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長野県の太陽光発電・蓄電池|2026年の補助金・発電量・相場と見積もりのコツ

結論:長野県の補助金は「国+県+市町村」の3階建てですが、県の階を使うには『県内に本店を置く認定事業者』との契約が絶対条件です。しかも県は完成後に申請、市町村は着工前に申請。順番を間違えると片方が消えます

長野県で太陽光・蓄電池を検討するなら、次の5つを先に押さえてください。
・県の「クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金」(15〜65万円)は、「信州の屋根ソーラー認定事業者」との販売契約が必須。認定の要件は「県内に本店を置く者であること」で、2026年7月13日時点で318社。県外に本店がある会社は、長野に支店があっても認定を受けられません
県は「工事完了から30日以内」の事後申請。一方、上田市・松本市・佐久市など多くの市町村は「着工前の交付決定」が必須。順番が真逆です
・金額の差は147.5万円伊那市は太陽光14万円/kW(上限70万円)+蓄電池77.5万円まで。一方長野市・軽井沢町・南箕輪村は制度そのものがゼロ
飯山市(太陽光10万円/kW・上限50万円)は2026年7月3日に受付終了。他サイトはまだ「使える」と載せています
・国の蓄電池DR補助金は2026年5月29日に受付終了。「国から最大60万円」はもう使えません

「長野で太陽光をつけたら、補助金はいくらもらえるの?」——結論から言うと、住んでいる市町村しだいで147.5万円の差がつきます。

僕は電気工事士として電気設備に関わりながら、太陽光や蓄電池についても普段から調べ、相談を受けています。太陽光を売る立場ではないので、都合の悪いことも書きます。

この記事では、長野県内24市町村の制度を公式サイトと交付要綱で1件ずつ確認して整理しました。2026年7月時点の実際の情報です。

先に、長野でいちばん大事な注意をしておきます。県の補助金には「信州の屋根ソーラー認定事業者」との契約が必須で、その認定要件は「県内に本店を置く者であること」です。

つまり全国展開の大手に頼むと、長野県の補助金は1円も出ません。一括見積もりを使うときも、ここだけは必ず確認してください。

147.5万円伊那市の上限(太陽光70万+蓄電池77.5万)
318社信州の屋根ソーラー認定事業者(2026年7月13日時点)
0円長野市・軽井沢町・南箕輪村

長野県の補助金は「国・県・市町村」の3階建て。ただし県の階には関門が3つあります

まず全体像から。京都府や福岡県のように「県への直接申請が存在しない」県もありますが、長野県には県に直接申請する補助金が実在します

それが「クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金」(長野県環境部ゼロカーボン推進課 026-235-7255)。旧「既存住宅エネルギー自立化補助金」の後継です。

令和8年度分は2026年4月22日に受付開始。今年度からEV・PHVへの補助が新設され、組み合わせによって9タイプに分かれます。

組み合わせ 補助額 備考
太陽光+蓄電池 20万円 いちばん多い王道パターン
太陽光+V2H 25万円 EVを持っている人向け
太陽光+蓄電池+V2H 40万円 フル装備
蓄電池のみ 15万円 太陽光を設置済みの人限定
V2Hのみ 20万円 太陽光を設置済みの人限定
蓄電池+V2H 35万円 太陽光を設置済みの人限定
太陽光+EV等 30万円 令和8年度から新設
EV等のみ 25万円 太陽光を設置済みの人限定
EV等+上記の組み合わせ 40〜65万円 最大は太陽光+蓄電池+V2H+EV

金額の内訳は交付要綱の第6条にあります。太陽光5万円・蓄電池15万円・V2H20万円・EV等25万円を足し算しているだけです。だから太陽光+蓄電池+V2H+EVで5+15+20+25=65万円になります。

関門1:認定事業者は「県内に本店」。大手は原則アウトです

ここが長野で最大の分かれ道です。県の補助を受けるには、「信州の屋根ソーラー認定事業者」との販売契約が必要です。

!信州の屋根ソーラー事業者認定制度の認定要件(県公式・原文)

「2 認定の要件 以下のすべてに該当する必要があります。(1)県内に本店を置く者であること。(2)県内において、次のいずれかの普及実績を有すること。(中略)※実績を有しない場合、普及実績のある認定事業者2者から推薦を受ければ、登録が可能です。(3)住宅用太陽光発電システムの販売、施工、維持管理等を行う際には、法令等を遵守し、顧客に対する十分な説明を行った上で、適切な対応を行う者であること。」出典:長野県 信州の屋根ソーラー事業者認定制度(2026年7月13日更新/ゼロカーボン推進課 026-235-7341)

「県内に本店」という一文が重い。長野に営業所や支店があるだけの全国チェーンは、認定を受けられません。認定番号を数えると、2026年7月13日時点で318社。すべて県内に本店を置く地元事業者です。

県のQ&Aも理由をはっきり書いています。「本補助金は、地元に根ざし、顔の見える事業者が、提供する製品やサービスに関して適切に説明しながら設備等の販売を行うことにより、太陽光発電の普及拡大を目指す制度です」と。

関門2:環境省の「うちエコ診断」を受けていないと申請できません

2つめは環境省「うちエコ診断」(WEB版)の受診。診断結果を申請書に添付します。

費用は無料で、WEBで完結します。県のQ&Aによれば「ゼロカーボンの取組は、自然エネルギーを創り出すだけでなく、エネルギー消費を抑えることも重要」だから、というのが理由です。

関門3:既存住宅だけ。新築・建て替えは対象外です

3つめが見落とされがちです。県の補助は既存住宅(すでに人が居住している住宅)が対象で、新築は使えません。

!県のQ&Aで明示されている「対象外」(原文)

・「住宅を建て替える場合は新築となるため対象外です。増築、減築、改修に伴う設備導入であれば、対象となり得ます。」・「リース方式やPPA方式による設備の設置は補助金の対象となりますか。→ 太陽光発電システム、蓄電池及びV2Hは対象となりません。電気自動車等の場合は、リースは対象となります。」・「設備の更新や増設は対象となりません。」(既設パネルの載せ替え・追加はNG)・「知人から有償で譲り受けたものや、中古のものは補助金の対象となりますか。→ 対象となりません。」・「太陽熱利用機器と蓄電池を同時に導入する場合は補助金の対象となりますか。→ 対象となりません。太陽光発電設備と併せて導入することが必要です。」出典:クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金 Q&A(PDF)(R8.4.22現在)

他サイトでは「太陽光単体は補助対象外」とだけ書かれがちですが、実際に外れるのは新築・建て替え・リース/PPA・更新/増設・中古と、かなり広い範囲です。

とくに0円ソーラー(PPA)で検討中の方は、県の補助が一切使えません。ここは事前に知っておかないと、話が進んでから気づくことになります。

☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光・蓄電池の補助金2026国・自治体の補助金の仕組み、DR補助金の状況、申請の流れと注意点を電気工事士が解説しています。

長野で最大の落とし穴:県は「完成後に申請」、市町村は「着工前に申請」。順番が真逆です

ここが、僕が長野県を調べていていちばん驚いた点です。県と市町村で申請のタイミングが正反対なんです。

県の様式の名前を見てください。「交付申請書兼実績報告書兼補助金交付請求書(様式第1号)」。申請・報告・請求が1枚になっています。

i長野県の交付要綱 第7条(原文)

