも県の太陽光補助は2026年5月27日9時30分に予算額到達で受付を終了済みです。この記事は県・各市の公式ページを一次情報として確認していますが、それでも予算や年度で変わるので、最後は必ず公式でご確認ください。
埼玉県の補助金は「国・県・市町村」の3階建て。ただし埼玉は”積み上げ”ではなく”選択”
まず全体像から。埼玉県で使える支援は、次の3階建てになっています。ただし埼玉には他県にない大きなクセがあります。
それは「県の補助と、市の補助が併用できないことが多い」という点です。理由は財源。埼玉県の補助金の要件に、こう明記されています。
「補助対象設備を同じにする国の補助事業及び国庫支出金を財源とする市町村の補助事業等との併用ではないこと」(埼玉県公式・家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金)
そして県は、対象となる市を名指しで挙げています。「秩父市、所沢市、春日部市、入間市、新座市、久喜市、白岡市が実施する太陽光発電設備等の補助金は国庫支出金を財源とするものがあります。該当する市にお住まいの方は、市役所に御確認の上、市への申請を御検討ください」。
つまり県自身が「うちより市のほうが得ですよ」と案内しているわけです。埼玉は積み上げるのではなく、県と市のどちらが得かを選ぶゲームになっています。
よくある誤解
- 埼玉県から7万円/kWがもらえる
- 県と市の補助は重ねて使える
- 国の蓄電池60万円が使える
- どの市でも金額は同じ
VS
2026年7月の実際
- 県の太陽光補助は5月27日に受付終了
- 財源が国庫で重なると併用不可
- DR補助金は5月29日に終了・再開なし
- 市によって0円〜111万円の差
併用例:所沢市で太陽光5kW+蓄電池10kWhを入れた場合
いちばん手厚い所沢市を例に、「合計いくらになるか」を積み上げてみます。所沢市は売電しない(非FIT)自家消費型を選ぶと金額が跳ね上がる設計です。
◎併用例(所沢市・非FIT・太陽光5kW+蓄電池10kWh)
【3階】所沢市スマートハウス化推進補助金・太陽光(非FIT):10万円/kW × 5kW = 50万円(上限50万円)・蓄電池(非FIT太陽光と同時設置):3万円/kWh+対象経費の1/3 = 61.6万円(上限61.6万円)【2階】埼玉県の補助金・0円。所沢市の補助は国庫支出金が財源のため、県との併用不可(県公式が名指しで案内)【1階】国の補助金・蓄電池のDR補助金(最大60万円)は2026年5月29日に終了──────────補助金の合計:約111.6万円(市の補助のみ)
県の補助(太陽光35万円+蓄電池10万円=最大45万円)と比べても、所沢市の111.6万円は倍以上。しかも県の太陽光分はもう終わっています。「県か市か」で迷う余地はほぼありません。
!ただし「必ず全部もらえる」わけではありません
・同じ設備に国庫補助が重複すると不可になります。埼玉ではこれが県と市の間で頻発します・所沢市の非FIT枠は着工前申請が必須。契約してから調べ始めると間に合いません・非FIT=売電しない前提です。「売電で稼ぐ」提案とは両立しません・国のみらいエコ住宅2026(蓄電池9.6万円)を市の補助と重ねられるかは、市に事前確認を・上の金額は2026年7月時点の制度に基づく試算例です。必ずご自身の条件で各窓口にご確認ください
国の補助金【2026年7月の最新状況】蓄電池のDR補助金は終了しました
ここが2026年後半のいちばん大事なポイントです。国の蓄電池補助金(DR補助金)は、すでに受付を終了しています。
DR補助金(家庭用蓄電池・最大60万円)→ 2026年5月29日に終了
正式名称は「DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業」(令和7年度補正)。家庭用蓄電池に対する国の補助として、いちばん金額が大きい制度でした。
iDR補助金の内容と、終了の経緯
・補助金基準額:3.45万円/kWh(初期実効容量)・補助率:設備費+工事費の3/10以内・補助上限:1申請あたり60万円・当初の公募期間:2026年3月24日〜2026年12月10日の予定・実際:交付申請額の合計額が予算に達し、2026年5月29日(金)に公募終了・SII(環境共創イニシアチブ)は「公募の再開を行う予定はありません」と明記
つまり、12月まで受付予定だったものが、5月末で締め切られたわけです。「先着順・予算切れで年度途中に終わる」という補助金の怖さが、そのまま出た例ですね。最新状況はSII公式サイトで確認できます。
次年度(令和8年度補正など)で後継の制度が出る可能性はありますが、2026年7月時点で公表されているものはありません。「国の60万円がもらえます」と説明する業者がいたら、その場で公式ページを一緒に確認してください。
ちなみに、埼玉県の太陽光補助が終わったのが5月27日、国のDR補助金が終わったのが5月29日。わずか2日違いで、埼玉の「大きい補助金」が2つ同時に消えました。2026年後半の埼玉は、完全に市町村の補助金が主役です。
太陽光パネル単体には、そもそも国の補助金がない
意外に知られていませんが、太陽光パネルそのものに対する国の補助金は2026年度もありません。みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠でも、「太陽光発電設備の設置工事」は対象外と明記されています。
だからこそ、太陽光パネルは市町村の補助金が頼りになります。ここが埼玉県内で差がつく理由です。
いま使える国の制度(2026年7月時点)
◎既築住宅のリフォームなら:みらいエコ住宅2026事業
・蓄電池(エコ住宅設備):9.6万円/戸(定額・SII登録の定置用リチウム蓄電池)・リフォームの上限:100万円/戸(〜平成3年築)/80万円/戸(平成4〜28年築)・交付申請期間:遅くとも2026年12月31日まで(予算上限到達時はその時点まで)・※太陽光パネルの設置工事は対象外・※埼玉県の蓄電池補助(10万円)とは併用できません(同じ設備への国の補助事業との併用不可)
i新築なら:ZEH支援事業/みらいエコ住宅2026(併用不可)
ZEH支援事業(令和8年度)・ZEH:55万円/戸(地域区分1〜3)/45万円/戸(4〜8)・ZEH+:90万円/戸(1〜4)/80万円/戸(5〜8)・蓄電システム加算:2万円/kWh・対象経費の1/3・上限20万円/戸のいずれか低い額・公募期間(単年度):2026年5月21日〜12月11日みらいエコ住宅2026(新築):GX志向型125万円/110万円、長期優良80万円/75万円、ZEH水準40万円/35万円※ZEH支援事業とみらいエコ住宅2026は併用できません。どちらが得か試算を※新築で検討中の方はご注意を。埼玉県の補助も、川越市・朝霞市の補助も既存住宅のみで新築は対象外です
