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東京都の太陽光発電・蓄電池|2026年の補助金・発電量・相場と見積もりのコツ

結論:東京都は「国・都・区市町村」の3階建てで、全国でも突出して補助金が厚い。ただし区市町村は0円〜60万円の差があります

東京都で太陽光・蓄電池を検討するなら、次の3つを押さえてください。
東京都の補助が全国最高水準(既存住宅の太陽光は最大15万円/kW、蓄電池は10万円/kWh・上限120万円)
・国の蓄電池DR補助金は2026年5月29日に受付終了(再開予定なし)。それでも東京は都の制度が効くので影響は小さい
区市町村は0円〜60万円と大差(港区・葛飾区は手厚い/世田谷区・板橋区・町田市・江戸川区は実施なし)

「東京で太陽光をつけたら、補助金はいくらもらえるの?」——結論から言うと、東京都は全国でいちばん補助金が厚い地域です。日照時間は全国平均並みですが、それを補って余りあるだけの支援があります。

僕は電気工事士として電気設備に関わりながら、太陽光や蓄電池についても普段から調べ、相談を受けています。この記事では、東京都内20区市の補助金を公式サイトで1件ずつ確認して整理しました。金額・条件・受付期間・申請のタイミングまで、2026年7月時点の実際の情報でまとめます。

ネット上には「世田谷区は太陽光に補助あり」「江戸川区は7.5万円/kW」といった前年度(令和7年度)の情報が『2026年最新』として残っている記事が多くあります。どちらも令和8年度は実施されていません。この記事は各自治体の公式ページを一次情報として確認していますが、それでも予算や年度で変わるので、最後は必ず公式でご確認ください。

最大15万円/kW東京都の太陽光補助(既存住宅3.75kW以下)
上限120万円東京都の蓄電池補助(10万円/kWh)
0円〜60万円区市町村の補助金の差

東京都の補助金は「国・都・区市町村」の3階建てで最大化できる

まず全体像から。東京都で使える支援は、次の3階建てになっています。それぞれ財源が違うので、条件を満たせば重ねて使えるのが基本の考え方です。

よくある誤解

  • 補助金はどれか1つしか使えない
  • 国の補助金が一番大きい
  • 東京都なら4kWで60万円もらえる
  • 23区ならどこでも上乗せがある

VS

2026年の実際

  • 財源が違えば重ねて使える
  • 主役は東京都の制度(国より圧倒的に大きい)
  • 4kWは3.75kW超なので12万円/kW=48万円
  • 世田谷区・板橋区など実施なしの区もある
東京都の補助金 3階建ての考え方
1階:国の補助金(蓄電池のリフォーム枠・新築のZEH)2階:東京都の補助金(太陽光15万円/kW・蓄電池10万円/kWh=主役)3階:区市町村の補助金(0円〜60万円の上乗せ)

東京都が特殊なのは、2階の「都の補助金」が飛び抜けて大きいことです。大阪府や他県では市町村の補助金が主役ですが、東京では都の制度だけで100万円を超えることも珍しくありません。区市町村の上乗せは、あくまで「さらに乗せるもの」という位置づけです。

併用例:港区で太陽光5kW+蓄電池10kWhを入れた場合

いちばん手厚い港区を例に、「合計いくらになるか」を積み上げてみます。設備の総額は約280万円(太陽光5kW=約135万円+蓄電池10kWh=約145万円)を前提にします。

併用例(港区・既存住宅に太陽光5kW+蓄電池10kWh)

【2階】東京都の補助金・太陽光:12万円/kW × 5kW = 60万円(3.75kW超の単価)・蓄電池:10万円/kWh × 10kWh = 100万円(上限120万円の範囲内)【3階】港区の補助金・太陽光:出力×10万円 → 40万円(上限40万円で頭打ち)・蓄電池:初期実効容量×4万円 → 20万円(上限20万円で頭打ち)【1階】国の補助金(みらいエコ住宅2026・リフォーム枠)・蓄電池:9.6万円(定額・SII登録機器)──────────補助金の合計:約229.6万円(約280万円の設備が実質約50万円)

!ただし「必ず全部もらえる」わけではありません

・東京都の交付要綱には「国及び他の地方公共団体による補助金の交付を受ける場合は、助成金の交付額と当該補助金の額の合計額が助成対象経費を超えない範囲において交付します」と明記されています。補助金の合計が設備費(税抜)を超えることはありません・都の蓄電池は「対象経費(税抜)−国・他自治体の補助金」と「蓄電容量×10万円」を比べて小さい方。上の例はギリギリ100万円が出る計算で、設備が安いほど都の補助も減ります・つまり「安く買うほど補助率は上がるが、補助額の絶対値は下がる」という構造です。見積額によって結果が変わるので、必ず自分の見積もりで試算してください・上の金額は2026年7月時点の制度に基づく試算例です。港区は区内で最も手厚い部類で、すべての区がこうなるわけではありません

国の補助金【2026年7月の最新状況】蓄電池のDR補助金は終了しました

まず国の状況から。国の蓄電池補助金(DR補助金)は、すでに受付を終了しています。他サイトには「東京都+区市町村+国のDR補助金で100万円超」と書いてあるものがありますが、2026年7月時点でDR補助金は使えません

DR補助金(家庭用蓄電池・最大60万円)→ 2026年5月29日に終了

正式名称は「DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業」(令和7年度補正)。家庭用蓄電池に対する国の補助として、いちばん金額が大きい制度でした。

iDR補助金の内容と、終了の経緯

・補助上限:1申請あたり60万円・当初の公募期間:2026年3月24日(火)〜2026年12月10日(木)の予定・実際:交付申請額の合計額が予算に達し、2026年5月29日(金)に公募終了・SII(環境共創イニシアチブ)は「公募の再開を行う予定はありません」と明記

つまり、12月まで受付予定だったものが、5月末で締め切られたわけです。「先着順・予算切れで年度途中に終わる」という補助金の怖さが、そのまま出た例ですね。最新状況はSII公式サイトで確認できます。

次年度(令和8年度補正など)で後継の制度が出る可能性はありますが、2026年7月時点で公表されているものはありません。「国の60万円がもらえます」と説明する業者がいたら、その場で公式ページを一緒に確認してください。

ただし東京都民にとっての影響は限定的です。都の蓄電池補助(10万円/kWh・上限120万円)が国のDR補助金より圧倒的に大きいため、東京では「DR終了=蓄電池をあきらめる理由」にはなりません。ここが他県と決定的に違うところです。

太陽光パネル単体には、そもそも国の補助金がない

意外に知られていませんが、太陽光パネルそのものに対する国の補助金は2026年度もありませんみらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠でも、「太陽光発電設備の設置工事」は対象外と明記されています。

だからこそ、太陽光パネルは東京都と区市町村の補助金が頼りになります。そしてその都の制度が全国最高水準なので、東京は太陽光を入れるうえで極めて恵まれた地域です。

いま使える国の制度(2026年7月時点)