「第7条 補助金の交付を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、補助事業が完了した日から起算して30日を経過した日又は補助事業が完了した日の属する年度の3月12日のいずれか早い日までに、次の各号に掲げる事業ごとに定める書類を知事に提出しなければならない。」出典:クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金交付要綱(PDF)

つまり県は「工事が終わってから30日以内」に申請します。着工前の交付決定はありません。工事完了日が5月1日なら5月30日が期限、という運用です。

ところが市町村は逆。上田市は「事前着工は補助金の対象外」、箕輪町は「契約や着工の前に交付申請をし、交付決定を受けていただく必要があります」、佐久市も「交付決定後の着工」が条件です。

長野県の補助金

  • 申請=工事完了から30日以内(事後)
  • 交付決定を待つ必要はない
  • 着手=販売契約の締結。契約から7日以内に認定事業者が県へ着手報告
  • 同じ年度内に着手して2月末までに完了が必要

VS

多くの市町村の補助金

  • 申請=契約・着工の前(事前)
  • 交付決定を受けるまで着工できない
  • 決定まで2週間前後かかる自治体が多い
  • 1日でも早く着工すると全額アウト

この2つを両方使いたいなら、動く順番はひとつしかありません。市町村の交付決定を待ってから契約・着工し、工事が終わったら県に申請する——この順です。

1. うちエコ診断(WEB版)を受ける

無料。県の申請に診断結果の添付が要ります。工事の前でも後でも構いませんが、忘れるとここで詰まるので最初に済ませるのが安全です。

2. 認定事業者を含めて複数社から見積もりを取る

「県内に本店を置く」318社の中から選びます。この時点で県外大手を選ぶと、県の20万円が消えます。

3. 市町村に交付申請する(契約・着工の前)

上田市・松本市・佐久市・安曇野市・塩尻市・伊那市・箕輪町など多数が着工前必須。交付決定まで2週間前後かかります。

4. 市町村の交付決定通知を受け取ってから契約・着工

ここで焦って先に契約すると市の補助がゼロになります。業者に「決定通知が来るまで契約は待ってください」と伝えてください。

5. 認定事業者が県に着手報告(契約から7日以内)

県のForms入力です。これは事業者側の作業ですが、やってくれているか確認しておくと安心です。

6. 工事完了 → 30日以内に県へ申請

県税の納税証明書(3か月以内)と住民票が要ります。県税事務所での取得に時間がかかるので早めに。

ちなみに飯田市だけは市も事後申請です。「令和8年3月1日以降かつ交付申請以前に事業を完了」と明記されていて、県と同じく完成後に申請します。同じ県内でここまでバラバラなのは、なかなかありません。

長野の市町村補助は3つの型に分かれます。混ぜて比較すると必ず間違えます

24市町村を1件ずつ読んで分かったのは、長野の市町村補助がまったく設計思想の違う3つの型に分かれることでした。金額だけを横並びにすると、この違いが消えて誤解が生まれます。

長野県の市町村補助 3つの型
A型:県補助への上乗せ(茅野市・富士見町・原村)→ 県補助が前提。太陽光単独は対象外B型:市町村の独自補助(上田・松本・佐久・安曇野・塩尻ほか)→ 着工前申請。県と素直に併用可C型:脱炭素先行地域型(伊那市・箕輪町)→ 金額が桁違い。ただしFIT不可+売電先が指定

A型:県の補助が「前提条件」。県がダメなら町の分も出ません

茅野市・富士見町・原村の3つは、県の補助を受けたことが交付条件です。単独では成立しません。

富士見町は「太陽光発電システム単独の設置では補助金の対象とはなりません」と明記。原村も「長野県・原村それぞれに申請が必要」としています。

iA型の実際の動き方(茅野市の例)

茅野市の対象者は「長野県クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金を活用して太陽光発電システム及び蓄電システムの設置事業を実施した茅野市内に居住する方」。補助額は施工業者の所在地で変わります。・市内に事業所を有する認定事業者が設置:太陽光+蓄電池で最大10万円/蓄電池のみで最大5万円・市外に事業所を有する認定事業者が設置:太陽光+蓄電池で最大5万円/蓄電池のみで最大2.5万円※つまり同じ工事でも、市内業者を選ぶと2倍です。出典:茅野市 既存住宅に対する屋根ソーラーと蓄電池の設置を支援します(ゼロカーボン推進室 0266-72-2101 内線272)

A型は申請も事後です。県の交付が確定してから町に出します。ただし県側が「完成後30日以内」なので、実質は工事前から段取りを組まないと間に合いません

B型:市町村の独自補助。着工前申請が絶対条件

いちばん数が多いのがB型。上田市・松本市・佐久市・安曇野市・塩尻市・千曲市・辰野町・飯綱町・山ノ内町・白馬村などです。

県の補助とは別建てで、多くが「県の補助金との併用は可能」と明記しています。ただし着工前の交付決定が必須。ここを外すと全額飛びます。

C型:脱炭素先行地域型。金額は破格だが、売電先まで指定されます

伊那市と箕輪町だけ、金額の桁が違います。理由ははっきりしていて、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」が原資だからです。

伊那市は自ら「この補助事業は、環境省が令和4年度に創設した『地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)』に採択された事業です」と書いています。事業名は「伊那から減らそうCO2!!促進事業」。

!C型の代償:この3点セットは絶対に見落とさないでください

FIT・FIP認定を取得できません(伊那市要綱・箕輪町の申請前確認事項に明記)。売電の固定価格保証は使えなくなります・余剰電力の売電先が指定されます。伊那市は買取契約者が「ICT伊那みらいでんき」、箕輪町は「町長が指定する小売電気事業者」。売り先を自分で選べません・国/国庫が財源の県補助とは併用不可(箕輪町の手引きに明記)・伊那市は自家消費30%以上(既存住宅)が要件。箕輪町も同様です出典:伊那市太陽エネルギー利用設備設置補助金交付要綱箕輪町ゼロカーボン推進補助金

「10万円/kW」「14万円/kW」という数字だけを他の自治体と並べると、確実に誤誘導になります。C型はお金の代わりに、売電の自由を差し出す制度だと理解してください。

【一覧】長野県内24市町村の太陽光・蓄電池 補助金(2026年度)

