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群馬県の太陽光発電・蓄電池|2026年の補助金・発電量・相場と見積もりのコツ

結論:群馬県の補助金は「先着」ではなく【抽選】です。受付は2026年7月20日17時まで。しかも国の補助金とは併用できません

群馬県で太陽光・蓄電池を検討するなら、次の5つを押さえてください。
・群馬県には県への直接申請が実在します(太陽光7万円/世帯+蓄電池は対象経費の1/3)。ただし先着順ではなく抽選で、個人枠は130件程度(太陽光+蓄電池のA事業)
・受付は2026年6月29日9時〜7月20日17時。この記事を読んでいる時点で、残り時間はわずかです
・県の補助は国の補助と同一設備には併用できません。さらにFIT・FIPでの売電も不可。大手サイトが載せている「県+市+国の60万円」という合計は成立しません
群馬県の条例で太陽光が義務化されるのは延床2,000平方メートル以上の建築物だけ一般の戸建て住宅は対象外です
前橋の日照は全国3位(2,153.7時間)。ただし4位の静岡との差はわずか2.2時間。そして県内では藤原(みなかみ町)の1,509.6時間まで644時間も開きます

「群馬で太陽光をつけたら、補助金はいくらもらえるの?」——結論から言うと、お住まいの市町村しだいで50万円の差がつきます。片品村なら市町村分だけで50万円、高崎市なら4万円です。

僕は電気工事士として電気設備に関わりながら、太陽光や蓄電池についても普段から調べ、相談を受けています。

この記事では、群馬県内35市町村すべての制度を、群馬県の公式一覧と各自治体の公式サイトで1件ずつ確認して整理しました。

2026年7月時点の実際の情報でまとめます。

先に、いちばん大事な訂正を3つしておきます。

この記事で正す、群馬県の3つの誤解
誤解1:県の補助は先着順 → 実際は【抽選】誤解2:県+市+国の60万円が積み上がる → 県が【併用不可】と明記誤解3:群馬で家を建てるなら太陽光は義務 → 戸建ては【対象外】

1つめ。大手サイトは群馬県の補助金を「先着順」のように書いていますが、これは誤りです。群馬県の公式ページには「書類不備がない交付申請書を全て抽選対象とします。

予算額の範囲内で当選者を決定し」とはっきり書かれています。早く出しても有利にはなりません。

2つめ。「県+市+国のDR補助金60万円が積み上がる」も誤りです。

国のDR補助金は2026年5月29日に受付を終了しており、そもそも群馬県自身が「Bの補助金と、DR補助金を同一の交付対象設備に対して併用することはできません」とFAQで明記しています。

3つめ。「群馬で家を建てるなら太陽光は義務」も誤りです。群馬県の条例が義務づけているのは延床面積2,000平方メートル以上の建築物であって、100平方メートル前後の一般的な戸建て住宅は完全に対象外です。

抽選群馬県の補助金の決め方(先着ではない)
130件程度県A事業の個人枠(太陽光+蓄電池)
7月20日17時令和8年度の申請締切

群馬県の補助金は3階建て。ただし「県の階」に乗るには抽選に当たる必要があります

まず全体像から。群馬県は、これまで僕が調べてきた岡山県・広島県・京都府などとは構造が違います

岡山県は公式に「直接、県から設置される方への補助金の交付は行っておりません」と書いていました。県費は市町村への間接補助として流れていて、県民が県に申請する窓口そのものが存在しなかったのです。

群馬県は違います。県への直接申請が実在します。だから理屈のうえでは「国・県・市町村の3階建て」が成立します。

ただし、そこに3つの関門があります。

大手サイトが書いていること

  • 群馬県から7万円+蓄電池1/3がもらえる
  • 受付は6月下旬〜7月中旬(先着っぽい書き方)
  • 国のDR補助金60万円と併用して合計を最大化
  • 県+市+国を全部足せる
  • 群馬は全国初の太陽光義務化の県
  • 群馬は日照全国3位のトップクラス

VS

2026年の実際

  • もらえるが「抽選」。個人枠は130件程度
  • 受付は6月29日9時〜7月20日17時と県が明記
  • DR補助金は5月29日終了。県も「併用不可」と明記
  • 県と国は同一設備に併用不可。市町村は条件次第
  • 義務は延床2,000平方メートル以上。戸建ては対象外
  • 3位だが4位の静岡との差は2.2時間。県内格差は644時間
群馬県の補助金 3階建ての実像
1階:国の補助金(みらいエコ住宅2026・ZEH)2階:群馬県の補助金(抽選・7/20締切・国と併用不可・FIT不可)3階:市町村の補助金(金額差が最大50万円。ここが主戦場)

関門1:先着ではなく「抽選」です

ここが最大のポイントです。多くの自治体の補助金は「先着順・予算に達し次第終了」ですが、群馬県は抽選方式を採っています。

群馬県の公式ページには、こう書かれています。

i群馬県の公式ページに書かれていること(令和8年度)

・「交付申請書は6月29日から7月20日まで受付し、書類不備がない交付申請書を全て抽選対象とします。予算額の範囲内で当選者を決定し(県ホームページで当選者分の申請者番号を公表します。)、当選者の申請書について申請内容の確認・審査を行います。」・「1事業者又は1世帯につき1申請を上限とします。」・「受付期間外に提出された申請書類は抽選対象外です。」・「県の交付決定前に、施工業者等との契約・工事着工済みの場合は、補助対象外となります。」出典:群馬県 令和8年度の個人住宅・事業者向け再エネ導入支援補助制度について(2026年6月29日更新)

つまり、7月1日に出そうが7月20日に出そうが当選確率は同じということです。「早い者勝ちだから急いで契約を」と迫る業者がいたら、その説明は間違っています。

むしろ逆で、急いで契約したら失格になります。県の交付決定前に契約・着工していると補助対象外だからです。

関門2:個人枠は「130件程度」しかありません

予算規模を見ると、この制度の厳しさがわかります。

!令和8年度 群馬県の再エネ補助金の予算枠

A:太陽光発電設備等導入支援事業費補助金(太陽光のみ/太陽光+蓄電池)・予算額:約1.9億円(中小事業者:約1.3億円=30件程度/個人:約0.6億円=130件程度B:住宅用蓄電池導入支援事業費補助金(既設の太陽光がある家に蓄電池のみ)・予算額:約1.9億円(400件程度)※群馬県の世帯数は約80万世帯です。個人枠A=130件程度がどれだけ狭い門かは、この数字と比べればわかります

Aの個人枠が130件程度。これは県全体の数字です。群馬県には35市町村・約80万世帯がありますから、1市町村あたり4件に満たない計算になります。

Bの蓄電池のみは400件程度と、Aよりは広い門です。すでに太陽光が載っている家にとっては、こちらのほうが現実的でしょう。

関門3:国の補助金と併用できません

ここは大手サイトが正面から間違えているところなので、丁寧に書きます。

群馬県は公式FAQで、こう答えています。

!群馬県の公式FAQ(原文)

【A事業について】Q:A(太陽光発電設備等導入支援事業費補助金)とA以外の補助金等を併用することは可能か。A:「Aの補助金と、A以外の補助金等で国の負担又は補助を得て実施するもの(例:みらいエコ住宅2026事業(国土交通省))を、同一の交付対象設備に対して併用することはできません。【B事業について】Q:B(住宅用蓄電池導入支援事業費補助金)とB以外の補助金等を併用することは可能か。A:「Bの補助金と、B以外の補助金等で国の負担又は補助を得て実施するもの(例:DRリソース導入のための家庭用蓄電システム導入支援事業(経済産業省))を、同一の交付対象設備に対して併用することはできません。

この一文の意味は重大です。「県の7万円+国のDR補助金60万円」という足し算は、県のルール上そもそも成立しません。

それでも大手の比較サイト(エコ発)は、2026年7月現在も「国の補助金(DR家庭用蓄電池事業:上限60万円)も併用可能」と書き、県・市・国を足した合計額を提示しています。これは二重に誤りです。

DR補助金はSII公式のとおり2026年5月29日に終了しており、仮に生きていたとしても県が併用を認めていません。

これは新潟県で見た「国か県かの選択制」とよく似た構造です。県補助があること自体は事実でも、「積み上がる」とは限らない——群馬はまさにその典型です。

群馬県の令和8年度補助金を、条文レベルで正確に読む

では、県の補助金の中身を具体的に見ていきます。ここは金額だけでなく「要件」が勝負なので、公式の表現をそのまま引きます。

A:太陽光発電設備等導入支援事業費補助金(個人)

補助額・太陽光発電設備:7万円/世帯(定額。kW数に関係なく一律)・蓄電池:補助対象経費の1/3(千円未満切り捨て)補助対象経費:太陽電池モジュール、パワーコンディショナー、工事費(消費税を除く)受付:2026年6月29日9時〜7月20日17時(オンライン申請が原則。困難な場合のみ郵送)抽選:2026年7月下旬に抽選・当選者決定事業実施期限:2027年1月31日まで(設備の導入と支払い完了)実績報告期限:2027年2月10日まで補助金の支払:2027年3月中旬まで問い合わせ:ぐんま第一再エネ補助金事務局 027-381-8081(平日9時〜12時30分/13時30分〜17時)

要件1:FIT・FIPでの売電はできません

県の要件のうち、家計に最も影響するのがこれです。

公式には「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法に基づくFIT制度又はFIP制度による売電を行わないものであること」と書かれています。

加えて個人の場合、「太陽光発電設備により発電される電力が、導入場所の敷地内(オンサイト)の住宅で30%以上使用(自家消費)されるものであること」も条件です。

この2つは、後の章でくわしく検証します。2026年度のFIT価格が大きく変わったせいで、「7万円をもらうために売電を捨てる」判断が、去年までとはまったく別の意味を持つようになったからです。

要件2:蓄電池の「単価14.1万円/kWh」を1円でも超えると全額アウト

ここは知らないと事故になる要件です。県は蓄電池に単価の上限を設けています。

全額補助対象外=設備費 100万円 ÷ 蓄電容量 7kWh = 単価 14.2万円/kWh > 14.1万円/kWh
※群馬県の公式ページに載っている「算出例 事例2」そのものです。単価が0.1万円超過しただけで、補助額が30万円から0円になります