埼玉県の補助金【重要】太陽光分は2026年5月27日に受付終了しました
埼玉県には「家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」という現金給付の制度があります。大阪府などと違い、県から直接お金が出るタイプです。
ただし——肝心の太陽光の枠は、もう終わっています。
!【最重要】埼玉県公式のお知らせ(2026年5月27日)
県の公式ページには、こう掲載されています。「令和8年5月27日(水曜日)9時30分 太陽光発電設備及び太陽熱利用システムについては、補助金申請額が予算額に達しましたので、受付を終了します。」「蓄電池・エネファームについては、引き続き交付申請を受け付けております。」──────────受付開始が5月18日だったので、わずか9日で太陽光枠が埋まったことになります。他サイトの「埼玉県は太陽光7万円/kW」という記載は、2026年7月時点では使えない情報です。
制度の中身(2026年7月時点で申請できるのは蓄電池・エネファームのみ)
i埼玉県 家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金(令和8年度)
交付団体と補助額・太陽光発電設備(県):7万円/kW(上限35万円)→ 2026年5月27日に受付終了・太陽熱利用システム(県):対象経費の2/3(上限20万円)→ 同じく受付終了・蓄電池(環境ネットワーク埼玉):10万円/件 → 受付中・エネファーム(環境ネットワーク埼玉):5万円/件 → 受付中受付期間:2026年5月18日〜2027年1月29日(先着順・予算到達で終了)予定件数:3,100件程度(補助対象設備の合計件数)
!県の補助金の要件(かなり厳しめです)
・県内の自ら居住する「既存住宅」のみ(新築は対象外)・「埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者」の認定を受けた事業者との契約が必須(業者を自由に選べません)・交付決定を受けてから工事に着手すること(着工前申請)・太陽光は契約日が2026年4月1日以降/FITの認定は受けないこと/発電量の30%以上を自家消費すること・太陽光の補助を受けるには蓄電池の同時設置が必須・同じ設備について、国の補助事業や国庫支出金を財源とする市町村の補助事業との併用は不可・申請先が設備で分かれます。太陽光・太陽熱は県、蓄電池・エネファームは認定NPO法人 環境ネットワーク埼玉(電話 048-767-6151)
ここで効いてくるのが「あんしん事業者」要件です。県の補助を使うなら、県が認定した事業者としか契約できません。一方、市町村の補助にはこの縛りがない市がほとんど。業者を自由に比較したいなら、市の補助を狙うほうが動きやすいという側面もあります。
共同購入「みんなのおうちに太陽光」(県ではなく市町村が主体)
もうひとつ、埼玉には共同購入の仕組みがあります。ただしこれは県の事業ではなく、さいたま市が幹事役となって複数の市町が合同で実施しているものです。
◎みんなのおうちに太陽光(令和8年1次募集)
・参加自治体:さいたま市・川越市・春日部市・狭山市・上尾市・蓮田市・鶴ヶ島市・日高市・宮代町・飯能市(6月1日から追加)・参加登録期間:2026年3月5日〜2026年9月9日(2026年7月時点で受付中)・仕組み:現金給付ではなくまとめ買いで価格そのものを下げる方式。参加登録は無料・購入義務なし・令和8年1次募集の入札結果:太陽光パネル単品 約29.3%OFF/太陽光+蓄電池 約31.0%OFF/蓄電池単品 約33.2%OFF・詳細はさいたま市公式ページで確認を
注目したいのは、さいたま市に市独自の補助金がないこと。その代わりがこの共同購入です。さいたま市民にとっては、実質これが唯一の「市からの支援」と言っていい存在になっています。
!共同購入の注意点
・機種や条件は入札で決まったものから選ぶ形になり、自由度は高くありません・上の割引率は令和8年1次募集の入札結果です。募集回ごとに変わります・共同購入の見積もりと、自分で取った一括見積もりを並べて比べるのがいちばん確実です・参加していない市(川口市・所沢市・越谷市・草加市など)にお住まいなら、この選択肢はありません
【一覧】埼玉県内 市町村の太陽光・蓄電池 補助金(令和8年度)
ここが本題です。埼玉県内の主要24市町について、各市の公式サイト(lg.jp)で1件ずつ確認した令和8年度(2026年度)の補助金をまとめました。太陽光5kW+蓄電池10kWhを入れたときの金額が大きい順に並べています。横にスクロールできます。
| 市区町村 | 太陽光の補助 | 蓄電池の補助 |
|---|---|---|
| 所沢市 | 非FIT 10万円/kW(上限50万円)/FIT 3万円/kW(上限15万円) | 3万円/kWh(上限24万円)/非FIT太陽光と同時なら3万円/kWh+経費1/3(上限61.6万円) |
| 秩父市 | 10万円/kW(上限50万円)※FIT・FIP認定不可 | 蓄電池価格の1/3(上限40万円)※太陽光と同時設置必須 |
| 新座市 | 9万円/kW(個人は上限5kW=45万円/県認定事業者の施工なら上限10kW=90万円) | 9万円/kWh(個人は上限5kWh=45万円)※価格の31分の18が上限 |
| 入間市 | 7万円/kW(上限35万円)※2026年6月25日に予算上限到達・以降は補欠扱い | 蓄電池価格の1/3(上限50万円)※太陽光とセット必須・単独不可 |
| 白岡市 | 7万円/kW(上限35万円)※重点対策加速化事業 | 1/3(上限36.1万円)※太陽光と併せて導入が必須。別途 市単独制度で各3万円 |
| 春日部市 | 重点区域 9万円/kW(上限45万円)/区域外 7万円/kW(上限35万円) | 4万円/kWh(重点区域 上限24万円/区域外 上限20万円)※蓄電池単体は不可 |
| 久喜市 | 重点対策 7万円/kW(上限7kW=49万円)/ゼロカーボン 定額6万円(抽選) | 重点対策 価格の1/3(上限7kWh)/ゼロカーボン 定額6.5万円 ※2制度は重複申請不可 |
| 川口市 | 設置費の1/2。市内業者 上限16万円/市外業者 上限8万円 | 設置費の1/2。市内業者 上限16万円/市外業者 上限8万円 |
| 朝霞市 | 3.5万円/kW(既存戸建の上限10万円)※既存住宅のみ | 定額10万円(2kWh以上・SII登録機器) |
| 深谷市 | 定額6万円(出力3kW以上10kW未満) | 定額10万円(蓄電容量合計3kWh以上) |
| 熊谷市 | 2万円/kW(上限10万円)※地域電子マネー「クマPAY」で交付 | 対象経費の5%(上限5万円)※同じくクマPAYで交付 |
| 越谷市 | 2万円/kW(上限8万円/市内事業者と契約で上限10万円)※抽選 | 一件につき5万円(ポータブル蓄電池は対象外)※抽選 |