公式サイトと交付要綱で1件ずつ確認しました。金額の大きい順に並べています。制度がない自治体も、隠さず載せています。横にスクロールできます。

市町村 太陽光の補助 蓄電池の補助
伊那市 14万円/kW(上限70万円)※県内最高単価。FIT/FIP認定不可・自家消費30%以上・売電先はICT伊那みらいでんき指定 本体価格の1/2または7.75万円/kWhの少ない額(上限77.5万円)※合計最大147.5万円。R8は6/1受付開始
箕輪町 10万円/kW(上限100万円)※FIT/FIP認定不可・売電先は町長指定。残2,839.6万/4,000万(7/9時点) セット時A+Bで最大42万円/単独10万円※セット枠は残420万/840万=半分消化(7/9時点)
飯山市 10万円/kW(上限50万円)※【2026年7月3日に受付終了】予算1,998万円に到達 10万円/kWh(上限50万円)※同じく受付終了。市内業者限定・経費の1/2が上限
飯綱町 5万円/kW(上限25万円)※10kW未満・余剰売電機能付き・法人不可(個人限定) 2万円/kWh(上限10万円)※太陽光と連結必須・ZEH登録品。国県との併用可否は記載なし
松本市 5万円/kW(上限20万円)※市内に本店・支店・営業所を有する事業者への発注が条件 20万円/件※V2H20万円・EV20万円。工事完了から180日以内に申請。県・国と併用可
佐久市 既築3万円/kW(上限20万円)/新築1万円/kW(上限10万円)※全量売電は対象外 上限10万円※予算4,000万円・着工前の交付決定必須・審査に約20日
安曇野市 既築3万円/kW(上限20万円)/新築1万円/kW(上限10万円) 上限10万円※EV10万円・V2H7.5万円。着工2週間前までに申請。県と併用可。残1,301.1万円(7/10時点)
山ノ内町 3万円/kW(上限15万円)※10kW未満・売電機能付き・先着順 経費の1/10以内(上限10万円)※4kWh以上・国県と併用可。R8年度の明示なし=要確認
白馬村 3万円/kW(上限12万円)※着工前申請必須・中古品不可。R8年度予算の有無は要確認 なし※要綱・ページとも記載なし。別制度のゼロエネ住宅補助はR8受付停止中
野沢温泉村 4.2万円/kW・上限4kW(=16.8万円)※受付期間・予算・申請時期は公式で確認できず要電話確認 なし※記載なし
塩尻市 2.5万円/kW(上限10万円)※築1年以上の既存住宅限定。R8は4/14受付開始 10万円※4kWh以上・ZEH登録品。太陽光と合わせて64件・先着順。県と併用可
辰野町 2.5万円/kW(上限12.5万円)※FIT/FIP認定不可・自家消費30%以上・新築も対象 5万円/件※県・国と併用可(町公式FAQが明言)。施工業者は長野県内の事業者
上田市 1.3万円/kW(上限7.8万円)※50kW未満・着工前の交付決定必須 経費の1/10以内(上限6万円)※太陽光と連結必須・ZEH登録品。国県と併用可。受付はR9.3.10まで
飯田市 1万円/kW(上限8万円)/蓄電池等とセット申請で10万円※【事後申請】完了後に申請する珍しい市 1万円/kWh(上限10万円)※太陽光との組み合わせ必須。R8.5.11〜R9.3.1・先着
須坂市 1万円/kW(上限3万円)※県内で最も小さい枠のひとつ 経費の1/10(上限5万円)※【県と併用不可】「県から同種の補助金の交付を受けていない者」が要件。予算303万円・先着
千曲市 単独は対象外※「発電システム単体での設置は補助対象外」と明記 経費の1/10。太陽光+蓄電で上限15万円/蓄電のみ10万円/3点セット20万円※着工前申請・県と併用可
茅野市 単独は対象外(A型=県補助への上乗せ) 太陽光+蓄電:市内業者10万円/市外業者5万円。蓄電のみ:市内5万円/市外2.5万円※県補助の活用が前提
富士見町 単独は対象外(A型)※「太陽光発電システム単独の設置では補助金の対象とはなりません」 太陽光+蓄電10万円/+V2Hで15万円/蓄電のみ5万円※事後申請・認定事業者との契約必須・既存住宅限定
原村 単独は対象外(A型) 太陽光+蓄電10万円/3点セット15万円/蓄電のみ5万円※「長野県・原村それぞれに申請が必要」。R8の改正附則は未掲載=金額改定の有無は要確認
諏訪市 なし※市の対象は地中熱・蓄電池・V2H・窓断熱・宅配ボックスのみ。太陽光は蓄電池の連結先として登場するだけ 経費の1/10(上限10万円)※【国・県と併用不可】残予算60万円=残り6件程度。太陽光との連系が必須
岡谷市 なし※対象は蓄電池とV2Hのみ 経費の1/10以内(上限10万円)・枠25件※太陽光と同時設置必須・単独設置は対象外。国県と併用可。残枠は要電話確認(0266-23-4811)
長野市 なし※市の地球温暖化対策>補助金の掲載は「温室効果ガス排出量見える化・削減支援事業補助金」(事業者向け)のみ なし※県・国の制度を使うことになります
軽井沢町 なし※「住宅用太陽光発電システム等導入促進事業補助金」は令和6年度をもって終了 なし※ただしEV購入補助(最大30万円)と省エネ改修補助(最大40万円)は継続中
南箕輪村 なし※平成28年3月31日で終了。理由は村の公式説明で「村の目標値に達したこと」 なし※村独自制度なし。現行の対象は太陽熱4万円/ペレット10万円/薪ストーブ5万円のみ

iこの表を見るときの4つの注意

金額が大きい自治体ほど条件が重いのが長野の特徴です。伊那市・箕輪町の高額枠はFIT/FIP認定が取れず、売電先も指定されます・残枠・予算残額は各自治体が公表した時点の数字です(箕輪町=7月9日時点、安曇野市=7月10日時点、諏訪市=ページ掲載時点)。今も動いています・「なし」の5市町村(長野市・軽井沢町・南箕輪村+太陽光がない諏訪市・岡谷市)は、県の補助が主役になります。だからこそ認定事業者選びが効いてきます・山ノ内町・白馬村・野沢温泉村・原村は、令和8年度の予算・金額が公式で明示されていません。要綱が恒久型で失効規定がなく、一覧に掲載され続けているため継続中と読めますが、断定はできません。担当課への電話確認をおすすめします

長野市の公式サイトが「アフィリエイト目的のホームページに注意」と書いています

これは書くべきか迷いましたが、読者の利益のほうが大事なので書きます。長野市の公式ページには、こう書かれています

!長野市「住宅等の補助金や助成金」ページの原文

「最近、外壁塗装や屋根の修繕等への補助金に関する問合せが多くあります。長野市では、外壁塗装や、屋根の修繕などのいわゆる、修繕や補修のみを目的として実施する工事に対する助成制度(補助金等)はありません。近年、補助金が出るような旨の記載がされたアフィリエイト目的(成功報酬型広告)のホームページなどが散見されますのでご注意ください。」出典:長野市 住宅等の補助金や助成金(建設部住宅課企画担当 026-224-5424)

この記事も広告収入で運営しています。だから、この警告は自分に向けられたものとして受け止めています。

できることは1つだけ。数字は必ず自治体の公式ページと交付要綱まで戻って確認し、リンクを全部貼ることです。この記事のリンクは、疑ったらすぐ原本に飛べるように置いてあります。

長野市の同ページには、市が扱う住宅リフォーム系の補助(耐震改修・移住空き家改修など)が並んでいます。

そして市以外(県・国)が扱うものとして、信州健康ゼロエネ住宅助成金・みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業。太陽光・蓄電池の市独自補助は、そこにありません。

国の補助金【2026年7月の最新状況】DR補助金は終了。でも「国はもう何もない」も間違いです

ここは全国共通ですが、間違った情報がいちばん流通している場所です。

蓄電池のDR補助金(最大60万円)→ 2026年5月29日に終了しました

「蓄電池は国から最大60万円もらえる」と書いてある記事が、2026年7月の今も大量に残っています。これはもう使えません

令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業の経緯

2026年3月24日公募開始

2026年5月29日交付申請額の合計が予算に達し、公募終了

2026年7月現在SII公式が「公募の再開を行う予定はありません」と明記

SII(環境共創イニシアチブ)の公式ページで確認できます。約2か月で予算が尽きた計算です。

他サイトの「長野なら国60万円+県20万円+市20万円で合計100万円」といった合計額は、いま計算し直すと60万円ぶん過大です。

ただし「みらいエコ住宅2026」と「ZEH支援事業」は動いています

「国はもう何もない」も間違い。2026年7月時点で、次の2つが稼働中です。

制度 蓄電池の扱い 長野で使えるか
みらいエコ住宅2026事業 蓄電池 9.6万円/戸。ただし断熱改修等とのセットが必須 リフォーム時に断熱工事と一緒なら使える。蓄電池だけでは使えない
ZEH支援事業 令和8年度 蓄電システム加算 上限20万円/戸。公募は2026年5月21日10:00〜12月11日17:00 新築のみ。長野は寒冷地なので地域区分が有利に働く