既築住宅のリフォームなら:みらいエコ住宅2026事業

・蓄電池(エコ住宅設備):9.6万円/戸(定額・SII登録の定置用リチウム蓄電池)・リフォームの上限:100万円/戸(〜平成3年築)/80万円/戸(平成4〜28年築)・第2期の期間:2026年5月13日〜12月31日・※太陽光パネルの設置工事は対象外

i新築なら:ZEH支援事業/みらいエコ住宅2026(併用不可)

ZEH支援事業(令和8年度)・ZEH:55万円/戸(地域区分1〜3)/45万円/戸(4〜8)・ZEH+:90万円/戸(1〜4)/80万円/戸(5〜8)・蓄電システム加算:2万円/kWh・対象経費の1/3・上限20万円/戸のいずれか低い額・公募期間(単年度):2026年5月21日〜12月11日みらいエコ住宅2026(新築):GX志向型125万円/110万円、長期優良80万円/75万円、ZEH水準40万円/35万円※ZEH支援事業とみらいエコ住宅2026は併用できません。どちらが得か試算を※東京都は地域区分6が中心です

東京都の補助金【全国最高水準】太陽光15万円/kW・蓄電池10万円/kWh

ここが東京の本丸です。東京都は「2030年カーボンハーフ」を掲げ、クール・ネット東京(公益財団法人東京都環境公社)を通じて全国で突出した水準の補助を行っています。

太陽光:既存住宅は3.75kW以下なら15万円/kW(上限45万円)

「家庭における太陽光発電導入促進事業」です。新築か既存か、そして出力の区分で単価が変わります。ここを勘違いしている記事が非常に多いので、正確に押さえてください。

東京都の太陽光補助(令和8年度)

既存住宅・3.75kW以下15万円/kW(上限45万円)・3.75kW12万円/kW(50kW未満)新築住宅・3.6kW以下12万円/kW(上限36万円)・3.6kW10万円/kW(50kW未満)加算:陸屋根の架台設置経費(既存戸建10万円/kW など)、既存住宅の陸屋根の防水工事経費18万円/kW・交付申請兼実績報告:2026年6月30日〜2029年3月30日・詳細はクール・ネット東京の公式ページで確認を

!よくある誤情報:「15万円/kWだから4kWで60万円」は間違いです

「東京都は最大15万円/kWだから、4kWなら60万円」と書いているサイトがありますが、これは誤りです。15万円/kWが適用されるのは既存住宅の3.75kW以下だけで、しかも上限45万円4kWは3.75kW超なので12万円/kW=48万円になります。また新築は単価が下がり(3.6kW以下で12万円/kW・上限36万円)、既存住宅とは別の区分です。「最大15万円/kW」という数字だけが一人歩きしているので注意してください。

蓄電池:10万円/kWh・上限120万円/戸(令和7年度から減額)

「家庭における蓄電池導入促進事業」です。ここが東京の最大の武器。国のDR補助金(上限60万円)が終わっても、東京都ならその倍の上限120万円が用意されています。

東京都の蓄電池補助(令和8年度)

・蓄電池パッケージ:10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)・蓄電池ユニットの増設:6万円/kWh(同上限72万円/戸)・DR実証に参加すると+10万円、必要なエネルギーマネジメント機器・IoT機器の設置は1台あたり+5万円・算定式:①対象経費(機器費+工事費+IoT機器費+IoT工事費)−国および他の地方公共団体からの補助金/②蓄電容量×10万円+加算 → ①と②の小さい方(税抜で計算)・条件:太陽光システムが既設または蓄電池と同時に設置、あるいは再生可能エネルギー電力メニュー契約済みであること・SII登録機器であること/都内の住宅に新規設置/未使用品・詳細はクール・ネット東京の公式ページで確認を

!令和7年度から減額されています(他サイトの数字に注意)

東京都の蓄電池は、令和7年度の「12万円/kWh・上限なし」から、令和8年度は「10万円/kWh・上限120万円/戸」に変更されました。単価が下がり、上限が新設されています。大容量の蓄電池ほど減額幅が大きくなります。「12万円/kWh」「上限なし」と書いてある記事は令和7年度の情報です。なお太陽光の単価は令和7年度と令和8年度で変わっていません(既存3.75kW以下15万円/kWは据え置き)。太陽光の数字が合っていても、蓄電池は間違っているサイトが多いので気をつけてください。

いちばん重要:事前申込は「契約の前」が原則

金額の話より、実はここがいちばん失敗しやすいポイントです。東京都の助成金申請の手引きには、はっきりこう書かれています。

!東京都の申請タイミング(令和8年度・蓄電池の例)

「申請者は助成対象の契約締結(購入、設置、保険加入)を行う前に事前申込を行ってください」と明記・事前申込の受付通知日以降から工事契約が可能になります・経過措置:令和8年4月1日〜6月30日までに契約締結または契約締結+工事を行った場合は、事前申込前でも対象・令和8年3月31日までに契約締結した場合は助成対象外・事前申込の受付期間:2026年5月29日〜2027年3月31日(当日17:00)・交付申請兼実績報告の受付開始:2026年6月30日。予算の範囲を超えた日をもって受付停止、超過日に複数の申請があれば抽選

7月に入った今、経過措置(6月30日まで)はすでに終わっています。これから契約する人は、必ず契約前に事前申込をしてください。「契約してから補助金を調べ始める」と、東京都の分(いちばん大きい)が丸ごと消えます。ここだけは絶対に間違えないでください。

都と区市町村の補助は併用できる(都の公式見解)

東京都環境局の公式ページには「国や区市町村が実施する省エネ・再エネ設備に関する助成事業との併給は原則可能です」と明記されています。国・区市町村との併用はOKということです。

ただし制限もあります。同じページに「本助成金以外に都・クール・ネット東京が実施する他の同種の助成金に交付を重複して受給できません」とあり、都の制度どうしの重複は不可。詳細は東京都環境局の公式ページで確認できます。

新築なら:東京ゼロエミ住宅普及促進事業(令和8年度)

i東京ゼロエミ住宅(新築・令和8年度)

・住宅建設費:水準A 240万円/戸/水準B 160万円/戸/水準C 40万円/戸(いずれも戸建住宅)・太陽光(本事業内の単価):3.6kWまで オール電化13万円/kW(上限39万円)/その他12万円/kW(上限36万円)・蓄電池:10万円/kWh(上限120万円/戸)・V2H:機器費等の1/2(上限50万円)/EV等所有+太陽光設置時は10/10(上限100万円)・申請受付期間:2026年4月1日〜2027年3月31日

新築住宅の太陽光パネル設置義務化【2025年4月〜】

東京都では2025年4月から、新築建築物への太陽光パネル設置を義務づける制度(建築物環境報告書制度)が始まりました。全国初の取り組みですが、誤解が非常に多い制度です。

i義務化のポイント(誤解しやすい点)