| 上尾市 | 2万円/kW(上限9万円) | 定額5万円 |
| ふじみ野市 | 2万円/kW(上限7万円)※全量売電は不可 | 2万円/kWh(上限7万円)※太陽光の設置済み・設置予定が要件 |
| 草加市 | 一律5万円(1kW以上10kW未満) | 一律5万円(定置型のみ・ポータブル電源は対象外) |
| 富士見市 | 定額5万円 | 定額5万円(蓄電容量1kWh以上) |
| 狭山市 | 定額4万円(1kW以上10kW未満) | 定額5万円(1kWh以上) |
| 八潮市 | 定額3万円(住宅用1kW以上10kW未満) | 定額5万円 |
| 川越市 | 定額3万円※蓄電池またはV2Hとの同時設置が必須・既存住宅のみ・抽選 | 定額3万円(4kWh以上・太陽光と連系必須)※抽選 |
| 戸田市 | 一律5万円(JET認証モジュールに限る) | 令和8年度は対象外(補助対象設備に蓄電池なし) |
| さいたま市 | 実施なし(住宅用)※市が「今後の実施予定もありません」と明記 | 実施なし(住宅用)※共同購入で対応 |
| 志木市 | 実施なし※令和8年度の対象はエネファームのみ | 実施なし |
| 三郷市 | 実施なし※令和8年度からEV・PHEVのみに縮小 | 実施なし |
| 和光市 | 実施なし※太陽光補助は平成28年度で休止 | 実施なし※令和8年度の対象はエアコン・冷蔵庫のみ |
!この表の読み方・注意
・金額はすべて2026年7月時点で各市の公式ページ(lg.jp)から確認した目安です・補助金は年度・予算で変わり、先着順で年度途中に終了します。申請前に必ず公式で最新をご確認ください・「実施なし」は令和8年度に住宅用の制度が確認できなかったという意味です(過去にあった市もあります)・三郷市は令和8年4月2日決裁の新要綱で対象がEV・PHEVのみに縮小されました。他サイトに残る「2.5万円/kW・蓄電池5万円」は前年度以前の情報です・和光市の太陽光補助は平成28年度で休止済み。「最大15万円」と載せているサイトは10年前の情報です・入間市は金額こそ手厚いものの、2026年6月25日に予算上限到達。以降の申請は補欠扱いです・八潮市の公式URLは「R7_taiyoko.html」ですが、ページ本文は令和8年度の内容です(市が前年度のURLを流用)
☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光・蓄電池の補助金2026国・自治体の補助金の仕組み、DR補助金、申請の流れと注意点を電気工事士が解説しています。
主要市の補助金を個別解説【金額・条件・受付期間】
金額が大きい市と、注意が必要な市を個別に見ていきます。
所沢市:県内最高水準(非FITなら太陽光+蓄電池で約111万円)
「所沢市スマートハウス化推進補助金」。県内でいちばん手厚い制度です。ポイントはFITか非FITかで金額が3倍以上変わること。
◎所沢市の補助金(令和8年度)
・太陽光(FIT認定あり):3万円/kW(上限15万円)・太陽光(非FIT):10万円/kW(上限50万円)・蓄電池(通常):3万円/kWh(上限24万円)・蓄電池(非FIT太陽光と同時設置):3万円/kWh+対象経費の1/3(上限61.6万円)・受付期間:非FITは2026年6月1日〜12月18日(着工前申請)/それ以外は事後申請で第1期〜第4期に分割(第2期は9月1日〜30日、第3期は11月2日〜30日、第4期は2027年2月1日〜3月19日)・加算:三世代同居・小規模事業者の利用・再エネ比率50%以上の電力プランのいずれかで最大33%加算・条件:先着順(予算到達で終了)/同一年度内1回限り
注目は「非FIT=売電しない」を選ぶと太陽光が3万円/kW→10万円/kWに跳ね上がる点。5kWなら15万円が50万円になります。ただし非FITは着工前申請が必須で、締切も12月18日。売電で稼ぐプランとは両立しないので、どちらが得か試算してもらいましょう。
そして所沢市の補助は国庫支出金が財源。県の補助とは併用できません。とはいえ県が最大45万円(しかも太陽光分は終了済み)なのに対し市は111.6万円なので、迷わず市を選ぶのが正解です。
秩父市:単価は県内トップの10万円/kW(窓口持参のみ)
◎秩父市の補助金(令和8年度)
・太陽光:10万円/kW(個人は上限50万円)・蓄電池:蓄電池価格の1/3(上限40万円)※太陽光との同時設置が必須・受付開始:2026年6月18日〜(締切日の明記なし=予算がなくなり次第終了)/実績報告期限は2027年2月19日・予算額:2,811.1万円・条件:2026年4月1日以降の工事契約・着工/FIT・FIP認定を取得しないこと/個人は発電量の30%以上を自家消費/先着順(予算上限到達日の申請は抽選)/窓口持参のみ(郵送不可)
単価10万円/kWは県内トップ。ただし締切が公表されておらず「予算がなくなり次第」なので、動きは早いほうが安全です。窓口持参のみという点も見落としがちなので注意を。詳細は秩父市の公式ページから。
新座市:9万円/kW。「県認定事業者」で使える枠が2倍に
i新座市の補助金(令和8年度)
・太陽光:9万円/kW。個人は上限5kW=45万円/埼玉県認定事業者による施工なら上限10kW=90万円・蓄電池:蓄電池価格+設置工事費(税抜)の31分の18、上限9万円/kWh、個人は上限5kWh=45万円・受付期間:2026年5月1日〜2026年12月10日(県内でもっとも早い締切)・条件:契約前に申請が必須(着工前ではなく契約前)/FIT・FIPの認定不可/個人は自家消費30%以上/先着順・予算上限到達時は抽選・予算:個人向け太陽光 2,070万円/個人向け蓄電池 2,038万円・540万円
新座市で気をつけたいのは「契約前に申請」という点。他市の「着工前」より一段厳しく、契約してしまった時点でアウトです。また締切が12月10日と県内最速。屋根が広くて10kW近く載る家なら、埼玉県認定事業者を選ぶだけで上限が45万円→90万円に倍増するので、業者選びが直接お金に効きます。
春日部市:住所で金額が変わる「重点区域」制度
i春日部市の補助金(令和8年度)
・太陽光:重点区域 9万円/kW(上限45万円)/区域外 7万円/kW(上限35万円)・蓄電池:4万円/kWh(重点区域 上限24万円/区域外 上限20万円。対象経費の1/3といずれか低い額)・受付期間:2026年5月11日〜2026年12月28日(必着)・重点区域:粕壁、八木崎町、粕壁一〜四丁目、粕壁東一〜三丁目、中央一〜七丁目、南一丁目、梅田本町二丁目、梅田三丁目、栄町三丁目、北春日部駅周辺地区土地区画整理事業の対象区域・条件:着工前申請必須(交付決定前の着工は不可)/蓄電池単体は不可(太陽光とのセット必須。太陽光単体はOK)/FIT・FIP認定を取得しないこと/自家消費30%以上/電子申請のみ(市役所窓口では申請不可)/リース・PPA不可・予算:太陽光 2,430万円/蓄電池 1,268.8万円