ZEHは新築限定なので、県の「クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金」(既存住宅限定)とはそもそも対象が重なりません。「新築なら国のZEH、既存住宅なら県の屋根ソーラー」と役割分担で考えるのが正解です。

ZEHの地域区分:長野はほぼ全域が「1〜4地域」です

ZEH支援事業の補助額は省エネ基準の地域区分で変わり、1〜4地域(寒冷地)が5〜8地域より手厚く設定されています。長野県は内陸の高標高地帯で、県内の市町村は3地域・4地域が中心(一部に2地域)。長野市は全域が4地域です。5〜8地域に該当する市町村はありません。つまり長野で新築ZEHを建てるなら、地域区分の面では有利な側にいます。※市町村単位で区分が決まっているため、必ずご自身の市町村名で確認してください。区分は国土交通省告示第265号に基づきます。

「太陽光パネル単体への国の補助金」は、そもそも存在しません

誤解が多いところなので、はっきり書きます。住宅用の太陽光パネルそのものに対する国の補助金は、もともとありません

2005年前後に「国からkWあたり数万円」という制度がありましたが、2013年度で終了しています。いま国が出しているのは蓄電池・断熱・給湯といった周辺設備です。

だから長野で太陽光パネルにお金が出るのは、県の5万円分と、市町村の補助だけ。ここを正しく理解すると、市町村選びの重みが分かります。

導入パターン別の補助金シミュレーション【2026年7月時点】

「結局いくら?」を、パターン別に出します。前提は太陽光5kW(約135万円)+蓄電池7kWh(約110万円)=約245万円。既存住宅への後付けです。

パターン1:太陽光+蓄電池をセットで導入(松本市・既存住宅)

松本市で太陽光5kW+蓄電池7kWhを入れた場合

【1階】国・DR補助金は2026年5月29日で終了0円・みらいエコ住宅2026は断熱改修とのセットが必須 → 断熱工事をしないなら0円【2階】長野県 クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金・太陽光5万円+蓄電池15万円 = 20万円【3階】松本市 住まいのゼロカーボン推進補助金・太陽光:5万円/kW × 5kW = 25万円 → 上限により 20万円・蓄電池:20万円──────────合計:60万円(実質負担 約185万円)出典:松本市 住まいのゼロカーボン推進補助金(住宅課 0263-34-3246)

松本市は公式に「県、国の他の補助金等との併用が可能です」と明記しているので、この積み上げは成立します。

ただし条件が2つ。「市内に本店、支店、営業所等を有する事業者」への発注が必要で、かつ県の補助には「県内に本店を置く認定事業者」が必要です。

!松本市で60万円を取るための、業者の条件は「AND」です

県の20万円と市の40万円を両取りするには、次の両方を満たす1社を選ぶ必要があります。・長野県内に本店を置く(=信州の屋根ソーラー認定事業者である)・かつ松本市内に本店・支店・営業所を有する条件を片方しか満たさない業者を選ぶと、20万円か40万円のどちらかが消えます。見積もりを取るとき、この2点をそのまま質問してください。

パターン2:蓄電池のみ(太陽光は設置済み・松本市)

iすでに太陽光がある家に、蓄電池7kWhだけ足す場合

【1階】国:DR補助金終了のため 0円【2階】長野県:蓄電池のみ枠 15万円(太陽光パネル設置済みの方が対象)【3階】松本市20万円──────────合計:35万円※県の要件で、蓄電池は4kWh以上かつ国のZEH化等支援事業の登録製品である必要があります(今年度に限り、令和7年度登録済製品も経過措置で対象)。※既設蓄電池の入れ替え・容量の増設は対象外です(県Q&A)。

FIT期間の10年が終わった「卒FIT」の家には、この蓄電池のみ枠が効きます。長野県は住宅用太陽光の普及が早かったので、該当する家がかなりあります。

パターン3:伊那市なら147.5万円(ただし条件は県内最重)

伊那市で太陽光5kW+蓄電池7kWhを入れた場合

【伊那市】太陽エネルギー利用設備設置補助金・太陽光:14万円/kW × 5kW = 70万円 → 上限に到達で 70万円・蓄電池:7kWh × 7.75万円 = 54.25万円(※蓄電池本体価格の1/2が下回る場合はそちらが上限)──────────市だけで約124万円(10kWh・本体が高い機種なら上限77.5万円まで)【県】クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金 20万円 ← 併用可否は要綱に記載がなく確認が必要出典:伊那市太陽エネルギー利用設備設置補助金交付要綱(生活環境課 0265-78-4111 内線2211)

正直に開示します。伊那市の要綱には、国・県の補助との併用可否がまったく書かれていません。書かれていない以上、僕には「併用できる」とも「できない」とも言えません。

ただ、県の要綱第6条第2項にヒントがあります。「この要綱に基づく補助金以外の補助金等の交付を受ける場合は、その交付を受ける金額に相当する額の経費は、補助対象経費としない」。二重取りは設計上できないということです。

とはいえ太陽光5kWで135万円かかるところ伊那市が70万円なら、残りは65万円。県の上限5万円を大きく上回るので、計算上は県の分も満額出る形になります。

!伊那市で見落とすと致命的な3点

既存住宅の定義が「令和4年7月25日以前に引渡しを受けた住宅」。2022年7月26日以降に引き渡された家は、何年経っても対象になりません・施工業者は「市内に本店を有する」か「長野県内に本店を有し、市内に支店又は営業所を有する」のいずれか・この要綱は令和9年3月31日限りで失効します(附則第2項)。つまり2026年度と2027年度が最後です・令和8年度の受付は2026年6月1日開始。予算の範囲内なので、埋まれば終わりです

パターン4:飯山市は最大100万円だったが、もう終わっています

飯山市は太陽光10万円/kW(上限50万円)+蓄電池10万円/kWh(上限50万円)=最大100万円という手厚い制度でした。ただし過去形です。

!飯山市の公式ページに書かれていること(原文)

「【申請受付を終了しました】カーボンニュートラル(脱炭素)・省エネ等に関する補助金について5月26日(火)から申請受付を再開しておりましたが、申請が予算額に達したため7月3日(金)をもって受付を終了しました。」予算額:19,980,000円/財源:国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」/市内に事業所・支店・営業所を有する事業者への発注が条件出典:飯山市 カーボンニュートラル(脱炭素)・省エネ等に関する補助金について(受付終了のお知らせ)(ゼロカーボン推進課 0269-67-0732)

予算が約2,000万円なので、太陽光と蓄電池のフル活用(100万円)だと20件で消える計算です。他サイトはまだ「飯山市は最大100万円」と載せていますが、2026年7月3日で締め切られました