県の公式ページには、次の2つの算出例が並べて載っています。

i群馬県の公式「算出例」(太陽光+蓄電池を同時導入する個人向け)

事例1 蓄電容量7kWh/設備費90万円の場合・単価:12.8万円(90万円 ÷ 7kWh)→ 補助額:30万円(90万円 × 1/3)事例2 蓄電容量7kWh/設備費100万円の場合・単価:14.2万円(100万円 ÷ 7kWh)→ 補助額:全額補助対象外(補助対象経費の単価が14.1万円/kWhを超過)※正確には、4,800アンペアアワー・セル相当(リチウムイオン蓄電池では17.76kWh)未満の蓄電池は14.1万円/kWh以下、17.76kWh以上の蓄電池は16.0万円/kWh以下が条件です

設備費がたった10万円違うだけで、補助額が30万円から0円に落ちる。これが群馬県の蓄電池補助の設計です。

ここから導かれる実務的な結論は明確です。見積もりを取る段階で「蓄電池の税抜き設備費 ÷ 蓄電容量」を必ず自分で計算してください。14.1万円/kWhを超えていたら、その見積もりでは県の補助はゼロです。

逆に言えば、容量の大きい蓄電池ほど単価が下がるので有利になります。7kWhで100万円なら失格ですが、10kWhで130万円(13.0万円/kWh)なら通り、補助額は約43万円です。

B事業:すでに太陽光がある家は、こちらのほうが門が広い

B:住宅用蓄電池導入支援事業費補助金(蓄電池のみ)

対象者:県内に太陽光発電設備を設置済みの住宅を有する個人(リース契約の場合はリース事業者と個人の共同申請)補助額:次の1・2のうちいずれか低い額(千円未満切り捨て) 1. 補助対象経費の1/3 2. 蓄電容量 × 14.1万円/kWh × 1/3算出例3:7kWh/設備費90万円 → 30万円(90万円×1/3 < 14.1万円×7kWh×1/3)算出例4:7kWh/設備費100万円 → 32.9万円(14.1万円×7kWh×1/3 < 100万円×1/3)予算額:約1.9億円(400件程度受付:2026年6月29日9時〜7月20日17時(Aと同じ。抽選も同じ)問い合わせ:ぐんま第二再エネ補助金事務局 027-381-8247

Bの設計が面白いのは、Aと違って「単価超過で全額アウト」にならないことです。Aは14.1万円/kWhを超えたら0円ですが、Bは上限として頭打ちになるだけ

算出例4のとおり、単価14.2万円でも32.9万円が出ます。

同じ県の制度なのに、AとBで蓄電池の扱いがまったく違う。

財源が違う(Aは環境省の交付金、Bは内閣府の物価高騰対応の臨時交付金)ためですが、利用者から見れば「太陽光と同時か、あとから追加か」で条件が変わるということです。

A事業の蓄電池(太陽光と同時)

  • 補助額:対象経費の1/3
  • 単価14.1万円/kWh超 → 全額対象外(0円)
  • 個人枠:130件程度
  • FIT・FIP売電は不可
  • 自家消費30%以上が必要

VS

B事業の蓄電池(あとから追加)

  • 補助額:1/3 と 容量×14.1万円×1/3 の低い方
  • 単価超過でも 頭打ちになるだけ(例:32.9万円)
  • 枠:400件程度
  • 既設の太陽光のFIT契約はそのまま
  • 自家消費の割合要件なし

すでに太陽光が載っている群馬の家にとっては、Bは400件程度の枠があり、単価上限のペナルティもなく、卒FIT対策にもなる——かなり良い制度だと思います。

県の7万円のために、2026年度のFIT売電を捨てる価値はあるか

ここが、この記事でいちばん書きたかった章です。どの競合サイトも触れていませんが、2026年度の群馬では、この計算をしないと数十万円単位で損をします。

理由は、2026年度からFITの買取価格が大きく変わったからです。

i2026年度のFIT買取価格(10kW未満・住宅用)

1〜4年目:24円/kWh5〜10年目:8.3円/kWh・(参考)2025年度:15円/kWh(10年間一律)/2024年度:16円/kWh※前半に手厚くして初期投資の回収を早める「二段階単価」に変わりました出典:経済産業省 資源エネルギー庁「調達価格等に関する報告」(令和8年4月)衆議院・報告本文

1〜4年目が24円/kWh。去年の15円から6割増しです。群馬県の補助金を取るということは、この24円を丸ごと捨てるということになります。

実際に計算してみます(前橋・太陽光5kW)

前提を置いて試算します。前橋で5kWを載せた場合、年間発電量は5,000〜6,000kWh(1kWあたり1,000〜1,200kWh)。このうち7割を売電するとして、年間の売電量を約3,850kWhとします。

10年間の売電収入 約56万円=24円 × 3,850kWh × 4年(約37万円)+ 8.3円 × 3,850kWh × 6年(約19万円)
※前橋・太陽光5kW・余剰売電率7割の試算。実際の発電量・自家消費率で変動します

では、FITを捨てた場合はどうなるか。FITを使わなくても、余剰電力の買取契約(相対契約)自体は結べます。非FITの買取単価は電力会社によりますが、おおむね1kWhあたり一桁〜10円台前半が相場です。

仮に9円/kWhとすると、10年間で3,850kWh × 9円 × 10年 = 約35万円。FITとの差は約21万円です。

太陽光だけを入れる場合

  • 県の補助:7万円
  • 捨てるFIT収入:約21万円(10年)
  • 差引:約14万円のマイナス
  • 結論:県の補助を取らず、FITで売電したほうが得

VS

太陽光+蓄電池を入れる場合

  • 県の補助:7万円+蓄電池90万円の1/3=30万円=計37万円
  • 捨てるFIT収入:約21万円(10年)
  • 差引:約16万円のプラス
  • 結論:県の補助を取ったほうが得になりうる

整理すると、こうなります。

太陽光だけなら、県の補助(7万円)を取るために10年分のFITの上乗せ(約21万円)を捨てるのは、多くの家庭で割に合いません。単純に7万円より21万円のほうが大きいからです。

蓄電池も同時に入れるなら話が変わります。蓄電池の1/3が乗って合計37万円になるので、21万円を捨てても十分お釣りが来ます。

しかも蓄電池があれば自家消費が増え、24円で売るより31円前後の買電を減らすほうが有利になるので、FITを捨てる痛みも小さくなります。

!この試算について、正直にお伝えしておくこと

・上の金額は2026年7月時点の制度に基づく試算例です。発電量・自家消費率・非FITの買取単価によって結論は変わります・非FITの余剰買取単価は電力会社ごとに違い、契約先によっては買取自体を受けてもらえない場合もあります。「FITを捨てても9円で売れる」は前提であって、保証ではありません。必ず契約先の候補を確認してから判断してください・県の補助は抽選です。「補助が当たる前提でFITを捨てる」設計にはできません。当選してから交付決定を受け、それから契約する流れになります・迷ったら、ぐんま第一再エネ補助金事務局(027-381-8081)と、複数の施工業者に「FITありのプラン」「県補助ありのプラン」の両方を試算させて、並べて比べてください

国の補助金【2026年7月の最新状況】蓄電池のDR補助金は終了しました

1階部分の国の制度も確認しておきます。ここは全国共通ですが、群馬では「県と併用できない」ため、どちらを取るかの判断材料になります。

DR補助金(家庭用蓄電池・最大60万円)→ 2026年5月29日に終了

正式名称は「DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業」(令和7年度補正)。家庭用蓄電池に対する国の補助として、いちばん金額が大きい制度でした。

DR補助金が終わるまで

2026年3月24日公募開始(当初は12月10日までの予定)

2026年5月29日交付申請額が予算に達し、公募終了

現在SIIが「公募の再開を行う予定はありません」と明記

12月まで受付予定だったものが、5月末で締め切られたわけです。最新状況はSII(環境共創イニシアチブ)公式サイトで確認できます。

群馬県の記事を検索すると、いまだにこの60万円を現役の制度として一覧に載せ、県・市の補助と足し合わせた「合計額」を提示している大手サイトが上位に出てきます。これは誤りです。

「国の60万円がもらえます」と説明する業者がいたら、その場でSIIの公式ページを一緒に開いてください。

いま使える国の制度(2026年7月時点)

既築住宅のリフォームなら:みらいエコ住宅2026事業

・蓄電池(エコ住宅設備):9.6万円/戸(定額・SII登録の定置用リチウム蓄電池)・リフォームの上限:100万円/戸(〜平成3年築)/80万円/戸(平成4〜28年築)・第2期の期間:2026年5月13日〜12月31日(予算上限に達し次第、受付終了)・太陽光パネルの設置工事は対象外・公式:mirai-eco2026.mlit.go.jp群馬県のA補助金とは併用できません(県のFAQが名指しで例示しています)

意外に知られていませんが、太陽光パネルそのものに対する国の補助金は2026年度もありません。だからこそ、太陽光パネルは市町村の補助金が頼りになります。群馬県内で最大50万円の差がつく理由はここにあります。

群馬は「北部なら55万円、平野部なら45万円」に分かれます

i新築なら:ZEH支援事業(令和8年度)

・ZEH:55万円/戸(地域区分1〜4地域)/45万円/戸(5〜8地域)蓄電システム加算:2万円/kWh・対象経費の1/3・上限20万円/戸のいずれか低い額・公募期間(単年度):2026年5月21日〜12月11日※みらいエコ住宅2026(新築)とは併用できません。どちらが得か試算を

ここは群馬ならではの注意点です。ZEHの55万円/戸は地域区分1〜4地域(寒冷地)限定で、5〜8地域は45万円になります。

そして群馬県は、この境界が県内を走っています

国土交通省の地域区分表によると、嬬恋村・草津町・片品村・上野村・長野原町・高山村・川場村・中之条町(旧六合村)・みなかみ町(旧水上町)・沼田市(旧白沢村・旧利根村)などの北部・西部の高地は1〜4地域=55万円