春日部市は住んでいる町名で金額が変わる珍しい設計です。重点区域なら5kWで45万円、区域外なら35万円。10万円の差なので、自分の住所が該当するか市の公式ページで必ず確認を。窓口では申請できず電子申請のみという点も要注意です。
川口市:金額は控えめ、でも「市内業者で2倍」がわかりやすい
i川口市の補助金(令和8年度)
・太陽光:設置費の1/2。市内業者 上限16万円/市外業者 上限8万円・蓄電池:設置費の1/2。市内業者 上限16万円/市外業者 上限8万円・太陽光+蓄電池を市内業者で施工すれば最大32万円(市外業者だと16万円)・受付期間:2026年5月11日〜予算到達まで(予算が残っても2027年3月15日で終了)・条件:すべて事後申請/セット必須なし(単独可)/FIT要件なし/引渡日が2026年3月1日以降/郵送・持参・電子申請のいずれもOK・予算:6,118万円。2026年6月30日時点で残額5,244万円(約85.7%)と枠は潤沢・市内業者の定義:市内に本店登記のある法人、または市内に住所・事業所を持つ個人事業主
川口市の特徴は市内業者で施工すると補助額がちょうど2倍になること。太陽光・蓄電池それぞれ8万円→16万円なので、セットで16万円の差がつきます。
ただし早合点は禁物。16万円の差のために、相場より20万円高い市内業者を選んだら意味がありません。市内・市外の両方から相見積もりを取って、「補助金を引いた後の実質負担」で比べてください。
なお、他サイトが載せている「川口市は6kW以上で1kWあたり1万円増額(上限5万円)」という記載は、令和8年度の公式ページには存在しません。令和8年度の算定は「設置費の1/2、上限額まで」のみです。またすべて事後申請で、FIT要件もなし。縛りが少なく、枠も余っていて、使いやすい制度と言えます。
入間市:7万円/kW・上限35万円 → ただし2026年6月25日に予算到達
!入間市の補助金(令和8年度)
・太陽光:7万円/kW(上限35万円)・蓄電池:蓄電池価格の1/3(上限50万円)※単独申請不可(太陽光とのセット必須)・【重要】市の公式ページに「V2Hシステム、太陽光発電システム、定置用リチウムイオン蓄電池の補助金については予算上限に達しました。」(2026年6月25日時点)「以降、ご申請いただいた方については補欠の取り扱いとさせていただきます。」と明記・条件:2026年4月9日以降に契約・工事したもの/FIT・FIP制度の認定を取得しないもの/発電電力の30%以上を自家消費/国庫補助金が原資の他の国・県補助金とは併用不可・予算:2,599.9万円
金額だけ見れば魅力的ですが、2026年6月25日にすでに予算上限に達しています。受付開始が5月1日だったので、2か月弱で埋まったことになります。いま申請しても補欠扱いで、繰り上がるかどうかは分かりません。「入間市は最大35万円もらえます」と書いている記事は、この事実に触れていないので注意してください。
さいたま市:市独自の補助はありません(共同購入で対応)
県庁所在地であり人口最大のさいたま市ですが、住宅用の太陽光・蓄電池に対する市独自の補助金はありません。市の公式ページには「さいたま市では、市民(住宅)向けの太陽光発電・蓄電池に対する補助金制度は実施しておりません。また、今後の実施予定もありません」と明記されています。
「創エネ・蓄エネ設備導入補助金」「重点対策加速化事業補助金」という制度はありますが、いずれも事業者向け。「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」もZEH・給湯機・断熱改修が対象で、蓄電池は補助対象経費から明示的に除外されています。
さいたま市にお住まいなら、使えるのは①埼玉県の蓄電池補助(10万円)、②国のみらいエコ住宅2026(蓄電池9.6万円/県とは併用不可なのでどちらか)、③共同購入「みんなのおうちに太陽光」(令和8年1次募集で約31%オフ)、そして④相見積もりで値段を下げることの4つ。志木市・三郷市・和光市も市の補助がないので同様です。補助金がない市ほど、相見積もりで価格を下げる意味が大きくなります。
今回、埼玉県内24市町の公式ページを1件ずつ確認して、いちばん驚いたのが県の太陽光補助が5月27日にもう終わっていたことでした。受付開始が5月18日なので、たった9日です。それなのに、ネットの記事はいまだに「埼玉県は7万円/kW」と書いている。もうひとつ埼玉で特殊なのが、県と市の補助が併用できないケースが多いこと。県も市も財源が国庫だと重ねられないんです。県の公式ページ自体が「該当する市にお住まいの方は市への申請を御検討ください」と書いていて、これは正直だなと思いました。埼玉は「積み上げる」んじゃなくて「県か市か、得なほうを選ぶ」。ここを間違えると、申請し直しになります。金額は必ず市の公式ページ(lg.jp)で確認してくださいね。和光市の太陽光補助を「最大15万円」と書いているサイトがありましたが、あれは平成28年度で休止した制度です。10年前の情報がまだ生きています。
【導入パターン別】補助金でいくら安くなる?シミュレーション
「結局いくら安くなるの?」を、2つの導入パターンで計算します。2026年7月時点の制度で試算しました。
パターン1:太陽光5kW+蓄電池10kWhのセット導入
いちばん多い組み合わせです。設備の総額は約280万円(太陽光5kW=約135万円+蓄電池10kWh=約145万円)を前提にします。
※合計 約111.6万円。約280万円の設備が実質約168万円に。2026年7月時点の制度に基づく試算例
同じ構成でも、市が変わると大きく違います。並べてみましょう。
※市の補助金のみの合計。所沢市は非FIT、春日部市は重点区域、川口市は市内業者、久喜市は重点対策加速化事業で試算。上限・条件により変動。2026年7月時点の目安
所沢市とさいたま市で約111万円の差。これが「埼玉県の補助金は市しだい」という意味です。
そして注目してほしいのが、金額の大きい市(所沢・秩父・新座・白岡・春日部・久喜・入間)がきれいに揃って「FIT認定不可・自家消費30%以上・着工前申請」だということ。これらはすべて国の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金が財源で、制度設計が似ているんです。埼玉で大きな補助金を狙うなら、実質「売電しない自家消費型」の一択になります。
パターン2:蓄電池のみを追加導入(すでに太陽光がある場合)
卒FIT後などに「蓄電池だけ追加したい」というケース。ここは2026年は厳しい状況です。
!蓄電池のみ10kWhを導入する場合(2026年7月時点)