飯山市にお住まいなら、いま使えるのは県の補助のみ。令和10年3月31日まで有効な要綱なので、来年度の再開はあり得ます。ゼロカーボン推進課に確認してください。

申請で失敗しないための5つのポイント【長野版】

調べていて「これは事故が起きるな」と感じた順に並べます。金額の多寡より、失格を避けるほうが100倍大事です。

  • 県外の大手に頼んでいないか。認定事業者は「県内に本店」が必須。見積もりが安くても、県の20万円が消えれば意味がありません
  • 市町村の交付決定より先に契約していないか。上田市「事前着工は補助金の対象外」、箕輪町「契約や着工の前に交付申請」。決定まで2週間前後かかります
  • うちエコ診断(WEB版)を受けたか。無料ですが、診断結果がないと県への申請ができません
  • 新築・建て替え・リース・PPAではないか。県の補助はすべて対象外です
  • 予算残額を電話で確認したか。飯山市は7月3日、箕輪町のEV枠は予算到達済み。諏訪市の蓄電池は残60万円=6件程度です
  • 県税・市町村税の滞納がないか。ほぼ全ての制度で、同一世帯全員の滞納なしが要件です
  • 県税の納税証明書と住民票を用意したか。どちらも発行から3か月以内のものが必要です

いちばん多い事故は「契約が1日早い」

長野の市町村補助で全額を失う原因の第1位は、間違いなくこれです。業者は契約を急がせます。悪意がなくても、工期の都合でそうなります。

でも「交付決定通知が届く前に判を押した」だけで、上田市の7.8万円も箕輪町の100万円も消えます。決定まで2週間。この2週間を待てるかどうかが、数十万円を分けます。

SOL|電気工事士SOL|電気工事士

現場で見ていると、「補助金の申請は業者さんがやってくれるから大丈夫」と思っている方がとても多いです。でも長野の場合、県は事後・市町村は事前で、しかも県は認定事業者・松本市は市内業者と、要件が別々にかかります。業者さんが片方しか知らないことも普通にあります。だから見積もりの段階で「信州の屋根ソーラー認定事業者ですか」「市の補助は着工前申請ですが、交付決定を待ってから契約できますか」の2つを、そのまま聞いてみてください。ここで詰まる会社は、後でも詰まります。

長野の日照は「全国トップクラス」ではありません。気象庁の実数で見ます

ここは、他サイトも、そして僕自身も間違えていたところです。「長野は日射量が全国トップクラス」という説明は、気象庁の平年値と合いません

気象庁の平年値(1991〜2020年の30年平均)を、長野県内と他県の「日照が多い」代表格で並べてみます。

年間日照時間の平年値(1991-2020)長野県内 vs 他県の日照上位
浜松(静岡)2237.9時間
甲府(山梨)2225.8時間
諏訪(長野)2164.8時間
高知2159.7時間
前橋(群馬)2153.7時間
松本(長野)2134.7時間
飯田(長野)2074.5時間
軽井沢(長野)2022.0時間
長野市1969.9時間
飯山(長野)1668.7時間

※出典:気象庁 過去の気象データ検索 平年値(年ごとの値)。統計期間1991〜2020年

県内でいちばん日照が多い諏訪でも2,164.8時間。甲府(2,225.8)にも浜松(2,237.9)にも届きません。高知(2,159.7)と前橋(2,153.7)をわずかに上回る程度です。

県庁所在地の長野市に至っては1,969.9時間。全国平均並みで、「トップクラス」とは言えません。

i正確に言うとこうなります

・長野県は日照が多い部類ではあるが、全国トップではない。県内最多の諏訪でも甲府・浜松には届かない・ただし不利でもまったくない。長野市の1,969.9時間は東京(1,926.7時間)を上回る・県内の差が全国屈指に大きい。諏訪2,164.8 vs 飯山1,668.7で496時間・約23%の差がある・つまり「長野県は」で語るのは無意味。諏訪と飯山では別の県くらい条件が違う出典:気象庁 過去の気象データ検索(松本)ほか各地点

この496時間差は、実際の発電量に直結します。同じ5kWのシステムでも、諏訪と飯山では年間の発電量が2割前後違ってきます。

「長野県の相場」「長野県の発電量」といった県単位の平均値は、あなたの家の話をしていません。必ず現地調査で、自分の屋根の数字を出してもらってください。

☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光発電の発電量の目安1kWあたり・容量別・地域差の発電量の目安を、電気工事士が数字で解説しています。

「寒いから発電しない」は誤解。ただし「涼しいから得」も言い過ぎです

「長野は寒いから太陽光は向かない」とよく言われます。これは半分は誤解です。でも「寒冷地だから他県より得」というのも、そこまで単純ではありません。両方を正確に書きます。

事実:パネルの定格出力は「モジュール温度25℃」の値です

カタログに載っている「最大出力〇〇W」という数字。あれは、ある決まった条件で測った値です。

i太陽光発電協会(JPEA)表示ガイドライン 2026年度版の原文

太陽電池モジュールの仕様表記について:「表記の数値は、JIS C 61215-2 で規定する AM1.5、放射照度 1000W/㎡、モジュール温度25℃での値です。」システム仕様の表記について:「太陽電池容量は、JIS規格に基づいて算出された太陽電池モジュール出力の合計値です。実使用時の出力(発電電力)は、日射の強さ、設置条件(方位・角度・周辺環境)、地域差、及び温度条件により異なります。発電電力は最大でも次の損失により、太陽電池容量の70〜80%程度になります。」出典:太陽光発電協会 表示ガイドライン(2026年度)PDF

つまりカタログ値は25℃という涼しい条件での数字で、実際の出力は温度条件で変わる——これはJPEAの公式ガイドラインが明記している事実です。

そして低温そのものは発電のマイナス要因ではありません。長野で問題になるのは「寒さ」ではなく「雪」と「機器の動作温度」です。ここは混同されがちなので、はっきり分けてください。

正直に開示します:温度係数の具体的な数字は、公的資料で確認できませんでした

「パネル温度が1℃上がると出力が0.3〜0.5%落ちる」という数字は、ネット上に大量にあります。ただし僕が探した範囲では、公的機関の資料でこの数値を確認できませんでした

JPEAのガイドラインも、温度補正係数については「太陽電池の特性に応じた数値を使用する。但し、使用する数値と根拠を明記する」としているだけで、業界共通の数字は示していません。製品ごとに違うからです。

だから、こう確認してください

温度係数は各メーカーの仕様書に「最大出力温度係数」として必ず書いてあります(単位は%/℃)。JPEAのガイドラインも、根拠の明記を事業者に求めています。見積もりのとき、「このパネルの最大出力温度係数は何%/℃ですか」と聞いてください。答えられない営業担当なら、その会社の説明力はそこまでです。そのうえで、長野の気温は事実として低めです。8月の平均気温は諏訪24.1℃に対し甲府27.1℃と3℃の差があります(気象庁平年値)。この差がプラスに働く方向であること自体は、JPEAの「温度条件により異なる」という記載と整合します。ただし日照の差(諏訪2,164.8 vs 甲府2,225.8)を温度が丸ごとひっくり返すとは言えません。そこまで断定するデータを、僕は持っていません。

「寒冷地だから長野が全国一有利」——気持ちのいい話ですが、裏が取れないので書きません。言えるのは「寒さは発電の敵ではない」ところまでです。

雪:長野県内で「垂直積雪量」は5倍以上違います。県の公式値で確認を

長野の設計でいちばん効いてくるのが雪です。そして「長野県は雪国」も「長野は雪が少ない」も、両方とも間違いです。県内で桁が違います。

建築の世界では、屋根の設計に使う雪の量を「垂直積雪量」という数値で決めます。長野県はこれを市町村・標高ごとに定めています。

i長野県が定める基準(県公式・原文)