・義務を負うのは「年間の都内供給延床面積が合計2万㎡以上のハウスメーカー等の事業者」個人(施主・住宅購入者)に設置義務はありません・対象建物は、対象事業者が新築する延床面積2,000㎡未満の建物既存の建物は対象外・地場工務店・小規模ビルダーで建てる新築も、義務の対象外(設置は任意)

つまり「東京都で家を建てると太陽光が義務」という説明は誤りです。義務の名宛人は大手供給事業者の側で、個人にとっては「手厚い補助金を使って、載せるかどうかを自分で判断する」というのが実態。詳細は東京都の太陽光ポータルで確認できます。

【一覧】東京都内 区市町村の太陽光・蓄電池 補助金(2026年度)

ここからが本題です。東京都内の主要20区市について、各自治体の公式サイトで1件ずつ確認した2026年度(令和8年度)の補助金をまとめました。金額の大きい順に並べています。横にスクロールできます。

区市町村 太陽光の補助 蓄電池の補助
港区 出力(kW)×10万円(上限40万円)※着工前申請必須 初期実効容量(kWh)×4万円(上限20万円)※着工前申請必須
中央区 10万円/kW(上限35万円)※中央エコアクト実施で15万円/kW・上限42万円 1万円/kWh(上限10万円)※太陽光等との常時接続が必須
新宿区 10万円/kW(上限30万円)※事後申請・4期制 1万円/kWh(上限10万円)※太陽光等と常時接続が必須
葛飾区 6万円/kW(上限30万円)※全量売電目的は不可 対象経費の1/4(上限20万円)※単独設置も可・併設で一律5万円加算
足立区 6万円/kW(上限24万円)※区内事業者利用で7.2万円/kW・上限28.8万円 上限5万円(区内事業者利用で6万円)※単価の刻みは要確認
品川区 5万円/kW(上限20万円)※区民向けA区分・予定100件 3万円/kWh(上限30万円)※区民向けA区分・予定100件
江東区 5万円/kW(上限20万円)※蓄電池と同時申請で6万円/kW・上限24万円 1万円/kWh(上限10万円)※同時申請で2.5万円/kWh・上限20万円
杉並区 4万円/kW(限度額12万円)※事後申請・先着順 定額5万円(定置用リチウムイオン蓄電池)
目黒区 3万円/kW(上限15万円)※事後申請・予算3,030万円 設備本体価格の1/3以下(上限7万円)
府中市 2万円/kW(上限10万円)※先着順・予算超過で抽選の場合あり 2万円/kWh(上限10万円)
調布市 2万円/kW(上限10万円)※事後申請(設置完了から6か月以内) 一件当たり定額5万円
千代田区 対象経費の20%※住宅は全項目合計で上限100万円(税抜)・着工前申請必須 対象経費の20%(同上の合計上限内)
八王子市 1万円/kW(上限10万円)※着工前申請必須・市内事業者要件あり 定額3万円※太陽光との同時導入に限る
三鷹市 1万円/kW(上限10万円)※事後申請・既築のみ 定額5万円※太陽光発電設備の設置が必須
練馬区 対象経費の1/6(上限8万円)※事後申請・先着順 実施なし(令和8年度の対象設備に含まれず)
大田区 専用補助なし。住宅リフォーム助成の対象工事(助成対象額の10%・区分A合計で上限20万円)※区内中小事業者の施工が必須 同左(太陽光への上乗せ工事という位置づけ)
世田谷区 実施なし※令和8年度から補助対象外と公式に明記 実施なし※定置型蓄電池は対象外と公式に明記
江戸川区 実施なし※単独メニューは令和7年度で終了 実施なし※再エネ電力切替との組合せで2万円上乗せのみ
板橋区 実施なし※令和2年度で事業終了 実施なし
町田市 実施なし※2016年で事業終了 実施なし

!この表の読み方・注意

・金額はすべて2026年7月時点で各自治体の公式ページ(lg.jp/tokyo.jp)から確認した目安です・補助金は年度・予算で変わり、先着順で年度途中に終了します。申請前に必ず公式で最新をご確認ください・「実施なし」は2026年度に住宅用の制度が確認できなかったという意味です(過去にあった自治体もあります)・千代田区は2026年7月時点で「予算額に達したため、今年度分の申請の受け付けを一旦終了」しています。制度はあってもいま申請できない状態です・世田谷区・江戸川区は前年度(令和7年度)に補助がありましたが、令和8年度は実施されません。他サイトに残る前年度の情報にご注意を・上の表は区の補助のみです。これに東京都の補助(太陽光15万円/kW・蓄電池10万円/kWh)が乗ります。都の分のほうが金額は大きいので、区の補助がない自治体でも悲観する必要はありません

☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光・蓄電池の補助金2026国・自治体の補助金の仕組み、DR補助金、申請の流れと注意点を電気工事士が解説しています。

主要区市の補助金を個別解説【金額・条件・受付期間】

金額が大きい区と、注意が必要な区を個別に見ていきます。

港区:都内最高水準(太陽光40万円+蓄電池20万円)

港区の補助金(令和8年度)

・太陽光:機器の出力数(kW)×10万円(上限40万円)※区民の場合。管理組合・中小企業者等は上限100万円・蓄電池:機器の初期実効容量(kWh)×4万円(上限20万円)・申請期限:2027年1月29日(金)まで/完了報告は2027年2月26日(木)まで・条件:工事の着工前に申請が必須(新築時は太陽光の設置前)/通知が届いた後に工事を着工/JET認証またはIEC認証機器/新品のみ/過去に同じ住所で申請していないこと/申請時に港区民であり設置予定住所に居住すること

金額は都内トップクラス。ただし「着工前申請」かつ「交付通知後に着工」という縛りがあり、フライングすると一発アウトです。なお蓄電池は太陽光とのセット必須という記載がなく、単独での申請が可能なのも使いやすい点です。

中央区:エコアクト実施で15万円/kWまで伸びる

中央区の補助金(令和8年度)

・太陽光:10万円/kW(上限35万円)中央エコアクト実施時は15万円/kW(上限42万円)・蓄電池:1万円/kWh(上限10万円)/エコアクト実施時は1.5万円/kWh(上限12万円)・受付:2026年4月1日〜予算がなくなり次第終了予算残額20%の時点で窓口申請のみに切替・予算額:4,300万円・条件:着工前申請必須(工事の2週間程度前までに提出し、交付決定通知の受領後に工事開始)蓄電池は太陽光またはエネファームとの常時接続が必須(配線図の提出あり)/税抜経費が対象/2027年3月15日までに導入・支払完了

予算額が4,300万円と明示されている数少ない区です。残額20%で窓口申請のみに切り替わるという運用なので、後半になるほど手続きが面倒になります。

新宿区:4期制・事後申請でも10万円/kW

新宿区の補助金(令和8年度)

・太陽光:公称出力1kWあたり10万円(上限30万円)・蓄電池:蓄電容量1kWhあたり1万円(上限10万円)・受付期間(4期制):第1期 2026年5月25日〜7月31日/第2期 8月17日〜10月16日/第3期 11月2日〜12月25日/第4期 2027年1月12日〜3月12日・条件:事後申請(施工・支払完了後)/先着順/蓄電池は太陽光発電システムまたはエネファームと常時接続が要件・2026年7月6日時点で第1期の予算残率は約62%