国:0円・DR補助金(最大60万円)は2026年5月29日に受付終了・再開予定なし・みらいエコ住宅2026のリフォーム枠なら9.6万円は使えます県:10万円(受付中。ただしあんしん事業者との契約・既存住宅が条件。国の9.6万円とは併用不可なのでどちらか)市:市によって0〜30万円と大差・所沢市:最大24万円(3万円/kWh・上限24万円。非FIT太陽光との同時設置でないため通常枠)・朝霞市:10万円/深谷市:10万円/ふじみ野市:7万円/川口市:最大16万円(市内業者)・秩父市・入間市・春日部市・川越市は、蓄電池のみでは対象外(太陽光とのセットが必須)・戸田市は令和8年度から蓄電池が補助対象外になりました──────────合計の目安:約10万〜約34万円(例:所沢市なら市24万+県10万=34万円/さいたま市なら県10万のみ)
太陽光+蓄電池のセット
- 補助金 合計 約111.6万円(所沢市の例)
- 市の補助が太陽光分もフルに乗る
- セット必須の市でも対象になる
- 負担軽減率 約40%
VS
蓄電池のみ
- 補助金 合計 約34万円(所沢市の例)
- 国のDR補助金が終了して激減
- 秩父・入間・春日部・川越では対象外
- 負担軽減率 約23%
結論として、2026年後半に蓄電池を検討するなら「太陽光とセット」が圧倒的に有利です。蓄電池のみは、国のDR補助金が終わったことで支援が大きく減りました。すでに太陽光がある方は、急がずに次の国の公募を待つという判断もあり得ます(ただし再開は保証されていません)。
補助金申請で失敗しない5つのポイント
今回24市町を調べて分かった、埼玉県で特にハマりやすい落とし穴をまとめます。
「県か市か」を最初に決める(併用できないことが多い)
埼玉最大の落とし穴がこれです。県の補助金は「補助対象設備を同じにする国の補助事業及び国庫支出金を財源とする市町村の補助事業等との併用ではないこと」が要件。県公式は秩父市・所沢市・春日部市・入間市・新座市・久喜市・白岡市を名指しで挙げ、「該当する市にお住まいの方は、市役所に御確認の上、市への申請を御検討ください」と案内しています。
これらの市は金額が県より圧倒的に大きい(所沢111.6万円・秩父90万円・新座90万円 vs 県45万円)ので、迷わず市を選ぶのが基本。逆にさいたま市・志木市・三郷市・和光市のように市の補助がない場合は、県の蓄電池10万円が選択肢になります。
なお久喜市には市単独財源の「ゼロカーボン推進補助金」もあり、こちらは県との併用が可能と市のFAQで明言されています(ただし重点対策加速化事業とは重複申請不可)。市によって答えが違うので、必ず両方の窓口に確認してください。
「契約前・着工前の申請」が必要な市がある
補助金の原則は「契約・着工の前に申請」です。新座市は「契約前」申請が必須で、他市の「着工前」より一段厳しい。秩父市・春日部市・白岡市・入間市・草加市・朝霞市、所沢市の非FIT枠は着工前申請。ふじみ野市は工事着手の3週間以上前と明記されています。契約してから調べ始めると、もう間に合いません。
一方、埼玉県内には「事後申請」の市も多いのが特徴です(川口市・上尾市・熊谷市・狭山市・八潮市・深谷市・富士見市・戸田市、所沢市のFIT枠など)。ただし事後申請の市は申請期限が短いので油断禁物。「うちの市はどっちか」を最初に確認してください。
先着順・予算切れで年度途中に終わる(埼玉は特に早い)
ほぼすべての市が先着順で、予算に達した時点で終了します。埼玉はこれが特に早い。埼玉県の太陽光枠が5月18日の受付開始からわずか9日で終了、入間市も6月25日に予算到達、国のDR補助金も12月まで受付予定だったのに5月29日で終わりました。
2026年7月時点では、川口市(6,118万円中5,244万円残=約85.7%)・上尾市(2,926万円中2,394万円残)・深谷市(2,800万円中2,520万円残)・戸田市(1,960万円中1,385万円残)・白岡市(2,141万円中1,560万円残)・狭山市(1,500万円中1,066万円残)などがまだ余裕あり。一方朝霞市は620万円中406万円残と消化が進んでいます。「まだあるうちに動く」が鉄則です。
「抽選」の市と、締切の窓が異常に短い市がある
埼玉は先着順ばかりではありません。川越市・越谷市・久喜市のゼロカーボン推進補助金は抽選です。早く動いても当たるとは限りません。
さらに怖いのが受付期間の短さ。川越市(前期)は2026年9月1日9時〜9月24日16時のわずか3週間、越谷市の後期は10月5日〜10月16日のわずか2週間です。この窓を逃すと1年待ちになります。締切が早い市も要注意で、新座市は12月10日、所沢市の非FIT枠は12月18日、久喜市・白岡市は12月25日前後、草加市・春日部市は12月28日。年末までにほとんどの市が閉まります。
FIT・セット必須・申請方法の細かい縛りを確認する
金額の大きい市はほぼすべてFIT・FIP認定を取ると対象外です(所沢市の非FIT枠・秩父市・春日部市・入間市・新座市・久喜市の重点対策・白岡市の重点対策)。しかも自家消費30%以上が条件。「売電で稼ぐ」前提の提案とは両立しません。逆にふじみ野市は全量売電は不可だが余剰売電はOK、川口市・上尾市・熊谷市にはFIT要件がありません。方向性が市ごとに真逆なので要注意です。
セット必須も多い。秩父市・入間市・春日部市・川越市は蓄電池のみでは対象外(太陽光との同時設置が必須)、川越市は太陽光単独も不可(蓄電池かV2Hとの同時設置が必要)。戸田市は令和8年度から蓄電池が対象外になりました。
申請方法にも縛りがあります。春日部市・川越市は電子申請のみ(窓口不可)、秩父市・八潮市・朝霞市は窓口持参のみ(郵送不可)。また多くの市で市税の滞納がないことが条件です。熊谷市は補助金が現金振込ではなく地域電子マネー「クマPAY」で交付されるので、申請時点で会員登録が必要になります。
i迷ったらこの順番で
1. お住まいの市の公式ページ(「◯◯市 太陽光 補助金 令和8年度」で検索)で制度の有無と締切を確認2. その市の補助が国庫支出金財源かどうかを確認(財源が国庫なら県とは併用不可=市を選ぶ)3. 契約前・着工前申請か、事後申請かを確認(ここを間違えると全部パー)4. FIT(売電)を取るか、非FIT(自家消費)でいくかを決める(所沢市は3倍以上変わります)5. 相見積もりを取る(川口市は市内・市外の両方から取って「実質負担」で比較を)
埼玉県の日射量と発電量の特徴
補助金の話が続いたので、肝心の「埼玉で本当に発電するのか」も確認しておきましょう。
結論、埼玉は太陽光に適した地域です。気象庁の平年値(1991〜2020年)によると、熊谷の年間日照時間は2,106.6時間。東京(1,926.7時間)を約180時間(約9%)上回り、大阪(2,048.6時間)も上回ります。
※気象庁の観測地点別の平年値。日照が多いほど発電量も伸びやすい
!よくある誤情報:埼玉は「全国トップクラス」ではありません