・垂直積雪量の算式:「垂直積雪量d=α×al×c+β×rs+γ」(alは建築物の敷地の標高〈m〉)・「垂直積雪量が1m以上となる区域は多雪区域となります」・多雪区域の積雪単位荷重:「30N/(m2・cm)以上」・地震地域係数:「Z=1.0(長野県全域)」/基準風速:「Vo=30m/秒(長野県全域)」・「長野市、松本市、上田市は特定行政庁のため、当該地で計画の場合は各市の建築担当課にお問い合わせください」出典:長野県 構造計算における各基準値について

注目してほしいのは算式に標高が入っていること。長野県は同じ市町村でも標高差が大きいので、市町村名だけでは雪の設計値が決まりません。敷地の標高で計算します。

実際の数字:塩尻73cm vs 野沢温泉400cm以上

県が公表している値を並べると、差の大きさに驚きます。

長野県内の垂直積雪量(区域ごとの県公表値)
塩尻市役所周辺(標高713m)73cm
中野市(区域により)90〜300cm
山ノ内町(区域により)150〜400cm
飯山市(区域により)200〜400以上cm
木島平村(区域により)250〜400以上cm
野沢温泉村(区域により)300〜400以上cm
栄村(区域により)350〜400以上cm

※出典:長野県北信建設事務所管内の垂直積雪量/塩尻市 建築関係法令で定める数値について。区域は標高・河川の位置等で細分されます

塩尻市役所(標高713m)から標高差50m以内なら73cm。1m未満なので多雪区域ですらありません。松本平の平地も似た水準です。

一方、野沢温泉村は300cm以上、区域によっては400cm以上。栄村も350〜400cm以上。同じ長野県で5倍以上の差があります。

飯山の降雪の平年値は年間821cm、最深積雪の平年値は144cm。対して松本は降雪76cm・最深積雪26cm。降雪量で10.8倍です(気象庁平年値)。

!長野で業者に必ず聞くべき、雪まわりの4つの質問

「うちの敷地の標高で、垂直積雪量は何cmで設計していますか」——市町村名ではなく標高で決まります。答えられない会社は構造を見ていません・「多雪区域ですか、そうでないですか」——1mが境目。多雪区域なら積雪単位荷重30N/(m2・cm)以上での設計が要ります・「落雪はどの方向に落ちますか」——玄関・カーポート・隣家に落ちる設計は、後で必ずもめます・「パワコンと蓄電池の動作温度の下限は何℃ですか」——長野は氷点下10℃を下回る地域があります。屋外設置なら寒冷地仕様か必ず確認を※長野市・松本市・上田市は特定行政庁なので、各市の建築担当課の数値が優先します。

北海道は雪を落とさない無落雪屋根が主流、新潟は落雪を前提に設計する——県によって雪の思想は正反対です。長野は県内で両方が混在しているという、さらに厄介な土地です。

だから「長野の実績があります」だけでは足りません。「あなたの地域の実績」があるかを聞いてください。松本の会社が野沢温泉の雪を知っているとは限りません。

軽井沢町は景観規制が別格。「地上に置けない区域」が実在します

長野で忘れられがちなのが景観規制です。とくに軽井沢町は、昭和47年から続く「自然保護対策要綱」という独自ルールを持っています。

地上設置:保養地域の第一種低層住居専用地域には設置できません

!軽井沢町の自然保護対策要綱 第4の1の(6)(原文)

「⑹ 太陽光発電施設の基準 太陽光発電施設(以下この号において「施設」という。)を地上に設置しようとするときは、次に掲げる要件を備えるものとすること。ア 施設は、保養地域のうち第一種低層住居専用地域を除く地域に設置するものであること。イ 施設は、敷地の境界線から原則10メートル以上後退すること。ウ 施設の地上高は、必要最小限とするとともに、太陽光の反射等により周囲に影響が生じるおそれがある場合又は施設の設置後に周囲への影響が認められた場合は、速やかに防眩処理等の対策を講ずること。エ 施設は、原則として周囲に植栽を行うこと。オ フェンスの設置に当たっては、色を茶系とし、フェンスと同等の樹高の植栽により周辺景観に配慮すること。ただし、設置する施設の出力が20キロワット未満の場合は、この限りでない。カ 一の土地利用行為における計画敷地の合計面積は、原則として2ヘクタール以下とすること。」出典:軽井沢町の自然保護対策要綱及び同取扱要領 運用・解説(PDF)(環境課 0267-45-8556)

アの一文が決定的です。保養地域の第一種低層住居専用地域では、地上に太陽光発電施設を設置できません。別荘地の多くがここに該当します。

正確に言うと、この規定は「地上に設置しようとするとき」のもの。屋根に載せる場合は、次の建築物の基準がかかります。

屋根置き:立面図に「反射光を抑える工夫」を示す必要があります

!軽井沢町景観育成基準ガイドライン(長野県 佐久地域振興局)の原文

材料について:「『反射光のある素材を極力しないよう努め、やむを得ず使用する場合は、着色等の工夫をすること。また、壁面の大部分に使用することは避けること。』とあります。反射光のある素材の一つとして、太陽光パネルがありますが、太陽光パネルを使用する場合は、反射光を抑える工夫を示してください。」屋根の形状について:「各地域名/屋根勾配/軒の出 近隣商業地域以外の地域:10分の2以上/0.5m以上」色彩について:「都市地域 彩度4/沿道地域・山地高原地域 明度7・彩度4」出典:軽井沢町景観育成基準ガイドライン(PDF)

軽井沢では太陽光パネルが「反射光のある素材」として名指しされています。屋根に載せるなら、立面図で反射光対策を示す必要があります。

さらに屋根勾配は10分の2以上、軒の出は0.5m以上。緩勾配の屋根に平置き、という設計は成立しにくくなります。ここは設計者と早めに詰めてください。

ちなみに軽井沢町は、太陽光・蓄電池の町独自補助を令和6年度で終了しています。景観のハードルが高く、補助はゼロ。軽井沢は長野でいちばん条件の厳しい町だと言っていいと思います。

軽井沢町(規制が最も重い)

  • 地上設置:保養地域の第一種低層住居専用地域は不可
  • 屋根置き:立面図に反射光対策の明示が必要
  • 屋根勾配10分の2以上・軒の出0.5m以上
  • 町独自の太陽光・蓄電池補助は令和6年度で終了
  • 使えるのは県の補助のみ

VS

白馬村(規制は確認できず)

  • 太陽光の設置を制限する条例・要綱は見つからず
  • 太陽光3万円/kW(上限12万円)の村補助あり
  • 着工前申請が必須・中古品は不可
  • 根拠要綱は平成24年告示。令和8年度の予算は未確認
  • 別制度のゼロエネ住宅補助はR8受付停止中

白馬村についても要綱を確認しました。太陽光3万円/kW(上限12万円)の補助は着工前申請が必須・中古品不可ですが、太陽光の設置そのものを制限する条例・要綱は見つかりませんでした。