新宿区は珍しく事後申請。着工前申請を忘れても間に合う可能性があります。ただし4期制で各期に締切があるので、工事のタイミングと期の区切りを合わせる必要があります。第1期は7月31日締切で、残り時間はわずかです。

葛飾区:6万円/kW・単独設置OK・併設で5万円加算

葛飾区の補助金(令和8年度)

・太陽光:6万円/kW(上限30万円)※公称最大出力1kW以上/全量売電目的は不可・蓄電池:助成対象経費の1/4(上限20万円)※定置型・SII登録品/単独設置も対象・併設加算:太陽光+蓄電池の併設で一律5万円(既設への併設・同時設置どちらも可)・受付期間:2026年4月1日〜2027年3月31日(必着)・条件:事前協議が必須・工事着工の4週間前までに申込(建売購入は引渡し4週間前まで)/回答書の到着後に着工過去10年間同一建物・同種機器で助成を受けていないこと/未使用品限定

単価6万円/kWは23区でも高い部類。蓄電池が単独設置でも対象で、既設の太陽光への後付けでも5万円の併設加算がつくのが特徴です。ただし「事前協議は着工4週間前まで」という縛りが厳しいので、スケジュールに余裕を持ってください。

江東区:蓄電池と同時申請すると単価が上がる

i江東区の補助金(令和8年度)

・太陽光:5万円/kW(上限20万円)蓄電池と同時申請なら6万円/kW(上限24万円)・蓄電池:1万円/kWh(上限10万円)太陽光と同時申請なら2.5万円/kWh(上限20万円)・受付期間:2026年4月1日〜2027年3月15日(必着)・条件:「必ず工事着工前に申請してください。工事着工後の申請受付はできません」と明記(着工1か月程度前を推奨)/蓄電池はSII登録品かつ太陽光またはエネファームと常時接続/過去5年以内に同一住宅・同一設備で助成を受けていないこと/未使用品限定(中古・リース不可)

江東区は「セットで申請すると単価が上がる」という設計。太陽光は5万→6万円/kW、蓄電池は1万→2.5万円/kWhと2.5倍になります。分けて入れるより、同時のほうが明確に有利です。

世田谷区:令和8年度は太陽光・蓄電池とも対象外になりました

人口最大の世田谷区ですが、令和8年度のエコ住宅補助金から太陽光・蓄電池が外れました。区の公式ページには「令和7年度の補助対象工事のうち『太陽光発電システム(太陽光パネル)の設置』は、補助対象になりません」と明記され、「定置型蓄電池・断熱フィルム工事はいずれも補助対象外」とも書かれています。

令和8年度の対象工事は窓の断熱改修・高断熱ドア・高断熱浴槽・屋根の高反射改修の4つのみ(最大20万円)。にもかかわらず、複数の大手比較サイトが「2026年最新」として世田谷区の太陽光・蓄電池補助を案内しています。これは令和7年度の情報の流用で、誤りです。

世田谷区にお住まいなら、使えるのは①東京都の補助(太陽光12〜15万円/kW・蓄電池10万円/kWh)②国のみらいエコ住宅2026(蓄電池9.6万円)、そして③相見積もりで値段を下げることの3つです。板橋区・町田市・江戸川区も同様。ただし都の補助が非常に大きいので、区の補助がなくても十分に成立します。ここが東京の強みです。

SOL|電気工事士SOL|電気工事士

今回、東京都内20区市の公式ページを1件ずつ確認して驚いたのが、他サイトの情報がここまで古いのかということでした。世田谷区は令和8年度から太陽光が対象外、江戸川区は単独メニューが令和7年度で終了、千代田区はすでに予算到達で受付停止。それでも「2026年最新」として前年度の金額を載せている記事がいくつもありました。それと、東京で本当に大事なのは区の補助より都の補助(太陽光12〜15万円/kW・蓄電池10万円/kWh)のほうです。そして都は「契約の前に事前申込」が原則。契約してから調べ始めると、いちばん大きい都の分が消えます。金額を調べるより先に、まずここを押さえてくださいね。

【導入パターン別】補助金でいくら安くなる?シミュレーション

「結局いくら安くなるの?」を、2つの導入パターンで計算します。2026年7月時点の制度で試算しました。

パターン1:太陽光5kW+蓄電池10kWhのセット導入

いちばん多い組み合わせです。設備の総額は約280万円(太陽光5kW=約135万円+蓄電池10kWh=約145万円)、既存住宅への設置を前提にします。

太陽光5kW+蓄電池10kWh:補助金の積み上げ(港区の例/単位・万円)
100%60%40%20%10%
東京都の蓄電池(10万円/kWh×10kWh)(100%)東京都の太陽光(12万円/kW×5kW)(60%)港区の太陽光(上限40万円)(40%)港区の蓄電池(上限20万円)(20%)国のみらいエコ住宅2026(蓄電池)(10%)

※合計 約229.6万円。約280万円の設備が実質約50万円に。都の助成は対象経費(税抜)が上限のため、見積額によっては減額されます。2026年7月時点の制度に基づく試算例

約229.6万円都+港区+国の補助金の合計
約50万円実質負担(280万円−229.6万円)
約82%負担軽減率

「補助金だけで設備費の8割」というのは、他県ではまず起きません。これが東京都の異常な手厚さです。ただし都の助成は「対象経費(税抜)が上限」なので、安く仕入れるほど都の補助額も減っていきます。そこは覚えておいてください。

同じ構成でも、区が変わると上乗せ分が違います。区の補助のみを並べてみましょう。

太陽光5kW+蓄電池10kWh:区市町村別の補助金合計の目安
港区60万円
葛飾区55万円
品川区50万円
中央区45万円
江東区44万円
新宿区40万円
足立区29万円
目黒区22万円
府中市20万円
杉並区17万円
三鷹市10万円
世田谷区0万円

※区市町村の補助金のみの合計(東京都の160万円・国の9.6万円は含まず)。葛飾区は併設加算5万円を含む。上限・条件により変動。2026年7月時点の目安

港区と世田谷区で約60万円の差。ただしどの区でも東京都の約160万円は共通で乗るので、大阪府のように「隣の市なら100万円違う」というほどの決定的な差にはなりません。東京は都の制度が土台を作ってくれているのが大きいところです。

パターン2:蓄電池のみを追加導入(すでに太陽光がある場合)

卒FIT後などに「蓄電池だけ追加したい」というケース。ここが東京の真価が出るところです。

蓄電池のみ10kWhを導入する場合(2026年7月時点・港区の例)