「熊谷の快晴日数は全国トップクラス」「年間日照時間2,130時間」と書いているサイトがありますが、気象庁の平年値は2,106.6時間です。熊谷は全国平均を上回る良好な地域ではあるものの、甲府(2,225.8時間)・高知(2,159.7時間)・前橋(2,153.7時間)・静岡(2,151.5時間)のほうが日照は多く、「トップクラス」は言いすぎです。隣の群馬県(前橋)にも負けています。さらに同じ埼玉県内でも差があります。秩父は1,968.1時間で、熊谷より約140時間少ない。「埼玉だから日照が多い」と一括りにはできません。とはいえ東京より約9%多いのは事実で、太陽光には十分向いています。誇張された数字で判断しないようにしましょう。
意外な事実:熊谷は「冬」がいちばん日照が長い
これは知っておくと得をします。熊谷の月別の日照時間(平年値)を見ると、いちばん長いのは1月の217.0時間。逆にいちばん短いのは9月の131.6時間で、6月は133.9時間、7月は146.0時間、8月も169.3時間しかありません。
※内陸の埼玉は冬に晴天が多く、梅雨〜初秋は日照が短い。日照時間が長い=その月の発電量が多いとは限らない(日射の強さと日の長さも効く)
「夏がいちばん発電する」というイメージは、日照時間だけ見ると当てはまりません。内陸の埼玉は冬に空っ風が吹いて晴れる日が多く、逆に梅雨と秋雨の時期は日照が落ちます。もちろん夏は日射が強く日も長いので発電量自体は稼げますが、「冬は発電しないから損」という説明は埼玉では的外れです。冬の発電を過小評価している見積もりがあったら、根拠を聞いてみてください。
発電量の目安は、太陽光1kWあたり年間およそ1,000〜1,200kWh。埼玉なら1,100kWh前後を見ておくと現実的です。5kWのシステムなら年間5,500kWh前後。熊谷の年間降雪の深さの合計は16cm(気象庁の平年値)と少なく、積雪による発電ロスはほとんど気にしなくていいのも埼玉の強みです。
ただし、実際の発電量は屋根の向き・傾斜・影で大きく変わります。ここから先は「埼玉ならではの注意点」です。
☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光発電の発電量の目安1kWあたり・容量別・地域差の発電量の目安を、電気工事士が数字で解説しています。
埼玉の気象リスクと屋根選び
埼玉は日照に恵まれている一方、内陸ならではの難しさがあります。
夏の猛暑:熊谷の8月は日最高32.3℃。パネルは熱に弱い
太陽光パネルは温度が上がると発電効率が落ちる性質があります。一般にモジュール温度が1℃上がるごとに出力が0.3〜0.5%程度低下すると言われます(低下率はパネルの種類・メーカーによって違います)。
気象庁の平年値では、熊谷の8月の日最高気温の平均は32.3℃(東京は31.3℃)。真夏の屋根の上では、パネルの表面温度は気温よりはるかに高くなります。つまり埼玉では、「日射がいちばん強い真夏に、効率がいちばん落ちる」という現象が起きます。
◎猛暑地域での対策
・放熱に配慮した設置:屋根とパネルの間に空気が流れる隙間を確保する架台を選ぶ・温度係数の小さいパネルを選ぶ:カタログの「温度係数(%/℃)」が小さいほど熱に強い。HJT・ヘテロ接合系は一般に温度係数が小さめ・屋根一体型は熱がこもりやすい:デザイン優先で選ぶ場合、発電量とのトレードオフを確認する・現地調査で「夏の発電量」の想定を聞く:温度損失を織り込んだ試算になっているか確認を
ただし誤解しないでほしいのは、猛暑だから太陽光が向かない、という話ではないということ。年間で見れば埼玉の日照は東京より9%多く、十分に発電します。あくまで「真夏のピークは想定より出ない」ことを織り込んでおくという話です。
雷と台風:内陸の夏は雷雨が多い
埼玉の夏は雷雨や突風が起きやすい地域です。関東内陸は「雷銀座」と呼ばれることもあります。
対策としては、機器の保証内容(自然災害補償があるか)を必ず確認してください。パワコンは雷サージに弱く、直撃でなくても誘導雷でやられることがあります。メーカー保証に自然災害が含まれるか、火災保険で太陽光設備がカバーされるかを、契約前に業者と保険会社の両方に確認しておきましょう。
!雷対策:契約前に、業者と保険会社の両方に確認する
・メーカー保証に自然災害が含まれるか(機器の保証内容に自然災害補償があるか)・火災保険で太陽光設備がカバーされるかパワコンは雷サージに弱く、直撃でなくても誘導雷でやられることがあります。関東内陸は「雷銀座」と呼ばれることもあるエリアなので、ここは省略しないでください。
塩害がない:これは埼玉の明確なメリット
逆に、埼玉は海に面していないので塩害の心配がほぼありません。これは大きな利点です。
沿岸部の県では「塩害地域・重塩害地域に該当するとメーカー保証の対象外になる」「塩害対応の特別仕様が必要で割高になる」といった制約がありますが、埼玉では機器を自由に選べます。「塩害対応が必要です」と言って高い機器をすすめてくる業者がいたら、それは埼玉ではおかしい提案です。
沿岸部の県
- 塩害地域・重塩害地域に該当するとメーカー保証の対象外になる
- 塩害対応の特別仕様が必要で割高になる
- 機器の選択肢が制約される
VS
埼玉(海に面していない)
- 塩害の心配がほぼない
- 機器を自由に選べる
- 「塩害対応が必要です」と高い機器をすすめてくる業者がいたら、埼玉ではおかしい提案
屋根が広い郊外は有利。ただし「載る容量」を先に確定させる
埼玉の郊外は戸建てが多く屋根が広いのが強み。広い屋根なら容量を大きく載せられ、発電量・経済性の面で有利です。
ここで効いてくるのが補助金の上限が容量で決まる市があること。新座市は個人の上限が5kW(45万円)ですが、埼玉県認定事業者の施工なら10kW(90万円)まで。久喜市の重点対策は上限7kW(49万円)、所沢市の非FITは上限5kW(50万円)。「載る容量」を先に確定させてから補助金を計算するのが正解です。
※屋根に広く載せられても、補助がその容量分まで出るとは限りません。新座市は施工業者が県認定事業者かどうかで上限が2倍変わります
一方、川口市・戸田市・草加市・八潮市など県南の住宅密集地は屋根が小さく、隣家の影も出やすい。影は面積以上に影響が大きく、パネル1枚が陰るだけで系統全体の出力が落ちることもあります。現地調査で「1年を通じた影のシミュレーション」を出してもらってください。冬は太陽高度が低く影が長く伸びるので、夏だけ見て判断すると失敗します。
設置費用の相場と、失敗しない見積もりの取り方
埼玉県の設置費用の相場は全国とおおむね同じで、1kWあたり約27〜30万円。住宅用の5kWで135〜150万円、蓄電池10kWhで約145万円が目安です。
埼玉は施工業者が多く、競争が働きやすいのが利点。相見積もりを取れば適正価格に近づけやすい地域です。逆に、訪問販売が多い地域でもあるので、「今日契約すれば」に流されないことが大事です。
◎埼玉で費用を抑える5つの方法