一方、前橋市・高崎市・伊勢崎市・太田市・館林市・藤岡市・玉村町・明和町・千代田町・大泉町・邑楽町といった平野部は5〜8地域=45万円です。

55万円1〜4地域(嬬恋・草津・片品・長野原など北部・西部)
45万円5〜8地域(前橋・高崎・太田など平野部)
10万円同じ群馬県内で生じるZEHの差

つまり県北で新築ZEHを建てるなら55万円、平野部なら45万円。同じ群馬県内で10万円違います。

ただし区分は旧市町村単位で細かく分かれており(高崎市は旧倉渕村だけ、桐生市は旧黒保根村だけが寒冷側に入ります)、合併前の旧町村名まで見ないと判定できません。

ご自宅がどの区分かは、必ず上の国交省の表か、施工業者に確認してください。この点は僕の側でも旧市町村単位まで全件は確認しきれていないので、断定は避けます。

【一覧】群馬県35市町村の太陽光・蓄電池 補助金(2026年度)

ここからが本題です。群馬県内の全35市町村について、群馬県が公表している2026年度の助成制度一覧(PDF)と、各自治体の公式サイトを突き合わせて確認しました。

金額は市町村の補助のみ(県・国は含みません)。横にスクロールできます。

市町村 太陽光の補助 蓄電池の補助
片品村 5万円/kW(上限25万円)★県内最高額 5万円/kWh(上限25万円)※工事着手前に申請・先着
長野原町 5万円/kW(上限20万円) 5万円/kWh(上限20万円)※工事前申請・予算枠は各10件
嬬恋村 5万円/kW(上限20万円) 5万円/kWh(上限20万円)★県の一覧に掲載なし
中之条町 5万円/kW(上限20万円) 3万円/kWh(上限15万円)※HEMSも1/10・上限2万円
東吾妻町 2万円/kW(上限10万円) 4万円/kWh(上限20万円)
高山村 7万円/kW(上限20万円)★県内最高単価 実施なし ※工事着手前に申請
藤岡市 2万円/kW(上限8万円)※蓄電池と同時設置に限る 同時2万円/kWh(上限10万円)/単体1万円/kWh(上限5万円)
榛東村 村内業者4万円/kW(上限16万円)/村外業者2万円/kW(上限8万円) 実施なし ※補助の50%は商業振興券
川場村 3万円/kW(上限15万円) 実施なし
吉岡町 2.5万円/kW(上限10万円) 一律5万円
安中市 1万円/kW(上限5万円) 1万円/kWh(上限6万円)※立地適正化計画の居住誘導区域なら加算
明和町 1万円/kW(上限10万円) 1万円/kWh(上限6万円)
太田市 2〜7kW未満:5万円/7kW以上:7万円 4kWh以上:5万円 ※支給はデジタル金券OTACO
伊勢崎市 導入費用・上限5万円 導入費用・上限5万円 ※電子地域通貨で交付
千代田町 3万円/kW(上限6万円) 1万円/kWh(上限4万円)
昭和村 2.5万円/kW(上限10万円) 実施なし
みなかみ町 2.5万円/kW(上限10万円) 実施なし ※太陽熱温水器は2〜4万円
板倉町 2.5万円/kW(上限10万円) 実施なし
前橋市 3万円(定額) 1万円/kWh(上限5万円)※市内業者必須・設置後申請
渋川市 3万円(定額) 5万円(定額)※V2Hは10万円
邑楽町 2万円/kW(上限6万円) 実施なし
甘楽町 1万円/kWh(上限5万円)※太陽光・蓄電池セットの制度 同左(詳細は町に要確認)
沼田市 1万円/kW(上限5万円) 実施なし ※太陽熱は1/10・上限2万円
玉村町 1万円/kW(上限5万円) 実施なし ※系統連系後90日以内に申請
みどり市 一律5万円 実施なし ※環境価値を市が活用することへの同意が必要
高崎市 8千円/kW(上限4万円)※余剰電力の買取契約が必須 実施なし(市が明記)
館林市 実施なし 1万円/kWh(上限5万円)※デジタル地域通貨ぽんちゃんペイ
桐生市 実施なし 1万円/kWh(上限5万円)★2026年7月8日に予算上限到達で受付終了
上野村 補助金ではなく村が設備を貸与(設置費の約1/6が個人負担) 村が無償で貸与(個人負担なし)※FIT・FIP利用不可
富岡市 実施なし(市は県の制度を案内するのみ) 実施なし ※太陽熱利用システムのみ10%・上限2万円
大泉町 確認できず(町の環境系補助はEV等。太陽光の記載なし) 確認できず ※町に要確認 0276-63-3111
草津町 確認できず(県の一覧にも掲載なし) 確認できず ※町に要確認 0279-88-0001
下仁田町 確認できず(県の一覧にも掲載なし) 確認できず ※町に要確認 0274-82-5490
南牧村 確認できず(県の一覧にも掲載なし) 確認できず ※村に要確認 0274-87-2011
神流町 確認できず(県の一覧にも掲載なし) 確認できず ※町に要確認 0274-57-2111

この表を作って、はっきりわかったことが3つあります。

i35市町村を全部調べて見えたこと

手厚いのは、圧倒的に北部の町村です。片品村・長野原町・嬬恋村・中之条町・東吾妻町・高山村——いずれも吾妻郡・利根郡の山間部。人口の多い前橋・高崎・太田は、むしろ薄いほうです・県庁所在地の前橋市(太陽光3万円)より、川場村(上限15万円)のほうが5倍手厚い。高崎市の上限4万円と片品村の上限25万円では、6倍以上の差があります・「現金でもらえない」自治体が5つあります。太田市(OTACO)、桐生市(桐ペイポイント)、伊勢崎市(電子地域通貨)、館林市(ぽんちゃんペイ)、榛東村(半分が商業振興券)。金額だけ見て比べると足をすくわれます

群馬県の公式一覧にも「漏れ」がありました

ここは大事な指摘です。上の表を作る過程で、群馬県が公表している2026年度の一覧PDFから、嬬恋村が抜け落ちていることがわかりました。

嬬恋村には嬬恋村住宅用再生可能エネルギーシステム設置費補助金交付要綱(令和5年3月24日告示第32号)が実在し、太陽光5万円/kW(上限20万円)・蓄電池5万円/kWh(上限20万円)という、県内でもかなり手厚い制度を持っています。

それが県の一覧には載っていません。

これは岡山県で津山市の欄が空白だったのと同じ現象です。県の一覧は便利ですが、それだけを信じると「うちの村には補助がない」と誤解します。必ずお住まいの自治体の公式サイトを直接開いてください。

主要市町村の補助金を個別解説【金額・条件・受付期間】

表だけではわからない「条件のクセ」を、主要な自治体について解説します。

前橋市:予算の残額がリアルタイムで公開されています

県庁所在地の前橋市は「家庭用ゼロカーボン推進補助金」を実施しています。金額は控えめですが、運用は良心的です。

令和8年度 前橋市家庭用ゼロカーボン推進補助金

・太陽光発電設備:30,000円(定額)・定置用蓄電池設備:1kWhあたり10,000円(上限50,000円)・太陽光発電連携型給湯機:50,000円/家庭用燃料電池コージェネレーション:50,000円・受付:2026年6月1日〜2027年3月20日(消印有効)。期間中でも予算額に達した時点で終了市内業者しばりあり:「市内業者(前橋市内に本店・支店・営業所等を有する者)が、対象設備の購入、又は設置工事の相手方であること」・申請タイミング:設置した後に申請・予算状況(2026年6月30日時点):交付決定額1,190,000円/予算残額6,610,000円

注目してほしいのは予算残額が公開されていることです。6月末時点で総額約780万円のうち661万円が残っています。太陽光3万円・蓄電池5万円なら、まだ十分に枠があります。

ただし市内業者しばりがあります。市外の業者のほうが8万円以上安いなら、補助を捨てて市外業者を選んだほうが得です。「補助金の額」より「補助金込みの総額」で比べてください。

高崎市:県の補助と条件がぶつかる可能性があります

県内最大都市の高崎市は、太陽光のみ・上限4万円と、金額は県内で最も薄い部類です。しかも蓄電池とV2Hの補助は実施していないと市が明記しています。

ただし、高崎市には見逃せない条件があります。

!令和8年度 高崎市住宅用太陽光発電システム導入補助制度

・補助額:1kWあたり8千円・上限4万円(蓄電池・V2Hは対象外と市が明記)・予算額:900万円(上限4万円で割ると225件程度)・受付:2026年7月1日〜2027年3月31日・申請タイミング:系統連系開始日から3か月以内事後申請対象者の要件に「自ら電力会社と受電契約を結び、かつ余剰電力の買取契約を結ぶ個人」と明記・2026年4月1日〜2027年3月31日に系統連系を開始することが条件

ここで問題になるのが、「余剰電力の買取契約を結ぶこと」が必須という点です。一方で群馬県の補助は「FIT・FIP制度による売電を行わないこと」が必須

つまり、FIT前提で考えると、高崎市の補助と群馬県の補助は要件が正面からぶつかります。

厳密に言えば、「余剰電力の買取契約」はFITだけを指すとは限りません。非FITの相対買取契約でも文言上は満たしうるので、理屈のうえでは両立の余地があります。

ただしこれは僕の読解であって、市の公式見解ではありません。両方を狙う場合は、必ず高崎市環境政策課(027-321-1251)と、ぐんま第一再エネ補助金事務局(027-381-8081)の両方に確認してください。

ここは断定を避けます。

桐生市:2026年7月8日に受付が終わりました

これは検索上位のどのサイトにも載っていない情報です。桐生市の蓄電池補助は、すでに終了しています。

!桐生市 環境都市推進補助金(蓄電池設備設置補助)の現状

・補助額:蓄電池の定格容量1kWhにつき1万円(上限5万円)・桐ペイポイント(電子地域通貨)で交付・当初の受付期間:2026年5月1日〜2027年3月12日の予定・実際:「令和8年7月8日に予算の上限に到達したため、受付を終了いたしました。」と市が明記・「予算額に到達した日の申請については抽選とします」・除外要件:「蓄電池の設置に関して国や県の負担及び補助を受けた者」は対象外群馬県の補助と併用不可・太陽光発電設備そのものへの補助はありません

3月まで受付予定だった制度が、7月8日で終わりました。しかも桐生市は国や県の補助を受けた人を明示的に除外しています。仮に受付が続いていても、群馬県の補助と両取りはできませんでした。

「県の7万円+桐生市の5万円」という足し算をしているサイトがあれば、二重に誤りです。

太田市:現金ではなく「OTACO」で最大12万円

太田市は報奨金という名前で、太田市デジタル金券(OTACO)を支給します。

太田市住宅用再エネ機器導入報奨金(令和8年度)