国:9.6万円・DR補助金(上限60万円)は2026年5月29日に受付終了・再開予定なし・みらいエコ住宅2026のリフォーム枠なら9.6万円は使えます東京都:約100万円10万円/kWh × 10kWh = 100万円(上限120万円の範囲内)・太陽光が既設であれば条件を満たします(同時設置でなくてOK)区:0〜30万円・港区:20万円/品川区:30万円/葛飾区:20万円+併設加算5万円/新宿区・中央区・江東区:10万円/杉並区・調布市:5万円八王子市・三鷹市は太陽光との同時設置が必須のため、後付けは対象外・練馬区・世田谷区・板橋区・町田市・江戸川区は蓄電池の補助がそもそもありません──────────合計の目安:約109.6万〜約134.6万円(例:港区なら国9.6万+都100万+区20万=129.6万円

東京都(港区の例)

  • 蓄電池のみでも 約129.6万円
  • 都の10万円/kWh・上限120万円が効く
  • 太陽光が既設なら条件クリア
  • DR補助金の終了による打撃が小さい

VS

都の補助がない他県の例

  • 蓄電池のみだと 約10〜15万円
  • 国のDR補助金が終了して支援が激減
  • 市の補助はセット必須のことが多い
  • 「次の国の公募待ち」になりがち

ここが東京と他県の決定的な違いです。国のDR補助金が終わって、多くの県では「蓄電池のみは支援が10〜15万円まで激減」という状況になりました。ところが東京は都の蓄電池補助(10万円/kWh・上限120万円)が生きているため、蓄電池のみでも約130万円が狙えます。

約145万円の蓄電池が実質15万円前後になる計算です。すでに太陽光を載せている東京の卒FIT世帯にとっては、2026年後半は間違いなく好機と言えます。ただし都の予算には限りがあり、予算超過日に複数申請があれば抽選です。急ぐ理由はあります。

補助金申請で失敗しない5つのポイント

今回20区市を調べて分かった、東京都で特にハマりやすい落とし穴をまとめます。

東京都は「契約前の事前申込」が原則(最重要)

東京都の助成金申請の手引きには「助成対象の契約締結(購入、設置、保険加入)を行う前に事前申込を行ってください」と明記されています。事前申込の受付通知日以降から工事契約が可能という順序です。
令和8年4月1日〜6月30日に契約した場合の経過措置がありましたが、7月に入った現在、この経過措置は終わっています。いちばん金額の大きい都の補助を落とさないために、契約書にハンコを押す前に事前申込——これだけは絶対に守ってください。事前申込の受付期間は2027年3月31日(17:00)までです。

区市町村は「着工前」と「事後」に真っ二つに割れる

都は契約前ですが、区市町村はバラバラです。着工前申請が必須なのは港区・中央区・江東区・千代田区・八王子市。特に中央区は「交付決定通知の受領後に工事開始」江東区は「工事着工後の申請受付はできません」と明記。葛飾区は「事前協議を着工の4週間前まで」という独自ルールです。
一方、事後申請の区市も多いのが東京の特徴です(新宿区・杉並区・練馬区・品川区・目黒区・足立区・調布市・三鷹市など)。ただし事後申請でも申請期限が短いので油断禁物。調布市は設置完了日から6か月以内、三鷹市は設置後12か月未満の設備が対象です。「うちの区はどっちか」を最初に確認してください。

先着順・予算切れで年度途中に終わる

ほぼすべての自治体が先着順で、予算に達した時点で終了します。国のDR補助金が、12月まで受付予定だったのに5月29日で終わったのがいい例です。
2026年7月時点で、千代田区はすでに「予算額に達したため受付を一旦終了」三鷹市は予算2,500万円に対し残額595.1万円(7月9日現在)=残り約24%と終盤です。一方、杉並区は予算2億2,656万円に対し残額1億8,715.6万円(7月7日現在)=残り約83%新宿区の第1期は残率約62%と、まだ余裕があります。中央区は残額20%で窓口申請のみに切り替わり府中市は予算超過で抽選になる場合があります。
東京都自体も「公社における予算の範囲を超えた日をもって、申請の受付を停止します。予算の範囲を超えた日に複数の申請書が提出された場合には、提出された申請書の中で抽選を行います」としています。「まだあるうちに動く」が鉄則です。

蓄電池には「太陽光が必要」という条件が広く付いている

東京都の蓄電池補助の条件は「太陽光システムが既設または蓄電池と同時に設置の場合、あるいは再生可能エネルギー電力メニュー契約済みであること」既設でOKなので卒FIT世帯も対象ですが、太陽光がまったくない家が蓄電池だけ入れる場合は、再エネ100%の電力メニュー契約が必要になります。
区のほうはもっと厳しく、中央区・新宿区・江東区は「太陽光またはエネファームとの常時接続」が必須八王子市・三鷹市は「太陽光との同時導入」が必須で後付けすら対象外です。一方港区・葛飾区・品川区は蓄電池の単独申請が可能「太陽光だけ先に入れて、蓄電池は来年」と分けると、もらえなくなる自治体があるということです。

対象機器・業者・申請方法の細かい縛りを確認する

対象機器の条件も自治体ごとに違います。東京都・江東区・葛飾区・八王子市・三鷹市の蓄電池はSII登録機器のみ。港区はJET認証またはIEC認証が必要です。国のみらいエコ住宅2026もSII登録の定置用リチウム蓄電池が条件。ほぼすべての自治体で未使用品(新品)限定で、中古・リースは対象外です。
業者の縛りもあります。八王子市は「市内に事業所を有する事業者」からの購入・施工が要件大田区は「本社が区内の中小事業者」の施工が必須足立区は区内事業者を使うと単価が上がります(太陽光6万→7.2万円/kW)。逆に言えば、それ以外の区市では業者を自由に比較できます
「過去の申請歴」にも注意。葛飾区は過去10年間江東区は過去5年以内港区は過去に同じ住所で申請していないこと練馬区は令和3年度以降に同一種類の設備で交付決定を受けていないことが条件です。中古住宅を買った方は、前の所有者が申請していないかを確認しておくと安心です。

i迷ったらこの順番で

1. 東京都の事前申込を、契約前に済ませる(いちばん金額が大きい。ここを外すと致命的)2. お住まいの区市の公式ページ(「◯◯区 太陽光 補助金 令和8年度」で検索)で制度の有無と締切を確認3. 区市が着工前申請か事後申請かを確認(ここを間違えると区の分がパー)4. 蓄電池のセット条件(太陽光が既設でよいか、同時設置が必要か)を確認して導入プランを決める5. 相見積もりを取る(都の助成は対象経費が上限なので、価格と補助額の両方で比較を)6. 業者に申請代行できるかを聞く(東京都は手続代行者の制度が用意されています)

東京都の日射量と発電量の特徴

補助金の話が続いたので、肝心の「東京で本当に発電するのか」も確認しておきましょう。

結論、東京は太陽光に十分向いた地域です。ただし日照量そのものは全国平均並みで、「日照に恵まれた地域」ではありません。気象庁の平年値(1991〜2020年)によると、東京の年間日照時間は1,926.7時間。大阪(2,048.6時間)を約122時間下回り、札幌(1,718.0時間)は約209時間上回ります。