・相見積もりで複数社を比較(これが最大の値下げ要因)・県か市か、得なほうを選ぶ(併用できないことが多い。所沢・秩父・新座なら市が圧倒的に有利)・FITか非FITかを試算してもらう(所沢市は非FITで太陽光が3万円/kW→10万円/kWに)・市の補助金の締切に間に合わせる(多くの市が12月で閉まる。川越・越谷は窓が2〜3週間)・太陽光と蓄電池をセットで導入する(セット必須の市が多く、補助額も大きい)
特に埼玉の場合、業者選びが直接補助金の額に効くのが厄介です。川口市は市内業者で2倍、新座市は埼玉県認定事業者で上限が2倍、県の補助はあんしん事業者との契約が必須。かといって補助金の増額分より高い見積もりを出す業者を選んだら本末転倒です。
だからこそ、「補助金を引いた後の実質負担額」で複数社を並べて比べるのが唯一の正解になります。一括見積もりなら複数社の提案・価格・保証を自分のペースで比較でき、市の補助金の申請代行まで相談できます。共同購入の対象市(さいたま市・川越市・春日部市・狭山市・上尾市など)にお住まいなら、共同購入の見積もりと一括見積もりの両方を取って並べるのがベストです。
※PRを含みます
☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光発電の費用・相場20261kWあたり単価・容量別・内訳・費用を抑える方法を、電気工事士が数字で解説しています。
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埼玉は日照が全国平均より多く、積雪もほぼないため、回収年数は他地域より早めに出やすい傾向があります。ここに市の補助金が乗れば、さらに短くなります。あくまで目安なので、正確な金額は無料の一括見積もりで確認しましょう。
埼玉県の太陽光・補助金でよくある質問
埼玉県の太陽光の補助金(7万円/kW)はまだ使えますか?
使えません。埼玉県の「家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」のうち、太陽光発電設備と太陽熱利用システムは、2026年5月27日9時30分に補助金申請額が予算額に達したため受付を終了しています。受付開始が5月18日だったので、わずか9日で埋まりました。蓄電池(10万円/件)とエネファーム(5万円/件)は引き続き受付中で、締切は2027年1月29日です。他サイトの「埼玉県は太陽光7万円/kW」という記載は2026年7月時点では使えない情報なので注意してください。
埼玉県の補助金と、市の補助金は併用できますか?
できないことが多いです。県の要件に「補助対象設備を同じにする国の補助事業及び国庫支出金を財源とする市町村の補助事業等との併用ではないこと」と明記されており、県公式は秩父市・所沢市・春日部市・入間市・新座市・久喜市・白岡市を名指しで挙げて「該当する市にお住まいの方は、市役所に御確認の上、市への申請を御検討ください」と案内しています。これらの市は金額が県より大きいので、市を選ぶのが基本です。なお久喜市の「ゼロカーボン推進補助金」は市の一般財源のため県と併用可能と市のFAQに明言されています。市によって答えが違うので、必ず両方の窓口に確認してください。
埼玉県の太陽光の補助金は、市によっていくら違いますか?
お住まいの市町村で大きく変わります。令和8年度でいちばん手厚いのは所沢市で、非FIT(売電しない自家消費型)を選べば太陽光10万円/kW・上限50万円+蓄電池 上限61.6万円=太陽光5kW+蓄電池10kWhで約111.6万円。次いで秩父市・新座市が約90万円です。一方、さいたま市・志木市・三郷市・和光市は市独自の補助がなく0円。約111万円の差がつきます。
国の蓄電池補助金(最大60万円)はまだ使えますか?
使えません。国のDR補助金(DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業)は、当初2026年12月10日までの予定でしたが、交付申請額の合計額が予算に達したため2026年5月29日に公募終了しました。SIIは「公募の再開を行う予定はありません」と明記しています。現在使える国の蓄電池支援は、みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠(9.6万円/戸)と、新築のZEH支援事業の蓄電システム加算(上限20万円)です。ちなみに埼玉県の太陽光補助が終わったのが5月27日、国のDR補助金が5月29日と、わずか2日違いで大きな補助金が2つ消えました。
太陽光パネルに国の補助金はありますか?
ありません。2026年度も、太陽光パネル単体に対する国の補助金はありません。みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠でも「太陽光発電設備の設置工事」は対象外と明記されています。太陽光パネルは市町村の補助金が頼りになるため、お住まいの市に制度があるかどうかが大きく効いてきます。
さいたま市に住んでいます。補助金は何も使えませんか?
さいたま市独自の住宅用補助はありません。市の公式ページに「市民(住宅)向けの太陽光発電・蓄電池に対する補助金制度は実施しておりません。また、今後の実施予定もありません」と明記されています。ただし①埼玉県の蓄電池補助(10万円)、②国のみらいエコ住宅2026(蓄電池9.6万円/県とは併用不可なのでどちらか)、③共同購入「みんなのおうちに太陽光」(令和8年1次募集の入札結果で太陽光+蓄電池が約31.0%オフ)は使えます。補助金がない市ほど、相見積もりで価格を下げる意味が大きくなります。
川口市は市内業者だと補助金が増えるって本当ですか?
本当です。川口市の令和8年度地球温暖化対策活動支援金は、太陽光・蓄電池ともに設置費の1/2で、上限が市内業者なら16万円、市外業者なら8万円。太陽光+蓄電池をセットで市内業者に依頼すれば最大32万円、市外業者なら16万円と、16万円の差がつきます。市内業者の定義は「市内に本店登記のある法人、または市内に住所・事業所を持つ個人事業主」です。ただし16万円の差のために相場より20万円高い業者を選んだら意味がないので、市内・市外の両方から相見積もりを取り、補助金を引いた後の実質負担で比べてください。なお他サイトにある「6kW以上で1kWあたり1万円増額」は令和8年度の公式ページには記載がありません。
補助金は契約前に申請しないとダメですか?
市によって違います。新座市は「契約前」の申請が必須で、他市の「着工前」より一段厳しいです。秩父市・春日部市・白岡市・入間市・草加市・朝霞市、所沢市の非FIT枠は着工前申請。ふじみ野市は工事着手の3週間以上前と明記されています。一方、川口市・上尾市・熊谷市・狭山市・八潮市・深谷市・富士見市・戸田市などは事後申請(設置完了後)です。まず「うちの市はどっちか」を確認してください。ここを間違えると補助金がまるごと受け取れなくなります。
売電(FIT)すると補助金がもらえないって本当ですか?