・太陽光発電システム:2kW以上7kW未満で一律5万円/7kW以上で一律7万円・定置用蓄電システム:蓄電容量4kWh以上で一律5万円・支給方法:太田市デジタル金券(OTACO)。現金振込ではありません・受付:2026年4月1日〜2027年3月31日(窓口または電子申請)・すべて新品での設置に限る最大12万円相当(7kW以上の太陽光7万円+蓄電池5万円)

ここで訂正しておきたいことがあります。太田市を「太陽光・蓄電池あわせて10万円相当」と書いている記事がありますが、正確ではありません。太陽光は出力で2段階に分かれており、7kW以上なら7万円

蓄電池と合わせれば12万円相当になります。

屋根に余裕がある方は、6.9kWと7.0kWで2万円変わることを覚えておいてください。設計段階で業者に伝える価値があります。

片品村・長野原町・嬬恋村:金額は破格。ただし「工事前申請」です

県内で最も手厚い3つの町村は、いずれも吾妻郡・利根郡の山間部にあります。

50万円片品村の太陽光5kW+蓄電池10kWhの補助
40万円長野原町・嬬恋村の同条件の補助
10件長野原町の太陽光の年間予算枠

金額だけ見れば、片品村は群馬県で断トツです。太陽光5万円/kW(上限25万円)+蓄電池5万円/kWh(上限25万円)で、合計50万円。人口4,000人ほどの村が、県の補助金(7万円)の7倍を出しています。

ただし、条件が独特です。

!片品村・長野原町・嬬恋村で申請する前に、必ず確認すること

片品村:要綱第6条に「工事着手以前に…交付申請書…を村長に提出しなければならない」と明記。「申請受付は先着順とし、申請受付期間は受付開始日から同一年度の2月末日まで」・長野原町設置工事前申請・設置後請求。「交付申請→交付決定通知→設置工事→交付請求」の順。交付申請期限は2027年1月29日、交付請求期限は2027年3月31日。「期日を過ぎての受付はいたしません」・長野原町の予算枠は、太陽光10件・蓄電池10件(2026年5月29日時点で太陽光0件/蓄電池2件の申請)。年間10件です・嬬恋村:設置前に工事請負契約書・見積書・仕様書・図面・着工前の写真を添付して申請。太陽光は「余剰電力買取契約の見込みがあること」が要件・3つとも県の補助(交付決定前の契約・着工は不可)とタイミングが噛み合うか、事前に確認が必要です

長野原町の「年間10件」という枠は、この記事で見つけたなかでも特に驚いた数字です。町の人口規模から見れば妥当なのですが、知らずに動くと11人目になります。

ただ、5月末時点で太陽光は0件だったので、動くなら今です。

片品村・長野原町・嬬恋村・高山村で失敗しない順序
1. 見積もりを取る(契約はまだしない)2. 役場へ交付申請(着工前・着工前の写真が要る村も)3. 交付決定通知を受け取る4. ここでようやく契約・着工5. 完了後に実績報告→交付請求

高山村:7万円/kWは群馬県で最高単価

吾妻郡高山村は、1kWあたり7万円という県内最高の単価を出しています。

高山村住宅用太陽光発電システム設置費補助金交付要綱の第4条に「1キロワット当たり70,000円を乗じて得た金額又は20万円のいずれか少ない額」と書かれています。

ただし上限20万円なので、2.86kWで頭打ちです。5kW載せても20万円、3kW載せても20万円。「単価が高い=得」ではない典型例ですね。

村のページには「工事を始める前に、高山村役場 地域振興課へ申請してください」とあります(0279-63-2111)。

上野村:補助金ではなく「村が設備を貸してくれる」

多野郡上野村だけは、まったく別の仕組みです。補助金ではなく、村が設備を貸与します。

i上野村太陽光発電設備貸付事業(脱炭素先行地域の取組)

村が設備を貸与し、所有者は村。導入時、太陽光パネルの設置費の約6分の1が個人負担で、蓄電池は村が無償で貸与(蓄電池分の個人負担なし)・すでに太陽光を自費で設置済みの住宅は、蓄電池のみを追加可能・条件:太陽光パネルと蓄電池を同時に導入/導入調査への協力/設置から10年間以上使用/設置から3年間は電気使用量を村に報告/FIT及びFIP制度を利用しないこと・蓄電池のみの場合は、電気契約を村の指定する新電力会社の再エネメニューへ変更すること・期間:通年(2028年度まで)/振興課 0274-59-2111・太陽熱温水器は補助対象経費の6分の5(税込120万円が上限)という破格の補助も

上野村は環境省の脱炭素先行地域に選ばれており、その計画に基づく取組です。「初期費用ほぼゼロで蓄電池が載る」のは全国的にも珍しい。ただし設備は村のもので、10年間の使用義務があり、FIT・FIPは使えません。

上野村にお住まいなら、まず村に相談する価値があります。

富岡市:市の補助はありません(太陽熱だけです)

市部で唯一、富岡市には住宅用太陽光・蓄電池の市独自の補助金がありません

群馬県の2026年度一覧にも掲載がなく、市の公式サイトを確認しても、太陽光関連のページにあるのは「一定規模の太陽光発電設備を設置する場合は市への許可申請が必要です」「近隣住民など説明会に係る運用基準の変更について」——つまり補助ではなく規制の情報だけです。

富岡市が住宅向けに出しているのは太陽熱利用システム(既築住宅・購入及び据付工事費の10%・上限2万円)のみ。市のゼロカーボン関連ページは、県の補助金・共同購入・融資を案内する内容になっています。

富岡市は「国+県」の2階建てと考えてください(ゼロカーボン推進課 0274-62-1511)。

富岡市の実像(市の階がありません)
1階:国の補助金(みらいエコ住宅2026・ZEH)2階:群馬県の補助金(抽選・7/20締切)3階:市の補助金は【存在しない】※太陽熱利用システムのみ上限2万円

みどり市:補助金と引き換えに「環境価値」を市に渡します

みどり市の一律5万円には、他にない条件が付いています。要件にこう書かれています。

「太陽光発電システムの設置に伴い得られる環境価値のうち、需要家に供給を行った電力量に紐付く環境価値を市が活用することに同意することを要し、需要家に供給を行った電力量に紐付く環境価値を需要家に帰属させる制度等を活用し、太陽光発電システムを設置した場合は要しないこととする。」

!みどり市の5万円と引き換えに渡すもの

渡すもの:発電のうち「需要家に供給を行った電力量に紐付く環境価値」を、市が活用することへの同意免除される場合:「需要家に供給を行った電力量に紐付く環境価値を需要家に帰属させる制度等を活用し、太陽光発電システムを設置した場合は要しない」と市が明記・その他の要件:10kW未満/逆潮流有りで系統連系し、電力受給開始から90日以内に申請/未使用品(中古不可)・受付:2026年4月1日〜2027年2月28日(予算の範囲内)

これは福島県の補助金がJ-クレジットクラブへの入会(環境価値を8年間譲渡)を求めていたのと同じ発想です。

5万円と引き換えに、発電の環境価値を市に渡すということ。損得の話ではなく、知ったうえで選ぶべき条件です。

【導入パターン別】補助金でいくら安くなる?シミュレーション

「結局いくらもらえるのか」を、導入パターン別に積み上げてみます。

パターン1:太陽光5kW+蓄電池10kWhのセット導入

設備の総額は約280万円(太陽光5kW=約135万円+蓄電池10kWh=約145万円)を前提にします。

蓄電池の単価は145万円÷10kWh=14.5万円/kWh——これでは県のA補助が全額対象外になるので、県を狙うなら10kWhで141万円以下に収める必要があります。

太陽光5kW+蓄電池10kWh:市町村の補助金合計の目安
片品村50万円
長野原町40万円
嬬恋村40万円
中之条町35万円
東吾妻町30万円
高山村20万円
藤岡市18万円
榛東村16万円
吉岡町15万円
川場村15万円
安中市11万円
明和町11万円
太田市10万円
伊勢崎市10万円
千代田町10万円
前橋市8万円
渋川市8万円
邑楽町6万円
高崎市4万円
富岡市0万円

※市町村の補助のみ(県・国は含まず)。2026年7月時点の公式情報に基づく目安。榛東村は村内業者を利用した場合。太田市・伊勢崎市はデジタル金券・電子地域通貨での支給。桐生市は7月8日に受付終了。上限・条件により変動します

併用例:片品村で太陽光5kW+蓄電池10kWhを入れた場合

【3階】片品村の補助金・太陽光:5万円/kW × 5kW = 25万円(上限25万円ちょうど)・蓄電池:5万円/kWh × 10kWh = 50万円 → 上限の25万円【2階】群馬県の補助金(抽選に当たった場合)・太陽光:7万円/蓄電池:141万円 × 1/3 = 47万円【1階】国の補助金0円(県のA補助と同一設備には併用できないため)──────────合計:約104万円(村50万円+県54万円)※県の抽選に当選した場合村の補助だけなら:50万円※抽選に外れた場合や、FIT売電を選ぶ場合

片品村+県で約104万円。約280万円の設備が実質176万円になります。ただしこれは130件程度の抽選に当たった場合の話で、しかもFIT売電を10年間まるごと捨てる前提です。

現実的な期待値としては、「村の50万円+FIT売電(10年で約56万円)」のほうが安全かもしれません。抽選に賭けずに済みますし、金額もほぼ拮抗します。ここは各家庭の考え方次第です。

パターン2:蓄電池のみを追加導入(すでに太陽光がある場合)

群馬でいちばん現実的なのが、実はこのパターンです。卒FITを迎えた家や、太陽光だけ先に載せた家ですね。

併用例:東吾妻町で蓄電池10kWh(設備費130万円)を追加した場合

【3階】東吾妻町の補助金・蓄電池:4万円/kWh × 10kWh = 40万円 → 上限の20万円【2階】群馬県のB補助金(抽選に当たった場合)・130万円 × 1/3 = 43.3万円・14.1万円 × 10kWh × 1/3 = 47万円・低いほうを採用 → 43.3万円【1階】国の補助金0円(DR補助金は終了。みらいエコ住宅2026もB補助と併用不可)──────────合計:約63.3万円(130万円の蓄電池が実質約66.7万円に)