年間日照時間(気象庁の平年値 1991〜2020年)
大阪2048.6時間
東京1926.7時間
札幌1718.0時間

※気象庁の観測地点別の平年値。東京は全国平均並みで、日照だけ見れば普通の地域

!よくある誤情報:東京は「2,029時間」でも「2,300時間」でもありません

「東京の年間日照時間は2,029時間」「大阪は2,320時間、札幌は1,848時間」と書いているサイトがあります。しかし気象庁の平年値は東京1,926.7時間・大阪2,048.6時間・札幌1,718.0時間です。どこも100〜270時間ほど多めの数字が出回っています。東京は全国平均並みの、ごく標準的な日照と考えるのが正確です。誇張された数字で判断しないようにしましょう。東京の強みは日照ではなく、補助金です。

発電量の目安は、太陽光1kWあたり年間およそ1,000〜1,200kWh。東京なら1,050kWh前後を見ておくと現実的です。5kWのシステムなら年間5,250kWh前後。冬でも積雪による発電ロスがほぼなく、年間を通して安定して発電できるのは東京の利点です。

月別に見ると、東京は6月(124.2時間)と9月(126.7時間)・10月(129.4時間)が落ち込み1月(192.6時間)がいちばん多いという特徴があります。梅雨と秋の長雨の影響ですね。冬に日照が多いのは、太平洋側の気候の典型です。

1,050kWh前後東京の1kWあたり年間発電量
5,250kWh前後5kWシステムの年間発電量
1月 192.6時間東京で最も日照が多い月
6月 124.2時間東京で最も落ち込む月

ただし、実際の発電量は屋根の向き・傾斜・影で大きく変わります。ここから先は「東京ならではの注意点」です。

☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光発電の発電量の目安1kWあたり・容量別・地域差の発電量の目安を、電気工事士が数字で解説しています。

東京の気象リスクと屋根選び

東京は積雪も塩害リスクも小さい一方、都市部ならではの難しさがあります。ここが東京最大の論点です。

狭小屋根:限られた面積で容量を確保する

23区内をはじめ、東京の住宅密集地は屋根が小さい家が多くあります。3〜4kWしか載らないことも珍しくありません。

ここで面白いのが、東京都の補助金は狭小屋根に有利に設計されていることです。既存住宅の3.75kW以下は15万円/kW、超えると12万円/kWに下がる。つまり「小さい容量ほど単価が高い」という設計になっています。3.75kWなら45万円(上限)、5kWなら60万円。容量が1.33倍でも補助は1.33倍にはなりません。

とはいえ変換効率の高いパネルが有利なのは変わりません。同じ屋根面積でも、効率20%と22%では発電量が1割違います。「載る容量」を先に確定させてから補助金を計算するのが正解です。

既存住宅 3.75kW以下(狭小屋根)

  • 15万円/kW
  • 3.75kWで45万円(上限)
  • 「小さい容量ほど単価が高い」設計
  • 狭小屋根に有利に働く

VS

既存住宅 3.75kW超

  • 12万円/kW
  • 5kWで60万円
  • 容量が1.33倍でも補助は1.33倍にならない
  • 単価は下がるが総額は増える

近隣ビル・隣家の影:東京で最大の落とし穴

これが東京でいちばん重要な論点です。東京の住宅地は隣家との距離が近く、さらに中高層のビル・マンションが乱立しています。隣家やビル、電柱の影が発電量を大きく落とすことがあります。

影は面積以上に影響が大きく、パネル1枚が陰るだけで系統全体の出力が落ちることも。現地調査で「1年を通じた影のシミュレーション」を出してもらってください。冬は太陽高度が低く影が長く伸びるので、夏だけ見て判断すると失敗します。東京は冬(1月)がいちばん日照の多い地域なので、その冬に影で発電できないと痛手が大きいのです。

影が避けられない場合は、パネルごとに最適化するパワコンやオプティマイザで軽減できることもあります。また、将来の建て替えリスクも東京特有です。隣の平屋が3階建てになる可能性は、都心ほど高くなります。

!東京で影を確認するときの4つのポイント

1年を通じた影のシミュレーションを現地調査で出してもらう(夏だけ見て判断すると失敗します)・冬は太陽高度が低く、影が長く伸びます。東京は1月がいちばん日照の多い地域なので、その冬に影で発電できないと痛手が大きい・パネル1枚が陰るだけで系統全体の出力が落ちることも。オプティマイザやパネルごとに最適化するパワコンで軽減できる場合があります・将来の建て替えリスクも東京特有。隣の平屋が3階建てになる可能性は、都心ほど高くなります

マンション・賃貸・湾岸部

分譲マンションの個人設置は基本的に難しく、補助金の対象も戸建てが中心です。ただし港区・品川区・中央区は管理組合向けの枠を用意しており(港区は上限100万円、中央区の共同住宅は上限100万円)、管理組合として動けば対象になり得ます。

また東京都の蓄電池事業では「法人が所有、管理する住宅(賃貸住宅、社宅等)の住居の用に供する部分」も対象と明記されています。オーナーの方は検討の余地があります。

i戸建て以外でも対象になる枠があります

港区・品川区・中央区は管理組合向けの枠を用意(港区は上限100万円、中央区の共同住宅は上限100万円)。管理組合として動けば対象になり得ます・東京都の蓄電池事業は「法人が所有、管理する住宅(賃貸住宅、社宅等)の住居の用に供する部分」も対象と明記。賃貸オーナーの方は検討の余地があります

江東区・中央区・港区・大田区・品川区など東京湾沿岸のエリアは、塩害の可能性があります。海からの距離によって「重塩害地域」「塩害地域」に分かれ、メーカー保証の対象外になることも。沿岸部にお住まいなら、塩害対応の機器を選んでいるか、保証は有効かを見積もり時に必ず確認しましょう。

設置費用の相場と、失敗しない見積もりの取り方

東京都の設置費用の相場は全国とおおむね同じで、1kWあたり約27〜30万円。住宅用の5kWで135〜150万円、蓄電池10kWhで約145万円が目安です。

東京は施工業者が全国でもっとも多く、競争が働きやすいのが利点。相見積もりを取れば適正価格に近づけやすい地域です。逆に、訪問販売も多いので、「今日契約すれば」に流されないことが大事です。特に東京では「契約前の事前申込」が都の補助の条件なので、その場で契約するとそれだけで都の補助を失います。訪問販売への最大の防御になりますね。

東京で費用を抑える4つの方法

東京都の事前申込を契約前に済ませる(最大の金額。これを外すと何をしても取り返せません)・相見積もりで複数社を比較(東京は業者数が多く、競争が働きやすい)・区市町村の補助金の締切に間に合わせる(先着順・予算切れで終了。千代田区はすでに受付停止)・太陽光と蓄電池をセットで導入する(江東区のように単価が上がる区があり、セット必須の区市もある)