金額の大きい市はそうです。所沢市の非FIT枠・秩父市・春日部市・入間市・新座市・久喜市の重点対策・白岡市の重点対策は、いずれもFIT・FIPの認定を取ると対象外で、発電量の30%以上の自家消費が条件です。埼玉県の補助(太陽光分)も同様でした。これらはすべて国の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金が財源のため、制度設計が似ています。埼玉で大きな補助金を狙うなら、実質「売電しない自家消費型」の一択になります。逆に川口市・上尾市・熊谷市にはFIT要件がなく、ふじみ野市は全量売電のみ不可(余剰売電はOK)です。
蓄電池だけ追加したいのですが、補助金は使えますか?
2026年後半は厳しい状況です。国のDR補助金が終了したため、使えるのは埼玉県の蓄電池補助(10万円/あんしん事業者との契約・既存住宅が条件)か国のみらいエコ住宅2026(9.6万円)のどちらか一方と、市の補助(所沢市 最大24万円・川口市 最大16万円・朝霞市10万円・深谷市10万円・ふじみ野市7万円など)です。ただし秩父市・入間市・春日部市・川越市は蓄電池のみでは対象外(太陽光とのセットが必須)、戸田市は令和8年度から蓄電池が補助対象外になりました。合計の目安は10万〜34万円程度。太陽光とセットのほうが圧倒的に有利です。
埼玉は太陽光で本当に発電しますか?
はい。気象庁の平年値(1991〜2020年)で熊谷の年間日照時間は2,106.6時間。東京(1,926.7時間)を約180時間・約9%上回り、大阪(2,048.6時間)も上回ります。1kWあたり年間1,100kWh前後が目安で、5kWなら年間5,500kWh前後。熊谷の年間降雪の深さの合計は16cmと少なく、積雪による発電ロスもほぼありません。ただし「全国トップクラス」は言いすぎで、甲府(2,225.8時間)や隣の前橋(2,153.7時間)のほうが多く、同じ埼玉でも秩父は1,968.1時間と熊谷より約140時間少ないです。
埼玉の夏は猛暑ですが、太陽光は大丈夫ですか?
年間で見れば問題ありませんが、真夏のピークは想定より出ないことを織り込んでおきましょう。パネルは一般にモジュール温度が1℃上がるごとに出力が0.3〜0.5%程度低下すると言われます。気象庁の平年値では熊谷の8月の日最高気温の平均は32.3℃(東京は31.3℃)で、屋根の上のパネル表面温度はさらに高くなります。対策は、放熱に配慮した架台を選ぶ、カタログの「温度係数(%/℃)」が小さい機種を選ぶ、など。なお熊谷の日照時間は月別で見ると1月の217.0時間が最長で、9月の131.6時間が最短。「夏がいちばん発電する」というイメージは日照時間だけ見ると当てはまりません。
埼玉に塩害の心配はありますか?
ほぼありません。埼玉は海に面していない内陸県なので、沿岸部の県と違って塩害地域・重塩害地域の指定を気にする必要がなく、機器を自由に選べます。これは埼玉の明確なメリットです。「塩害対応が必要です」と言って割高な機器をすすめてくる業者がいたら、埼玉ではおかしい提案なので根拠を聞いてください。埼玉で注意すべきなのは、むしろ夏の猛暑によるパネル効率の低下と、内陸で多い雷(誘導雷によるパワコンの故障)です。自然災害補償の有無を確認しておきましょう。
埼玉県は東京ガスの対応エリア。大手にまとめて相談する選択肢も
埼玉県は、東京ガスが太陽光・蓄電池を提供する関東7都県のひとつです。ここまで補助金や相見積もりの話をしてきましたが、「複数社を自分で探して比較するのは大変」「大手にまとめて相談したい」という方は、電気・ガスでなじみのある東京ガスに相談する選択肢もあります。ただし申し込む前に、次の点は知っておいてください。
!東京ガスを検討する前に知っておきたいこと
・対応は関東7都県のみ(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬)・公式に「地域や条件により、提携の販売施工店が施工する場合がある」と明記(=必ずしも東京ガスが施工するとは限らない。保証は施工店の規定に)・1981年以前に着工した住宅・建築中の新築・狭小屋根・影のかかる屋根は対象外・1社の提案になるので、可能なら一括見積もりと相見積もりして価格の妥当性を確かめると安心
※PRを含みます。対応エリア・設置条件は公式ページでご確認ください
まとめ:埼玉は「県か市か」の選択。まず自分の市の制度と締切を確認しよう
埼玉県の太陽光・蓄電池の補助金について、24市町を公式サイトで確認して整理してきました。最後にポイントをまとめます。
◎この記事のまとめ
・埼玉県の太陽光補助(7万円/kW・上限35万円)は2026年5月27日に予算到達で受付終了。受付開始からわずか9日でした。残っているのは蓄電池10万円/件とエネファーム5万円/件・国の蓄電池DR補助金(最大60万円)は2026年5月29日で終了。再開予定なし。太陽光パネル単体への国の補助はもともとなし・埼玉は「積み上げ」ではなく「県か市かの選択」。財源がどちらも国庫だと併用できず、県公式が秩父・所沢・春日部・入間・新座・久喜・白岡を名指しで「市への申請を御検討ください」と案内・金額差が大きいのは市町村。所沢市(非FIT)なら太陽光+蓄電池で約111.6万円、さいたま市なら市の補助は0円・大きな補助金はほぼ全部「FIT認定不可・自家消費30%以上・着工前申請」。売電で稼ぐプランとは両立しません・契約前申請(新座市)・抽選(川越市・越谷市)・短すぎる受付窓(川越市3週間・越谷市2週間)・予算切れ(入間市は6月25日到達)が最大の落とし穴
埼玉は年間日照時間が東京より約9%多く、積雪もほぼなく、内陸なので塩害の心配もありません。郊外なら屋根も広い。太陽光と相性のいい地域です。業者が多く競争も働きやすい。条件は恵まれています。
あとはお住まいの市の制度を確認して、県と市のどちらが得かを見極め、締切に間に合わせること。そして相見積もりで適正価格と優良業者を見極めること。県の太陽光枠が9日で消え、国のDR補助金が予定より半年以上早く終わったように、補助金は待ってくれません。
まずは無料のシミュレーションと一括見積もりで、あなたの家の「発電量・費用・回収年数」と「使える補助金」を具体的に確かめてみてくださいね。
※この記事の金額・条件は2026年7月時点で各自治体・国の公式ページから確認した目安です。補助金は予算や年度によって変わり、先着順で年度途中に終了します。申請前には必ず、お住まいの市町村の公式ページと埼玉県・国の公式サイトで最新情報をご確認ください。