B事業は400件程度と枠が広く、すでに太陽光がある家ならFIT売電を捨てる話にもならない(蓄電池の追加はFIT契約に影響しません)。2026年の群馬でいちばん狙い目なのは、このパターンだと思います。

ただしB事業も抽選です。そして受付は7月20日17時まで。すでに太陽光が載っている群馬の家で、蓄電池を考えていた方は、いますぐ動く価値があります。

補助金申請で失敗しない5つのポイント

ここまでの取材でわかった「群馬でつまずくポイント」を、5つにまとめます。

県は「交付決定前の契約・着工」で失格。市町村は逆に「設置後申請」が多い

群馬県は「県の交付決定前に、施工業者等との契約・工事着工済みの場合は、補助対象外となります」と明記しています。つまり申請→抽選→交付決定→契約→着工の順番です。一方、前橋市と高崎市は設置後(系統連系後)に申請する制度。片品村・長野原町・高山村・嬬恋村は工事着手前に申請。県と市町村でタイミングが真逆になる組み合わせがあります。両方狙うなら、順序設計を業者と詰めてください。

県は「先着」ではなく「抽選」。急いで契約すると逆に失格になる

早く出しても当たりません。むしろ交付決定前に契約すると対象外です。「今月中に契約しないと補助金に間に合いません」という営業トークは、群馬県の補助金に関しては制度の説明として間違っています

蓄電池の単価「14.1万円/kWh」を見積書で必ず自分で割り算する

税抜きの設備費(蓄電池本体+蓄電池用パワコン+工事費)を蓄電容量で割ってください。14.1万円/kWhを1円でも超えたらA事業は全額対象外です。県の公式算出例が、そう明記しています。容量を増やすか、価格を下げるかの交渉材料になります。

市町村の「予算切れ」と「受付終了」を必ず当日に確認する

桐生市は2027年3月まで受付予定だったのに、2026年7月8日に終了しました。長野原町は年間10件の枠です。前橋市は予算残額を公開しています。「去年あったから今年もある」は通用しません。必ず当日の公式ページを見てください。

「国・県・市」の併用可否を、3つとも個別に確認する

県A・県Bとも国費が入った補助(みらいエコ住宅2026・DR補助金など)とは同一設備に併用不可桐生市は「国や県の補助を受けた者」を除外市町村の補助金にも国費が入っている場合があり、その場合は県と併用できない可能性があります。ここは制度が複雑なので、事務局(027-381-8081/027-381-8247)と市町村の担当課の両方に確認するのが確実です。

5つめについて、正直に開示しておきます。「県の補助と市町村の補助が併用できるか」は、市町村ごとの財源によって変わり、僕の側で35市町村すべてについては確認しきれていません。

県のFAQが禁じているのは「国の負担又は補助を得て実施するもの」との併用なので、市町村の一般財源だけで運営されている補助なら併用できるはずですが、断定はできません。

桐生市のように明示的に県を排除している自治体もあります。必ずご自身で両方に確認してください。

前橋の日照は全国3位。ただし4位との差は2.2時間しかありません

ここからは気象の話です。「群馬は日照が全国トップクラス」という説明はよく見ますが、実数で確認してみます。

気象庁の平年値(1991〜2020年)を、県庁所在地の気象官署について僕が1件ずつ取得して並べたのが、次のグラフです。

年間日照時間(気象庁 平年値 1991〜2020年・県庁所在地の気象官署)
甲府(1位)2225.8時間
高知(2位)2159.7時間
前橋(3位)2153.7時間
静岡(4位)2151.5時間
名古屋(5位)2141.0時間
熊谷(10位)2106.6時間
水戸2000.8時間
宇都宮1961.1時間
東京1926.7時間
新潟1639.6時間

※埼玉は気象官署のある熊谷、山口は下関の値。気象庁「平年値(年・月ごとの値)」より筆者が取得

結論。前橋は2,153.7時間で全国3位です。「群馬は日照が多い」は本当でした。

ただし、正確に言うとこうです。4位の静岡(2,151.5時間)との差は、わずか2.2時間。1年で2.2時間、1日あたりにすると22秒です。平年値の差としては、ほぼ誤差の範囲。

だから「群馬は全国3位だから静岡より発電する」という言い方は、実務的には意味がありません。1位の甲府(2,225.8時間)とは72時間の差があり、こちらは約3.3%。これは意味のある差です。

群馬の本当の強みは「1月が年間で最も日照が多い」こと

順位より、こちらのほうがずっと重要です。前橋の月別の日照時間を見てください。

前橋の月別日照時間(気象庁 平年値 1991〜2020年)
1月213.1時間
2月201.2時間
3月211.0時間
4月205.2時間
5月197.4時間
6月138.5時間
7月146.3時間
8月167.7時間
9月134.9時間
10月155.6時間
11月181.0時間
12月202.0時間

※年間最多は1月の213.1時間。最少は9月の134.9時間。前橋は「冬にいちばん晴れる」都市

驚くべきことに、前橋の日照が年間で最も多いのは1月(213.1時間)です。真夏の8月(167.7時間)より45時間も多い。最も少ないのは9月(134.9時間)で、梅雨の6月(138.5時間)がそれに次ぎます。

これがからっ風の正体です。冬の北西季節風が越後山脈で雪を落とし、乾いた風となって関東平野に吹き下ろす。水分を山に置いてきた風なので、群馬の冬は晴れる

同じ風が、山の向こうでは真逆の結果を生みます。

金沢(日本海側)の冬

  • 1月の日照:62.3時間
  • 12月の日照:68.9時間
  • 年間降雪合計:157cm
  • 年間日照:1,714.1時間

VS

前橋(群馬)の冬

  • 1月の日照:213.1時間(金沢の3.4倍)
  • 12月の日照:202.0時間
  • 年間降雪合計:19cm
  • 年間日照:2,153.7時間

1月の日照は、前橋213.1時間に対して金沢62.3時間。3.4倍です。同じ季節風が、越後山脈を挟んで正反対の気象を作っている。太陽光にとって、群馬は圧倒的に有利な側にいます。

実務的な意味も大きい。多くの地域では冬に発電量が落ち込みますが、群馬は冬の発電が落ちにくい。しかも気温が低いとパネルの変換効率はむしろ上がるので、冬晴れとの相性は抜群です。

年間を通じた発電の安定性——これが群馬の本当の強みです。

ただし「群馬県内」の格差は、全国の格差より大きい

ここで冷や水を浴びせるようですが、大事な話です。「群馬は日照3位」という県単位の議論は、群馬に限っては危険です。

群馬県内の年間日照時間(気象庁 平年値 1991〜2020年)
沼田2159.1時間
前橋2153.7時間
館林2087.6時間
中之条1963.6時間
草津1799.7時間
田代1798.1時間
みなかみ1600.2時間
藤原1509.6時間

※前橋2,153.7時間と藤原(みなかみ町)1,509.6時間の差は644時間(1.43倍)。全国1位の甲府と全国最下位クラスの秋田(1,527.4時間)の差(698時間)に匹敵する県内格差

前橋2,153.7時間に対して、藤原(みなかみ町)は1,509.6時間。差は644時間、1.43倍です。

これがどれだけ大きいか。全国1位の甲府(2,225.8時間)と全国最下位クラスの秋田(1,527.4時間)の差が698時間ですから、群馬県内の格差だけで、日本全国の格差にほぼ匹敵します。

644時間前橋と藤原(みなかみ町)の年間日照の差
3.6倍1月の日照の差(前橋213.1h vs 藤原59.7h)
60倍年間降雪量の差(前橋19cm vs 藤原1,152cm)

さらに1月で比べると、前橋213.1時間 vs 藤原59.7時間で3.6倍。冬の藤原は、金沢(62.3時間)よりも日照が少ないのです。

もう1つ面白いのは、沼田(2,159.1時間)が前橋(2,153.7時間)をわずかに上回っていること。「北のほうが日照が少ない」という単純な話ではありません。群馬は山ひとつで気候が変わる県だと理解してください。

だから「群馬だから2,150時間」と考えてシミュレーションすると、みなかみ・片品では3割も外します。お住まいの地域の実データで試算してもらってください。

群馬の雷は「日本一」ではありません。でも夏だけは東京の2.3倍です

群馬といえば雷。「上州名物・かかあ天下とからっ風」に加えて、雷も名物です。ここも実数で確認します。

気象庁の平年値には「雷日数」という項目があります。取得してみて、正直かなり意外でした。

年間雷日数(気象庁 平年値 1991〜2019年)
金沢45.1日
福井37.4日
新潟34.7日
秋田34.3日
富山33.6日
鳥取28.0日
鹿児島27.4日
熊本26.6日
宇都宮26.5日
福岡25.5日
宮崎23.5日
前橋21.8日
熊谷20.2日
水戸17.9日
東京14.5日
甲府14.8日

※年間雷日数の最多は金沢の45.1日。前橋は21.8日で、日本海側や九州より少ない

「群馬は雷が日本一多い」——これは誤りです。

年間雷日数の全国最多は金沢の45.1日。次いで福井37.4日、新潟34.7日、秋田34.3日、富山33.6日と、日本海側が上位を独占しています。前橋は21.8日で、隣の宇都宮(26.5日)にも負けています。

では「群馬は雷が多い」は嘘なのか。そうではありません。月別に分けると、まったく違う絵が見えます。

夏(7月+8月)の雷日数(気象庁 平年値 1991〜2019年)
前橋12.9日
宇都宮12.8日
金沢6.5日
東京5.7日

※7月と8月の合計。年間では金沢45.1日>前橋21.8日だが、夏だけを見ると前橋が金沢の約2倍。金沢の雷は冬季雷(12月8.4日+1月7.9日=16.3日)が主体

これが答えです。夏(7月+8月)の雷日数は、前橋12.9日に対して金沢6.5日、東京5.7日。前橋は東京の約2.3倍、金沢の約2倍です。

日本海側の雷は冬季雷——金沢は12月8.4日+1月7.9日=16.3日と、冬に集中しています。一方北関東の雷は夏の熱雷

前橋の年間21.8日のうち、7月6.0日+8月6.9日=12.9日、実に59%が7〜8月に集中しています。

なぜ「夏の雷」が太陽光にとって厄介なのか

ここが電気工事士として強調したいところです。夏の雷が多いことは、太陽光にとって年間雷日数以上に厄介です。

理由は単純で、7〜8月は発電のピークであり、パワーコンディショナが最も長時間・高負荷で動いている時期だからです。冬に落ちる雷と、パワコンがフル稼働している真夏の午後に落ちる雷では、意味が違います。