!東京特有の注意:安さだけで選ぶと補助金が減ることがある

東京都の助成は「対象経費(税抜)が上限」で、蓄電池は「対象経費−国・他自治体の補助金」と「蓄電容量×10万円」の小さい方という算定式です。つまり極端に安い見積もりだと、都の補助額のほうが頭打ちになることがあります。「本体価格が安い代わりに補助金も減って、実質負担はあまり変わらない」というケースが起こり得るということです。東京で比較すべきは「見積額」ではなく「補助金を引いた後の実質負担額」。ここを間違えないでください。相見積もりを取るときは、各社に補助金込みの実質負担額まで出してもらうのが正解です。

東京の場合、補助金の制度が複雑(都・区市町村・国の3階建て)で、しかも申請タイミングがバラバラです。都は契約前、区は着工前か事後か区によって違う。この制度に詳しい業者を選べるかどうかが、そのまま金額に効いてきます。一括見積もりなら複数社の提案・価格・保証を自分のペースで比較でき、都と区市町村の補助金の申請代行まで相談できます

☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光発電の費用・相場20261kWあたり単価・容量別・内訳・費用を抑える方法を、電気工事士が数字で解説しています。

【無料】発電量・回収シミュレーション

「我が家だとどのくらい発電して、何年で元が取れるか」を、下のシミュレーターで試してみましょう。地域・容量・電気代を入れるだけで目安が出ます。

☀️ 太陽光・蓄電池 かんたん回収シミュレーター

お住まいの地域と条件を選ぶと、初期費用・年間の経済効果・回収年数の目安が自動で計算されます。

東京は日照こそ全国平均並みですが、補助金を差し引いた実質負担が全国でいちばん小さくなりやすいため、回収年数は短めに出やすい傾向があります。あくまで目安なので、正確な金額は無料の一括見積もりで確認しましょう。

東京都の太陽光・補助金でよくある質問

東京都の太陽光の補助金は、いくらもらえますか?

東京都の「家庭における太陽光発電導入促進事業」(令和8年度)は、既存住宅なら3.75kW以下で15万円/kW(上限45万円)、3.75kW超で12万円/kW。新築なら3.6kW以下で12万円/kW(上限36万円)、3.6kW超で10万円/kWです。これに区市町村の上乗せが加わります。港区なら出力×10万円(上限40万円)、葛飾区なら6万円/kW(上限30万円)など。一方で世田谷区・板橋区・町田市・江戸川区は令和8年度の区市の補助がありません。

「東京都は最大15万円/kWだから4kWで60万円」は本当ですか?

間違いです。15万円/kWが適用されるのは既存住宅の3.75kW以下だけで、しかも上限45万円です。4kWは3.75kW超なので12万円/kW=48万円になります。また新築は単価が下がり、3.6kW以下で12万円/kW(上限36万円)です。「最大15万円/kW」という数字だけが一人歩きしているので、必ずクール・ネット東京の公式ページで自分の条件の単価を確認してください。

国の蓄電池補助金(最大60万円)はまだ使えますか?

使えません。国のDR補助金(DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業)は、当初2026年12月10日までの予定でしたが、交付申請額の合計額が予算に達したため2026年5月29日に公募終了しました。SIIは「公募の再開を行う予定はありません」と明記しています。ただし東京都民への影響は小さく、東京都の蓄電池補助(10万円/kWh・上限120万円/戸)のほうが国のDR補助金より大きいため、東京では蓄電池の検討をあきらめる理由にはなりません。

東京都の蓄電池補助はいくらですか?令和7年度と同じですか?

令和8年度は10万円/kWh・上限120万円/戸(DR実証に参加しない場合)です。令和7年度の「12万円/kWh・上限なし」から減額され、上限が新設されました。大容量ほど減額幅が大きくなります。なおDR実証に参加すると+10万円、必要なエネルギーマネジメント機器・IoT機器の設置は1台あたり+5万円の加算があります。算定は「対象経費(税抜)−国・他自治体の補助金」と「蓄電容量×10万円+加算」を比べて小さい方です。

太陽光パネルに国の補助金はありますか?

ありません。2026年度も、太陽光パネル単体に対する国の補助金はありません。みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠でも「太陽光発電設備の設置工事」は対象外と明記されています。ただし東京都の補助(既存住宅で12〜15万円/kW)が全国最高水準なので、東京では国の補助がなくても十分に成立します。

補助金は契約前に申請しないとダメですか?

東京都は契約前です。都の申請の手引きには「助成対象の契約締結(購入、設置、保険加入)を行う前に事前申込を行ってください」と明記され、事前申込の受付通知日以降から工事契約が可能となります。令和8年4月1日〜6月30日の契約には経過措置がありましたが、すでに終了しています。区市町村はバラバラで、着工前申請が必須なのは港区・中央区・江東区・千代田区・八王子市(葛飾区は着工4週間前までの事前協議)、事後申請なのは新宿区・杉並区・練馬区・品川区・目黒区・足立区・調布市・三鷹市などです。

蓄電池だけ追加したいのですが、補助金は使えますか?

東京なら使えます。他県では国のDR補助金の終了で蓄電池のみの支援が10〜15万円まで激減しましたが、東京都の蓄電池補助(10万円/kWh・上限120万円)は「太陽光システムが既設または蓄電池と同時に設置、あるいは再生可能エネルギー電力メニュー契約済み」が条件なので、すでに太陽光があれば対象です。10kWhなら都から約100万円、これに国のみらいエコ住宅2026(9.6万円)と区の補助(港区20万円・品川区30万円など)が乗り、合計110〜135万円程度が目安。ただし八王子市・三鷹市は太陽光との同時導入が必須で後付けは対象外です。

世田谷区の太陽光補助が使えると書いてあるサイトを見ました。本当ですか?

それは令和7年度(2025年度)の情報です。世田谷区の公式ページには「令和7年度の補助対象工事のうち『太陽光発電システム(太陽光パネル)の設置』は、補助対象になりません」と明記され、「定置型蓄電池・断熱フィルム工事はいずれも補助対象外」とも書かれています。令和8年度の対象は窓の断熱改修・高断熱ドア・高断熱浴槽・屋根の高反射改修の4つのみです。江戸川区も同様に、太陽光・定置型蓄電池の単独メニューは令和7年度で終了しています。補助金の情報は前年度のまま更新されていない記事が多いので、必ず区の公式ページ(lg.jp)でご確認ください。

東京は太陽光で本当に発電しますか?

発電します。ただし日照は全国平均並みです。気象庁の平年値(1991〜2020年)で東京の年間日照時間は1,926.7時間。大阪(2,048.6時間)より約122時間少なく、札幌(1,718.0時間)より約209時間多い、標準的な水準です。1kWあたり年間1,050kWh前後が目安で、5kWなら年間5,250kWh前後。積雪による発電ロスもほぼありません。「東京は2,029時間」「大阪は2,320時間」といった数字を載せるサイトがありますが、気象庁の平年値とは異なります。東京の強みは日照ではなく補助金です。

東京の新築は太陽光の設置が義務ですか?