ただし白馬村の根拠要綱は平成24年告示で、令和8年度の予算があるかは公式で確認できていません。村の企画調整係へご確認ください。

中部電力エリアの出力制御:住宅用10kW未満は「対象外」です

「せっかく発電しても、電力会社に止められるのでは?」——これも気になるところです。長野県は中部電力パワーグリッドのエリアです(一部を除く)。

結論から言うと、住宅用の10kW未満は、そもそも出力制御の対象になっていません

中部電力パワーグリッド「2026年度出力制御見通し」(経済産業省 審議会資料)

・2026年度の出力制御率の見込み:全設備で0.15%(太陽光0.16%)、制御対象設備計で0.28%(太陽光0.29%)・2025年度は実績が4〜7月で0.62%、年度合計の見込みが0.28%(全設備)・算定の注記:「『旧ルール高圧500kW以上・特別高圧の事業者。新ルール・無制限無補償ルール事業者(太陽光は、10kW以上)』について算定」・中部エリアの太陽光・風力の連系量は2025年9月末で1,264万kW(太陽光1,228万kW)出典:中部電力パワーグリッド 2026年度出力制御見通し(2025年12月24日・経済産業省資料 PDF)

算定の対象が「太陽光は、10kW以上」と明記されています。住宅用(10kW未満)は制度上の対象外です。

九州エリアでは全国最大の6.1%という制御率が出ていますが、中部エリアは0.15%(2026年度見込み・全設備)。桁が2つ違います。この点では長野は恵まれています。

長野(中部電力エリア)

  • 住宅用10kW未満は出力制御の対象外
  • 2026年度の制御率見込みは全設備で0.15%
  • 2025年度も年度合計0.28%の見込み
  • 制御を理由に売電が止まる心配は実質なし

VS

他エリアの状況

  • 九州エリアは全国最大の6.1%
  • 東北エリアは10kW未満も制度上「対象」
  • 中国エリアは住宅用10kW未満が対象外
  • エリアによって前提がまったく違う

ただし油断は禁物です。伊那市・箕輪町のC型補助を使うとFIT認定が取れず、売電先も指定されます。出力制御とは別の理由で、売電の条件は縛られます。

長野県での設置費用の相場と、見積もりの取り方

費用相場は全国とおおむね同じで、1kWあたり約27〜30万円、住宅用の4〜5kWで110〜150万円が目安です。

ただし長野では、寒冷地仕様の機器や積雪を考えた架台のぶん、上乗せになることがあります。とくに北信(飯山・野沢温泉・栄村)は垂直積雪量が桁違いなので、架台の仕様が変わります。

ここを削ると雪や凍結でトラブルになるので、必要な仕様は落とさず、複数社の見積もりで適正価格を見極めるのが正解です。

伊那市の要綱は、相見積もりを「要件」にしています

これは全国的にも珍しいので紹介します。伊那市の交付要綱には、こんな条文があります。

伊那市太陽エネルギー利用設備設置補助金交付要綱 第3条第4号(原文)

「(4) 補助金の交付対象となる事業を遂行するため、売買、請負その他の契約をする場合は、一般の競争に付すること。ただし、一般の競争に付すことが困難又は不適当である場合は、指名競争に付し、又は随意契約によることができる。」出典:伊那市太陽エネルギー利用設備設置補助金交付要綱

読み替えると「補助金を出すからには、相見積もりを取って業者を競わせなさい」ということです。市が要綱で明文化しているのは、なかなかありません。

理由は明白で、補助金は税金だから。1社だけの言い値で契約されると、補助金がそのまま業者の利益に化けます。伊那市はそれを制度で防いでいるわけです。

長野で見積もりを取るときの、具体的な聞き方

長野は要件が複雑なので、質問を用意していかないと必ず取りこぼします。そのまま使える形で並べます。

iこの5つを、そのまま業者に聞いてください

1.「信州の屋根ソーラー認定事業者ですか。認定番号を教えてください」——県内に本店を置く318社のみ。これが「いいえ」なら県の補助は使えません2.「私の市町村の補助は着工前申請ですが、交付決定を待ってから契約できますか」——ここを渋る会社は要注意3.「うちの敷地の標高だと、垂直積雪量は何cmで設計しますか」——市町村名で答える会社は構造を見ていません4.「このパネルの最大出力温度係数は何%/℃ですか」——仕様書に必ず書いてあります5.「蓄電池は国のZEH化等支援事業の登録製品ですか」——県・上田市・塩尻市・岡谷市・飯綱町・山ノ内町などで要件になっています

そして長野の特殊事情がもうひとつ。認定事業者は県内本店の地元企業318社で、大手の価格競争にさらされにくい構造です。

だからこそ認定事業者どうしで比較する意味が大きい。同じ「県内本店」でも、佐久の会社と松本の会社では見積もりが変わります。1社の言い値で決めないでください。

!一括見積もりを使うときの、正直な注意点

一括見積もりサイトは便利ですが、提携先が全国大手中心だと、長野県の補助が使えない業者ばかり出てくる可能性があります。理由は繰り返しになりますが、「信州の屋根ソーラー認定事業者」は県内に本店を置く者に限られるから。対策はシンプルです。見積もり依頼のとき、要望欄に「信州の屋根ソーラー認定事業者を希望」と書いてください。あるいは届いた見積もりの会社名を、県の認定事業者一覧で照合してください。地域別に並んでいるので、すぐ確認できます。一括見積もりの相場観と、認定事業者の見積もりを両方持って比べるのが、長野ではいちばん賢い使い方だと思います。

☀️あわせて読みたいくわしくは:太陽光発電の費用・相場20261kWあたり単価・容量別・内訳・費用を抑える方法を、電気工事士が数字で解説しています。

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長野で使うときのコツを2つ。まず県内の日照差が大きいので、諏訪・松本エリアと飯山・野沢温泉エリアでは結果が2割前後変わると思ってください。

もうひとつ、冬の積雪期は発電が落ちます。屋根に雪が乗っている間、発電はほぼゼロです。月単位ではなく年間トータルで見てください。あくまで目安なので、正確な数字は現地調査で出してもらいましょう。

長野県の太陽光でよくある質問

長野県の補助金は、県と市町村を両方もらえますか?

制度上は可能です。県のQ&Aは「この補助制度では、国や市町村の補助金との併用を制限していません。ただし、補助制度によっては県の補助金との併用を制限している場合がありますので、詳細は国又は市町村にご確認ください」としています。実際、松本市・安曇野市・塩尻市・千曲市・上田市・辰野町などは県との併用可を明記しています。一方、須坂市は「県から同種の補助金の交付を受けていない者」、諏訪市は「国または長野県の定置型蓄電システムの設置に係る補助金を受けていない者」を要件としており、併用できません。市町村ごとに真逆なので、必ず担当課に確認してください。

県の補助は、県外の大手業者では使えないのですか?

使えません。県の補助は「信州の屋根ソーラー認定事業者」との販売契約が条件で、認定要件の第1項が「県内に本店を置く者であること」です。長野に支店や営業所があるだけの全国チェーンは認定を受けられません。2026年7月13日時点の認定事業者は318社で、すべて県内に本店を置く地元事業者です。見積もりを取る前に、県の認定事業者一覧で会社名を確認してください。

申請は工事の前ですか、後ですか?