!群馬で雷対策として確認すべき4点

パワーコンディショナの雷サージ耐性と、雷保証(メーカー保証や施工店の保証)の有無・条件。特に「直撃雷は免責」となっているケースがあります。何が免責かを必ず書面で確認してください・SPD(サージ保護デバイス/避雷器)を、直流側(パネル〜パワコン間)と交流側(分電盤)の両方に入れるか。片方だけでは誘導雷の経路が残ります・接地(アース)の施工品質。SPDは接地抵抗が高いと本来の性能が出ません。接地抵抗の測定値を記録として残してもらえるか・火災保険・家財保険の落雷補償で太陽光設備がカバーされるか。住宅と一体か別契約かで扱いが変わります

正直に開示しておきます。「メーカー保証で雷がどこまで免責になるか」は、メーカー・機種・年式によって条項が異なり、僕の側で群馬で流通している全機種について確認したわけではありません。

「うちは雷も保証されます」と言われたら、口頭ではなく保証書の免責条項を見せてもらってください。ここを曖昧にする業者は避けたほうがいいと思います。

僕は沖縄の出身で、台風で長時間の停電を経験しました。だから「電気が止まる」怖さは体で知っています。群馬の雷は台風とは種類が違うリスクですが、電気設備にとって現実的な脅威であるという点では同じです。

数字で見れば、夏の群馬は東京の2倍以上、雷にさらされています。

12.9日前橋の夏(7〜8月)の雷日数
2.3倍東京(5.7日)との差
59%前橋の年間雷日数のうち7〜8月が占める割合

からっ風は「基準風速」には表れません。群馬は全国最小の30m/sです

「からっ風が強いから、群馬は架台を頑丈にしないと危ない」——よく見る説明です。これは、半分正しくて半分間違っています。

建築基準法では、風圧力を計算するときに「基準風速(V0)」という値を使います。都道府県・市町村ごとに、平成12年建設省告示第1454号で定められています。全国で30m/sから46m/sまでの範囲です。

群馬県はいくつでしょうか。県の建築課が公式に書いています。

i群馬県の基準風速(県公式)

「平成12年建設省告示第1454号により、建築基準法施行令第87条第2項に規定する群馬県のV0は、次のとおりです。」・V0=30メートル毎秒※これは告示1454号で定められた全国の最小値です。群馬県は全域が30m/s出典:群馬県 風荷重(地表面粗度区分・基準風速)について

群馬県は全域が30m/s。これは告示1454号の全国最小値です。「からっ風で有名な群馬」が、建築基準法上は日本で最も風が弱い区分に分類されている。意外でしょう。

なぜこうなるのか——「一発の最大風速」と「繰り返し」は別物だから

矛盾しているようですが、両方とも正しいのです。

基準風速は「50年に1回程度の再現期待値としての最大風速」を表しています。つまり台風のような「一発の暴風」の大きさです。群馬は内陸で台風が弱まってから到達するため、この値が小さい。

一方、からっ風は季節風です。毎年冬に、何十日も、繰り返し吹く。「一発の最大値」には表れませんが、「累積の回数」では圧倒的に多い。前橋の1月の平均風速は2.8m/s、最多風向は北北西——これがからっ風です。

台風型のリスク(沖縄・九州)

  • 評価指標:基準風速(最大瞬間風速)
  • 群馬の値:30m/s=全国最小
  • 壊れ方:一発で架台ごと飛ぶ・パネルが割れる
  • 対策:架台の強度計算・固定点の増設

VS

からっ風型のリスク(群馬)

  • 評価指標:基準風速には表れない
  • 群馬の値:冬季に繰り返し吹く季節風
  • 壊れ方:ボルトの緩み・金属疲労・シール劣化
  • 対策:定期点検・増し締め・固定部の疲労設計

だから群馬で確認すべきなのは「基準風速に対する強度」ではありません。それは全国最小の30m/sで計算すればいいので、まともな業者なら誰でもクリアします。

群馬で本当に効くのは「繰り返し荷重に対する設計と、その後の点検体制」です。

!群馬(からっ風地域)で業者に聞くべきこと

「基準風速30m/sで計算しています」だけで終わる業者は要注意。それは全国最小値で、群馬では最低ラインです・ボルトの緩み止め(ゆるみ止めナット・ネジロック・皿バネなど)を、どう処理しているか・何年ごとに増し締め・点検に来るか。群馬県は「太陽光発電保守点検事業者」の登録制度を持っており、登録事業者の一覧を公開しています。ここは活用できます・屋根の固定部(アンカー・金具)のシール材が、繰り返しの振動でどう劣化するか。雨漏り保証の年数と条件・地表面粗度区分:群馬県は「1」と「4」を定める区域がなく、建築物の高さ等により「2」または「3」になります(一般の戸建て=高さ13m以下なら「3」)

群馬県が保守点検事業者の登録制度を持っていること自体、この県が「載せて終わり」ではないと考えている証拠です。からっ風の県だからこそ、点検してくれる業者かどうかを選定基準に入れてください。

群馬の雪:垂直積雪量は「市町村名」ではなく「標高」で決まります

雪の話をします。群馬は平野部と北部で、まったく別の県だと思ってください。

まず気象庁のデータで、実態を確認します。

群馬県内の年間降雪の深さ合計(気象庁 平年値 1991〜2020年)
藤原(みなかみ町)1152cm
みなかみ906cm
草津644cm
前橋19cm

※前橋の最深積雪の平年値は11cm、藤原は207cm。同じ群馬県内で降雪量は60倍以上違う

前橋の年間降雪合計は19cm。藤原(みなかみ町)は1,152cm。60倍です。最深積雪も、前橋11cmに対して藤原207cm。前橋は雪国ではなく、藤原は豪雪地帯。同じ県内の話です。

群馬県の垂直積雪量は「計算式」で決まります

ここは長野県で見たのと同じ構造でした。群馬県は、垂直積雪量を市町村名で決めていません。標高を変数にした計算式で決めています。

i群馬県建築基準法施行細則 第18条第3項の垂直積雪量(県公式)

玉村町、邑楽郡…0.3メートル(=30cm。県内で最小)・玉村町、邑楽郡以外の区域…平成12年建設省告示第1455号による数値(下記の計算式)【計算式】d=垂直積雪量(m)、ls=敷地の標準的な標高(m)・渋川市、藤岡市、富岡市、安中市、みどり市、榛東村、吉岡町、上野村、神流町、下仁田町、南牧村、甘楽町、長野原町、嬬恋村、東吾妻町:d=0.0005×標高+0.28みなかみ町(旧水上町):d=0.0052×標高+0.29(係数が10倍以上)・沼田市、中之条町(旧六合村を含む)、草津町、高山村、片品村、川場村、みなかみ町(旧月夜野町、旧新治村)、昭和村:d=0.0019×標高−0.16【多雪区域】上記の垂直積雪量が1メートル以上となる区域。積雪の単位荷重は1cmごとに1平方メートルにつき30ニュートン以上出典:群馬県 積雪荷重(垂直積雪量)・凍結深度について

この式の意味を噛み砕きます。みなかみ町(旧水上町)の係数0.0052は、他地域の0.0005の10倍以上。標高が100m上がるごとに垂直積雪量が52cm増える計算です。

たとえば標高700m前後の藤原地区なら、d=0.0052×700+0.29=約3.9m垂直積雪量約390cmという世界です。1m以上なので当然多雪区域

積雪荷重は1cmあたり30N/㎡以上ですから、390cm×30N=11,700N/㎡(約1.2トン/㎡)の荷重を屋根が支える計算になります。

一方、玉村町や邑楽郡(大泉町・邑楽町・板倉町・明和町・千代田町)は一律0.3m=30cm。渋川市で標高150mならd=0.0005×150+0.28=約0.36m=36cm

同じ群馬県で、30cmと390cm。13倍です。「群馬の雪対策」という一括りの議論に意味がないことがわかると思います。

前橋市・高崎市は、県ではなく市が独自に定めています

もう一段ややこしい話があります。上の県の細則は、群馬県知事が特定行政庁である区域にしか適用されません。自前で建築主事を置いている市は、市の細則で定めています。

i前橋市・高崎市の垂直積雪量(各市公式)

前橋市(建築基準法施行令第86条第3項)・国道353号線以北:告示式による数値・県道34号線及び県道3号線以北で、国道353号線以南40cm又は告示式による数値・その他の区域35cm又は告示式による数値・告示式の係数:α=0.0005、β=−0.06、γ=0.28高崎市(高崎市建築基準法施行細則第24条)・標高140m以下:0.35m(35cm)/標高140m超:告示1455号により算出(α=0.0005、β=0、γ=0.28)・多雪区域=垂直積雪量が1m以上となる区域=標高が1,440m以上の区域

前橋市が「国道353号線以北」「県道34号線及び県道3号線以北」という道路で線を引いているのが面白いところです。赤城山の南麓を、道路で標高帯に切っているわけですね。

同じ前橋市内でも、赤城山側と平野部で条件が違います。

高崎市の「多雪区域=標高1,440m以上」も示唆的です。高崎市の住宅地でこの標高はまずないので、高崎市内の住宅で多雪区域を気にする必要は実質ありません。榛名山の山頂(1,449m)レベルの話です。

!群馬で雪について確認すべきこと

お住まいの標高を、まず調べてください。国土地理院の地図閲覧サービスで確認できます。群馬では市町村名ではなく標高が答えを決めます・みなかみ町は旧町村で式が違います。旧水上町(係数0.0052)と、旧月夜野町・旧新治村(係数0.0019)では結果がまったく変わります。中之条町も旧六合村だけ別扱いです・北海道は無落雪屋根(雪を落とさない設計)、新潟は落雪前提と、県によって設計思想が正反対です。群馬県の細則には「自然落雪による低減」の条文は見当たりませんでした。群馬北部でどちらの設計が主流かは、地元業者に必ず確認してください(ここは僕も断定できません)・問い合わせ先は「建設場所を所管している市役所や各土木事務所」と県が案内しています。パネルを載せる前に、その屋根が何cmの積雪で設計されているかを確認しておく価値があります