個人には義務はありません。2025年4月から建築物環境報告書制度が始まりましたが、義務を負うのは「年間の都内供給延床面積が合計2万㎡以上のハウスメーカー等の事業者」で、個人(施主・住宅購入者)ではありません。対象建物は、その対象事業者が新築する延床面積2,000㎡未満の建物で、既存の建物は対象外です。地場工務店や小規模ビルダーで建てる場合も義務の対象外で、設置は任意です。

東京の狭い屋根でも設置できますか?補助金は不利になりませんか?

むしろ有利な面があります。東京都の補助は既存住宅の3.75kW以下が15万円/kW、3.75kW超が12万円/kWと、小さい容量ほど単価が高い設計です。3.75kWなら上限の45万円、5kWなら60万円で、容量が1.33倍でも補助は1.33倍にはなりません。ただし発電量そのものは容量に比例するので、変換効率の高いパネルで容量を確保するのが基本。まずは現地調査で載せられる容量と発電量を確認しましょう。

近隣のビルの影が心配です。どう確認すればいいですか?

東京でいちばん重要な確認事項です。現地調査で「1年を通じた影のシミュレーション」を出してもらってください。冬は太陽高度が低く影が長く伸びるため、夏だけ見て判断すると失敗します。東京は1月(192.6時間)がいちばん日照の多い月なので、その冬に影で発電できないと損失が大きくなります。影が避けられない場合は、パネルごとに最適化するパワコンやオプティマイザで軽減できることもあります。将来隣に高い建物が建つ可能性も、都心では考慮に入れておきたいところです。

マンションでも設置できますか?

分譲マンションの個人設置は基本的に難しく、対象は戸建てが中心です。ただし港区・品川区・中央区は管理組合向けの枠を用意しており(港区は上限100万円、中央区の共同住宅の太陽光は10万円/kW・上限100万円)、管理組合として動けば対象になり得ます。また東京都の蓄電池事業では「法人が所有、管理する住宅(賃貸住宅、社宅等)の住居の用に供する部分」も対象と明記されており、賃貸オーナーの方は検討の余地があります。

東京で「大手にまとめて相談したい」「初期費用0円で始めたい」なら

ここまで補助金と相見積もりの話をしてきましたが、「自分で全部調べて手配するのは大変」という方向けに、東京で使える選択肢を2つ紹介します。いずれもPRを含みますが、これまで見てきた「補助金を引いた後の実質負担額を比べる」という原則は変わりません。

大手にまとめて相談したいなら:東京ガスの太陽光・蓄電池

関東にお住まいなら、大手にまとめて相談する選択肢もあります。東京都は東京ガスの対応エリア(関東7都県)に含まれ、電気・ガスでなじみのある東京ガスに太陽光と蓄電池をまとめて相談できます。ただし申し込む前に、次の点は知っておいてください。

!東京ガスを検討する前に知っておきたいこと

・対応は関東7都県のみ(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬)・公式に「地域や条件により、提携の販売施工店が施工する場合がある」と明記(=必ずしも東京ガスが施工するとは限らない。保証は施工店の規定に)・1981年以前に着工した住宅・建築中の新築・狭小屋根・影のかかる屋根は対象外・1社の提案になるので、可能なら一括見積もりと相見積もりして価格の妥当性を確かめると安心

手元資金を使わず始めたいなら:ゼロスタート ソーラー(東京都)

東京都には、初期費用0円で始める方法もあります。都の0円ソーラーの助成が手厚いためで、まとまった資金を用意せずにスタートできます。ただし現金・ローンでの購入とは損得の構造が違うので、下の比較を見たうえで選んでください。

現金・ローンで購入

  • 設備は最初から自分のもの
  • 売電収入も自分に入る
  • 総支払額は最も安くなりやすい

VS

0円ソーラー(PPA・サブスク)

  • 初期費用0円で始められる
  • 契約期間中は設備が事業者の所有
  • 月額の総額では割高になりやすい

!ゼロスタート ソーラーの契約条件(公式より)

・契約期間は10年間、原則クレジットカード払い・原則、期間中の中途解約はできない(解約時は精算金。補助金の返還が必要になる場合も)・契約期間中、設備はあなたの所有物にはならない(売電権は事業者へ)・新築は引き渡し後の対応。屋根の条件によっては設置できない場合がある「手元資金があるなら現金購入が最も得」という原則は変わりません。資金を使わずに始めたい人向けの選択肢と考えてください。

まとめ:東京は「都の制度が主役」。契約前の事前申込だけは絶対に忘れずに

東京都の太陽光・蓄電池の補助金について、20区市を公式サイトで確認して整理してきました。最後にポイントをまとめます。

この記事のまとめ

・東京都の補助金は「国・都・区市町村」の3階建て。財源が違えば重ねて使えるのが基本・主役は東京都の制度。既存住宅の太陽光は3.75kW以下で15万円/kW(上限45万円)・超で12万円/kW、蓄電池は10万円/kWh(上限120万円/戸)・「15万円/kWだから4kWで60万円」は誤り。4kWは3.75kW超なので12万円/kW=48万円・蓄電池は令和7年度の12万円/kWh・上限なしから減額されています(他サイトの数字に注意)・国の蓄電池DR補助金(上限60万円)は2026年5月29日で終了。再開予定なし。ただし都の制度が大きいので東京への影響は小さい・区市町村は0円〜60万円と差がある(港区60万円・葛飾区55万円/世田谷区・板橋区・町田市・江戸川区は実施なし)・東京都は「契約締結の前に事前申込」が原則。ここが最大の落とし穴・蓄電池のみでも約130万円が狙えるのが東京の強み(太陽光が既設ならOK)

東京は日照時間こそ全国平均並みで、決して恵まれた地域ではありません。屋根は小さく、近隣ビルの影も出やすい。条件だけ見れば不利な要素もあります。

それでも補助金の手厚さが、その全部をひっくり返しているのが東京です。太陽光5kW+蓄電池10kWhで補助金が200万円を超えることも珍しくない。これは他県ではまず起きません。

あとは東京都の事前申込を契約前に済ませること。そして相見積もりで「補助金を引いた後の実質負担額」を比較すること。国のDR補助金が予定より半年以上早く終わったように、補助金は待ってくれません。千代田区はすでに受付を停止し、三鷹市の予算残は24%を切りました。

まずは無料のシミュレーションと一括見積もりで、あなたの家の「発電量・費用・回収年数」と「使える補助金」を具体的に確かめてみてくださいね。

i近隣の都道府県も見る

補助金は県によって仕組みそのものが違います。近隣県と比べると、東京の制度の位置づけが分かります。神奈川埼玉千葉地域から探すに21都道府県の一覧があります。

※この記事の金額・条件は2026年7月時点で東京都・各区市町村・国の公式ページから確認した目安です。補助金は予算や年度によって変わり、先着順で年度途中に終了します。申請前には必ず、クール・ネット東京とお住まいの区市町村の公式ページ、国の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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