東京電力エリアの出力制御は、住宅用なら「対象外」です

群馬県は東京電力パワーグリッドのエリアです。ここで気になるのが「出力制御」——発電しすぎたときに、電力会社の指示で発電を止められる制度です。

結論から言うと、住宅用(10kW未満)は制度上そもそも対象外です。

東京電力パワーグリッドの公式(出力制御機能付PCS等の設置対象)

・太陽光 契約容量10kW未満 → 不要(対象外)・太陽光 契約容量10kW以上 → 必要(対象)・蓄電池 契約容量10kW未満 → 不要(対象外)/10kW以上 → 必要(対象)※「いわゆるFIT制度の『屋根貸し』は、全量配線の10kW未満を複数集約し、10kW以上としていることから、対象となります」出典:東京電力パワーグリッド 出力制御について

一般のご家庭が1件、10kW未満を設置する分には出力制御機能付きパワコンの設置義務すらありません。中国電力エリア(住宅用は対象外)と同じ扱いで、東北電力エリア(10kW未満も制度上「対象」)とは違います。

10kW以上でも、東電エリアの制御率はほぼゼロです

ついでに、10kW以上の場合も確認しておきます。東京電力パワーグリッドが2025年12月24日に公表した2026年度の出力制御見通しによると——

0.029%東電エリアの2026年度出力制御率(全設備)
0.061%制御対象設備計での制御率
6.1%九州電力エリアの実績(2024年度)

東電エリアの2026年度出力制御見込みは、全設備で0.029%(太陽光0.030%)。制御対象設備だけで見ても0.061%です。年間827万kWhという数字ですが、エリア全体の発電量からすれば誤差の範囲。

九州電力管内が2024年度に6.1%だったことを考えると、東電エリアは実質ゼロです。しかも見通しの算定は「太陽光は10kW以上」を対象としたもので、住宅用はそもそも入っていません。

群馬で住宅用太陽光を検討するなら、出力制御は判断材料にしなくて構いません。「出力制御が心配で」と迷っている方がいたら、それは群馬では杞憂です。

群馬県の条例で、戸建て住宅が義務化されることはありません

ここは競合サイトがほとんど触れておらず、そのぶん誤解が広がっている論点です。はっきりさせておきます。

群馬県には「2050年に向けた『ぐんま5つのゼロ宣言』実現条例」があり、太陽光発電設備等の導入義務を定めています。都道府県としては京都府に次ぐ動きで、当時は先進的な取り組みでした。

ただし義務の対象は、一般の戸建て住宅ではありません。

i群馬県の再エネ導入義務の対象(県公式)

【設置義務】特定建築主による再生可能エネルギー設備の導入義務付け・「特定建築主(延床面積2,000平方メートル以上の建築物を新築、増築又は改築しようとする者)に、再生可能エネルギー設備の導入を義務付けています。」・導入量:「1年当たり60メガジュールに当該特定建築物の床面積の合計の平方メートルで表した数値を乗じて得た量以上」・例外:建築面積が150平方メートル未満の場合/日中に日陰になるなど自然条件等により導入が困難と県が認めた場合【説明義務】特定建築物の設計者による導入説明・「特定建築物(延床面積2,000平方メートル以上)の設計時に、特定建築物の設計者が特定建築主へ再生可能エネルギー設備の導入等についてご説明いただく制度です。」出典:群馬県 特定建築主による再生可能エネルギー設備の導入義務付け同 特定建築物の設計者による再生可能エネルギー設備等の導入説明

2,000平方メートル。一般的な戸建て住宅は100〜130平方メートル前後ですから、15倍から20倍の規模です。スーパーや中規模のオフィスビル、工場のレベル。

戸建て住宅は、設置義務も設計者の説明義務も、まったく対象外です。

京都府や東京都と比べると、群馬の義務はむしろ「狭い」

他の自治体と比べると、群馬の位置づけがはっきりします。

よくある誤解

  • 群馬は全国初の太陽光義務化の県
  • 群馬で家を建てるなら太陽光は必須
  • 群馬県は住宅にも義務を課している
  • 義務化されるほど群馬は太陽光に本気

VS

2026年の実際

  • 京都府に次ぐ動き。「全国初」ではない
  • 義務は延床2,000平方メートル以上のみ
  • 戸建て住宅は設置義務も説明義務も対象外
  • 本気なのは事実だが、住宅は「補助と共同購入」で後押しする立場

京都府には特定建築物(2,000平方メートル以上)に加えて、準特定建築物(300平方メートル以上)という中間の区分がありました。群馬県にはこの300平方メートルの階層がありません。

つまり群馬の義務は京都より対象が狭いのです。

そして、実際に戸建て住宅に義務を課しているのは東京都です(大手ハウスメーカー等の供給事業者に対する制度で、2025年4月開始)。群馬県ではありません。

「群馬は義務化の県だから、うちも太陽光を載せないといけないんですよね?」と聞かれたら、答えは「いいえ、戸建ては対象外です」です。載せるかどうかは、あくまで損得と好みで決めていい。義務ではありません。

設置費用の相場と、群馬で失敗しない見積もりの取り方

群馬県の設置費用の相場は全国とおおむね同じで、1kWあたり約27〜30万円。住宅用の5kWで135〜150万円、蓄電池10kWhで約130〜145万円が目安です。

ただし群馬では、価格交渉に他県にはない「武器」があります。

群馬で費用を抑える5つの方法

蓄電池は「14.1万円/kWh」を交渉の基準線にする。県の補助要件がこの単価なので、「県の補助を取りたいので、10kWhなら141万円(税抜)以内に収めてください」と言えます。行政が決めた根拠のある価格交渉ができるのは群馬の強みです・群馬県の共同購入事業を「当て馬」に使う。県は住宅用太陽光発電設備及び蓄電池等の共同購入事業(令和8年度の支援事業者はアイチューザー株式会社)を実施しており、参加登録は2026年4月30日〜12月1日。まず登録して価格を出させ、それを基準に他社と比べる手が使えます。ただし県は「本事業は、契約及び施工後に群馬県が公的な補償等を行う事業ではありません」と明記しています・市内業者しばりのある自治体(前橋市・榛東村)では、しばりの外の業者と比べて損得を計算する。前橋市の補助は太陽光3万円+蓄電池5万円=最大8万円。市外業者が8万円以上安いなら、補助を捨てたほうが得です・太田市は7kWの壁を意識する。6.9kWと7.0kWで報奨金が2万円変わります・補助金がない・薄い自治体(富岡市・高崎市・大泉町・草津町・下仁田町・南牧村・神流町)ほど、価格勝負の価値が大きい

特に富岡市・草津町・下仁田町・南牧村・神流町にお住まいの方は、市町村の補助がほぼ期待できないので、完全に価格勝負になります。

同じ設備でも業者によって数十万円の差が出るので、複数社の提案・価格・保証を並べて比べるのがいちばん確実です。

逆に片品村・長野原町・嬬恋村のような手厚い自治体でも、「工事前申請」「先着」「年間10件」といった条件をさばける業者かどうかで結果が変わります。「補助金の実務に慣れているか」も、群馬では重要な業者選定基準です。

☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光発電の費用・相場20261kWあたり単価・容量別・内訳・費用を抑える方法を、電気工事士が数字で解説しています。

☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光・蓄電池の補助金2026国・自治体の補助金の仕組み、DR補助金の終了、申請の流れと注意点を電気工事士が解説しています。

SOL|電気工事士SOL|電気工事士

群馬を調べていて、いちばん驚いたのは「前橋は1月がいちばん晴れる」というデータでした。213.1時間。真夏より45時間も多い。からっ風って、太陽光にとってはご褒美だったんですね。一方で、県の補助金が130件程度の抽選で、しかもFIT売電を捨てる必要があるというのは、正直かなり厳しい設計だと思います。競合サイトが足し算している「県+市+国60万円」は、群馬では成立しません。僕は沖縄の出身で、台風で長時間の停電を経験しました。だから蓄電池の価値は身にしみて理解しています。群馬なら「すでに太陽光がある家が、県のB事業で蓄電池を足す」——これがいちばん筋がいい選択に見えます。400件枠で、FITも捨てなくていい。締切は7月20日17時です。

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「我が家だとどのくらい発電して、何年で元が取れるか」を、下のシミュレーターで試してみましょう。地域・容量・電気代を入れるだけで目安が出ます。

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お住まいの地域と条件を選ぶと、初期費用・年間の経済効果・回収年数の目安が自動で計算されます。

群馬は日照が全国3位で、しかも冬に落ち込まないため、シミュレーション通りの結果が出やすい地域です。前橋・高崎・太田といった平野部なら、積雪ロスもほぼありません(前橋の年間降雪合計は19cm)。

ただし、みなかみ町・片品村・草津町にお住まいの方は、この数字をそのまま使わないでください。藤原の年間日照は1,509.6時間で、前橋より644時間少ない。積雪も1,152cmあります。

県北の方は、必ず地元の実データで試算してもらってください。

群馬県の太陽光・補助金でよくある質問

群馬県の太陽光の補助金は、いくらもらえますか?

群馬県からは太陽光7万円/世帯+蓄電池は補助対象経費の1/3が出ます。ただし2026年度は先着順ではなく抽選で、個人枠は太陽光+蓄電池のA事業が130件程度、蓄電池のみのB事業が400件程度です。受付は2026年6月29日9時から7月20日17時まで。これに加えてお住まいの市町村の補助が使えます。市町村分だけで見ると、いちばん手厚いのは片品村(太陽光5万円/kW・上限25万円+蓄電池5万円/kWh・上限25万円=最大50万円)、次いで長野原町・嬬恋村(各40万円)。県庁所在地の前橋市は太陽光3万円+蓄電池上限5万円、高崎市は太陽光の上限4万円のみです。富岡市には市独自の住宅用補助がありません。

群馬県の補助金は先着順ですか?

いいえ、抽選です。群馬県の公式ページには「書類不備がない交付申請書を全て抽選対象とします。予算額の範囲内で当選者を決定し(県ホームページで当選者分の申請者番号を公表します。)」と明記されています。早く申請しても当選確率は上がりません。むしろ「県の交付決定前に、施工業者等との契約・工事着工済みの場合は、補助対象外となります」とあるので、急いで契約すると失格になります。申請→抽選→交付決定→契約→着工の順です。

群馬県の補助金と、国のDR補助金60万円は併用できますか?

できません。理由は2つあります。1つめ、国のDR補助金(家庭用蓄電池・最大60万円)は2026年5月29日に予算到達で受付を終了しており、SII公式が「公募の再開を行う予定はありません」と明記しています。2つめ、そもそも群馬県が公式FAQで「Bの補助金と、B以外の補助金等で国の負担又は補助を得て実施するもの(例:DRリソース導入のための家庭用蓄電システム導入支援事業(経済産業省))を、同一の交付対象設備に対して併用することはできません」と明記しています。A事業についても同様に、みらいエコ住宅2026事業との併用を名指しで禁じています。大手サイトはいまだに「国のDR補助金60万円も併用可能」として合計額を出していますが、これは誤りです。

群馬県では太陽光の設置が義務なのですか?

一般の戸建て住宅は義務の対象ではありません。群馬県の「2050年に向けた『ぐんま5つのゼロ宣言』実現条例」で設置義務の対象になるのは、特定建築主(延床面積2,000平方メートル以上の建築物を新築・増築・改築しようとする者)です。設計者による説明義務も同じく2,000平方メートル以上が対象。一般的な戸建ては100〜130平方メートル前後なので、まったく対象外です。京都府には準特定建築物(300平方メートル以上)という中間区分がありますが、群馬県にはそれもありません。戸建て住宅に義務を課しているのは東京都です。

群馬県の補助金を取ると、売電できなくなるのですか?

FIT・FIP制度による売電はできなくなります。県の要件に「FIT制度又はFIP制度による売電を行わないものであること」「(個人の場合)発電される電力が、導入場所の敷地内の住宅で30%以上使用(自家消費)されるものであること」と明記されています。非FITの相対買取契約であれば余剰電力を売ること自体は可能ですが、単価は概ね一桁〜10円台前半で、契約先によっては買取を受けてもらえない場合もあります。2026年度のFIT価格は10kW未満で1〜4年目24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhと前半が手厚くなったため、太陽光単体で7万円のために売電を捨てるのは多くの家庭で割に合いません。蓄電池も同時に入れるなら、蓄電池の1/3が乗るので県の補助が有利になりえます。必ず両方のプランを試算して比べてください。

群馬は太陽光でよく発電しますか?

よく発電します。前橋の年間日照時間は2,153.7時間(気象庁の1991〜2020年平年値)で、県庁所在地ベースでは甲府(2,225.8時間)、高知(2,159.7時間)に次ぐ全国3位です。ただし4位の静岡(2,151.5時間)との差は2.2時間しかなく、実質的には誤差の範囲です。群馬の本当の強みは順位ではなく「冬に晴れる」こと。前橋は1月の日照が213.1時間で年間最多、8月(167.7時間)より45時間も多いという珍しい都市です。からっ風のおかげで、冬でも発電量が落ちにくい地域です。

群馬県内なら、どこでも同じくらい発電しますか?

いいえ、大きく違います。気象庁の平年値では、前橋2,153.7時間・沼田2,159.1時間・館林2,087.6時間に対して、みなかみ1,600.2時間・藤原(みなかみ町)1,509.6時間です。前橋と藤原の差は644時間、1.43倍。これは全国1位の甲府と全国最下位クラスの秋田(1,527.4時間)の差(698時間)にほぼ匹敵する県内格差です。1月で比べると前橋213.1時間に対して藤原59.7時間で3.6倍の差。「群馬だから2,150時間」という前提でシミュレーションすると、県北では3割外します。

からっ風が強いので、パネルが飛ばないか心配です

建築基準法上の基準風速で言えば、群馬県は全域がV0=30m/sで、これは平成12年建設省告示第1454号の全国最小値です(群馬県建築課が公式に明記)。台風のような「一発の暴風」に対しては、群馬は日本で最も条件が良い区分です。ただし、からっ風は基準風速には表れません。毎年冬に繰り返し吹く季節風なので、リスクの出方が「一発で飛ぶ」ではなく「ボルトの緩み・金属疲労・シール劣化」という形になります。だから群馬で確認すべきは強度計算ではなく、ゆるみ止めの処理と、何年ごとに増し締め・点検に来るかです。群馬県は「太陽光発電保守点検事業者」の登録制度を持ち、登録事業者の一覧を公開しているので活用してください。

群馬は雷が多いと聞きますが、太陽光は大丈夫ですか?

「群馬は雷が日本一」というのは誤りです。気象庁の平年値で年間雷日数の全国最多は金沢の45.1日で、福井37.4日・新潟34.7日と日本海側が上位。前橋は21.8日で、隣の宇都宮(26.5日)より少ないです。ただし夏に限れば話は逆で、7月+8月の雷日数は前橋12.9日に対して金沢6.5日・東京5.7日。前橋は東京の約2.3倍です。日本海側の雷は冬季雷ですが、北関東は夏の熱雷。7〜8月は発電のピークでパワコンがフル稼働している時期なので、実務的にはこちらのほうが厄介です。パワコンの雷サージ耐性、SPD(避雷器)を直流側・交流側の両方に入れるか、接地抵抗の測定値、そして雷保証の免責条項(直撃雷が免責になっているケースがあります)を、書面で確認してください。

みなかみ町や片品村は雪が心配です。積雪はどう考えればいいですか?

群馬の垂直積雪量は市町村名ではなく標高で決まります。群馬県建築基準法施行細則第18条第3項では、玉村町・邑楽郡は0.3m(30cm)固定、それ以外は平成12年建設省告示第1455号の計算式で算出します。みなかみ町(旧水上町)はd=0.0052×標高+0.29と係数が他地域(0.0005)の10倍以上で、標高700m前後なら垂直積雪量は約3.9m=390cmになります。沼田市・中之条町(旧六合村含む)・草津町・高山村・片品村・川場村・みなかみ町(旧月夜野町・旧新治村)・昭和村はd=0.0019×標高−0.16です。垂直積雪量が1m以上なら多雪区域で、積雪の単位荷重は1cmごとに1平方メートルにつき30ニュートン以上。気象庁の平年値では藤原の年間降雪合計が1,152cm・最深積雪207cmに対し、前橋は19cm・11cm。同じ県内で60倍違います。まず国土地理院の地図で自宅の標高を調べ、所管の市役所か土木事務所に確認してください。

東京電力エリアの出力制御は心配ですか?

住宅用(10kW未満)なら心配は要りません。東京電力パワーグリッドの公式ページでは、太陽光の契約容量10kW未満は出力制御機能付きパワコン等の設置対象が「不要(対象外)」と明記されています。10kW以上でも、東京電力パワーグリッドが公表した2026年度の出力制御見通しは全設備で0.029%(太陽光0.030%)、制御対象設備計でも0.061%とほぼゼロです。九州電力エリアの6.1%(2024年度)とはまったく違う水準なので、群馬では出力制御を判断材料にしなくて構いません。

桐生市の蓄電池補助はまだ使えますか?

使えません。桐生市の「環境都市推進補助金(蓄電池設備設置補助)」は、当初2027年3月12日までの受付予定でしたが、市の公式ページに「令和8年7月8日に予算の上限に到達したため、受付を終了いたしました。」と明記されています。なお桐生市は太陽光発電設備そのものへの補助を実施しておらず、蓄電池についても「蓄電池の設置に関して国や県の負担及び補助を受けた者」を除外要件としているため、そもそも群馬県の補助との併用はできませんでした。「県の7万円+桐生市の5万円」という説明を見かけたら、二重に誤りです。

群馬県は東京ガスの対応エリア。大手にまとめて相談する選択肢も

群馬県は、東京ガスが太陽光・蓄電池を提供する関東7都県のひとつです。ここまで補助金や相見積もりの話をしてきましたが、「複数社を自分で探して比較するのは大変」「大手にまとめて相談したい」という方は、電気・ガスでなじみのある東京ガスに相談する選択肢もあります。ただし申し込む前に、次の点は知っておいてください。

!東京ガスを検討する前に知っておきたいこと

・対応は関東7都県のみ(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬)・公式に「地域や条件により、提携の販売施工店が施工する場合がある」と明記(=必ずしも東京ガスが施工するとは限らない。保証は施工店の規定に)・1981年以前に着工した住宅・建築中の新築・狭小屋根・影のかかる屋根は対象外・1社の提案になるので、可能なら一括見積もりと相見積もりして価格の妥当性を確かめると安心

まとめ:群馬は「抽選に賭けるか、FITを取るか」を先に決める県です

群馬県を35市町村まで調べて、いちばん強く思ったのはこれです。群馬は他県より一段、判断が複雑です。

他の多くの県は「国+県+市を全部申請すればいい」で終わります。群馬はそうなっていません。県の補助は抽選で、国とは併用できず、FIT売電も捨てることになる。だから「申請するかどうか」自体が戦略判断になります。

群馬県での判断を、3行にまとめると

すでに太陽光がある家:迷わず県のB事業(蓄電池のみ・400件枠)を狙ってください。FITを捨てる話にもならず、いちばん筋がいい。締切は7月20日17時これから太陽光だけを載せる家県の7万円は追わず、FIT(1〜4年目24円)と市町村の補助を取るほうが、多くの場合は得です・太陽光+蓄電池を同時に入れる家抽選(130件程度)に賭ける価値はあります。蓄電池の1/3が乗るので、FITを捨てても十分にお釣りが来ます。ただし蓄電池の単価を14.1万円/kWh以下に収めること

そして気象について。前橋の日照は全国3位(2,153.7時間)で、1月が年間で最も晴れる。からっ風は太陽光にとって敵ではなく、味方です。基準風速も全国最小の30m/s。

群馬の平野部は、日本でもかなり恵まれた土地だと思います。

気をつけるべきは夏の雷(東京の2.3倍)と、県内の激しい格差——日照で644時間、降雪で60倍。「群馬だから」ではなく「うちの標高だから」で考えてください。

あとは相見積もりで、補助金の実務に慣れた業者を見極めるだけです。群馬なら「蓄電池を14.1万円/kWh以下で出してください」という、行政が決めた根拠のある交渉ができます。

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