長野では県と市町村で真逆です。県の「クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金」は交付要綱第7条で「補助事業が完了した日から起算して30日を経過した日」までの申請とされており、事後申請です。一方、上田市・松本市・佐久市・安曇野市・塩尻市・伊那市・箕輪町・千曲市・白馬村・山ノ内町・飯綱町などは着工前の交付決定が必須で、先に契約すると全額対象外になります。両方使うなら「市町村の交付決定を待ってから契約・着工し、完成後に県へ申請」の順です。なお飯田市だけは市も事後申請です。

長野市に市独自の補助金はありますか?

2026年7月時点で、長野市の「地球温暖化対策>補助金」のカテゴリに掲載されているのは「長野市温室効果ガス排出量見える化・削減支援事業補助金」(事業者向け)のみで、住宅用の太陽光・蓄電池への市独自補助は見当たりません。長野市の「住宅等の補助金や助成金」ページも、太陽光関連では県の信州健康ゼロエネ住宅助成金と国のみらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業を案内するにとどまっています。長野市にお住まいの方は、県の補助が中心になります。

伊那市の147.5万円は本当に出るのですか?

要綱上の上限としては本当です。太陽光は1kW当たり14万円(上限70万円)、蓄電池は本体価格の2分の1または1kWh当たり7.75万円のいずれか少ない額(上限77.5万円)と、伊那市太陽エネルギー利用設備設置補助金交付要綱の第5条に明記されています。ただし条件が重く、FIT・FIP認定を取得できず、余剰電力の売電先はICT伊那みらいでんきに指定され、自家消費30%以上が必要です。さらに既存住宅の定義が「令和4年7月25日以前に引渡しを受けた住宅」なので、2022年7月26日以降に引き渡された家は対象外です。この要綱は令和9年3月31日限りで失効します。

飯山市の補助金はまだ使えますか?

2026年7月時点では使えません。飯山市の公式ページに「5月26日(火)から申請受付を再開しておりましたが、申請が予算額に達したため7月3日(金)をもって受付を終了しました」と明記されています。予算額は19,980,000円でした。制度自体は太陽光10万円/kW(上限50万円)+蓄電池10万円/kWh(上限50万円)と手厚く、要綱は令和10年3月31日まで有効なので、来年度の再開はあり得ます。ゼロカーボン推進課(0269-67-0732)にご確認ください。

長野は日射量が全国トップクラスというのは本当ですか?

気象庁の平年値(1991〜2020年)で見ると、正確ではありません。県内で最も日照が多い諏訪でも2,164.8時間で、甲府の2,225.8時間、浜松の2,237.9時間には届きません。高知2,159.7時間、前橋2,153.7時間をわずかに上回る程度です。松本は2,134.7時間、長野市は1,969.9時間、飯山に至っては1,668.7時間です。「日照が多い部類ではあるが全国トップではない」「県内の差が大きい」というのが実態に近い表現です。ただし長野市の1,969.9時間も東京の1,926.7時間を上回っており、不利ではありません。

寒いとパネルの効率が上がるというのは本当ですか?

方向としては正しいですが、数値を断定できるだけの公的資料は確認できませんでした。太陽光発電協会(JPEA)の表示ガイドライン2026年度版は、カタログの数値が「モジュール温度25℃での値」であること、実使用時の出力が「温度条件により異なる」ことを明記しています。ただし温度補正係数については「太陽電池の特性に応じた数値を使用する。但し、使用する数値と根拠を明記する」とするのみで、業界共通の数値は示していません。製品ごとの温度係数は各メーカーの仕様書に「最大出力温度係数」として記載されているので、見積もり時に確認してください。なお低温そのものは発電のマイナス要因ではありません。長野で気をつけるのは寒さではなく雪と機器の動作温度です。

雪の設計は市町村名で決まりますか?

決まりません。長野県は垂直積雪量を「d=α×al×c+β×rs+γ」という式で算出し、alに建築物の敷地の標高(m)が入ります。同じ市町村でも標高が違えば値が変わるということです。実際、塩尻市役所(標高713m)から標高差50m以内なら73cmで多雪区域にすら入りませんが、野沢温泉村は区域により300〜400cm以上です。5倍以上の差があります。垂直積雪量が1m以上の区域は多雪区域となり、積雪単位荷重は30N/(m2・cm)以上が必要です。なお長野市・松本市・上田市は特定行政庁なので、各市の建築担当課の数値が優先します。

軽井沢で太陽光は設置できますか?

屋根置きは可能ですが、条件があります。軽井沢町景観育成基準ガイドラインは、太陽光パネルを「反射光のある素材」として名指しし、「太陽光パネルを使用する場合は、反射光を抑える工夫を示してください」としています。立面図での明示が必要です。また屋根勾配は10分の2以上、軒の出は0.5m以上が基準です。地上設置はさらに厳しく、軽井沢町の自然保護対策要綱は「保養地域のうち第一種低層住居専用地域を除く地域に設置するものであること」と定めており、保養地域の第一種低層住居専用地域には設置できません。敷地境界から原則10m以上の後退も必要です。なお軽井沢町の太陽光・蓄電池の町独自補助は令和6年度で終了しています。

長野で出力制御はありますか?

長野県は中部電力パワーグリッドのエリアで、住宅用の10kW未満は出力制御の対象外です。同社が経済産業省の審議会に提出した「2026年度出力制御見通し」(2025年12月24日)の算定注記に「太陽光は、10kW以上」について算定すると明記されています。エリア全体の2026年度の制御率見込みも全設備で0.15%(太陽光0.16%)と小さく、九州エリアの6.1%とは桁が2つ違います。この点では長野は恵まれています。ただし伊那市・箕輪町の補助を使う場合はFIT認定が取れず売電先も指定されるので、出力制御とは別の理由で売電の条件は縛られます。

国の蓄電池補助金(最大60万円)は使えますか?

使えません。令和7年度補正のDR家庭用蓄電池事業は、2026年3月24日に公募が始まり、5月29日に交付申請額の合計が予算に達したため公募終了しています。SII公式が「公募の再開を行う予定はありません」と明記しています。ただし国の制度がゼロになったわけではなく、みらいエコ住宅2026事業(蓄電池9.6万円/戸・断熱改修等とのセットが必須)とZEH支援事業 令和8年度(蓄電システム加算 上限20万円/戸・公募は2026年5月21日〜12月11日)は稼働中です。ZEHは新築限定なので、既存住宅の方は県の補助が中心になります。

まとめ:長野は「業者選び」で補助金が決まる県です

長野県の太陽光・蓄電池の補助金を、24市町村ぶん調べて分かったことをまとめます。

まず長野には県への直接申請が実在します。京都府や福岡県のように「県の階が存在しない」県とは違い、きちんと3階建てです。ここは長野の強みです。

ただし県の階に上がる階段が、他県より狭い。「県内に本店を置く認定事業者」318社との契約、うちエコ診断の受診、既存住宅限定——この3つを全部クリアしないと、20万円は出ません。

長野で損しないための、たった3つの行動

1. 見積もりを取る前に、県の認定事業者一覧を開く。県内に本店を置く318社が地域別に並んでいます。ここに載っていない会社を選ぶと、県の補助は消えます2. 市町村の交付決定通知が届くまで、絶対に契約しない。上田市・松本市・佐久市・箕輪町・伊那市など、多数が着工前申請です。決定まで2週間前後かかります3. 担当課に電話して、残枠を聞く。飯山市は7月3日に終了、箕輪町のセット蓄電池は7月9日時点で予算の半分、諏訪市の蓄電池は残60万円=6件程度です

金額でいえば伊那市(最大147.5万円)と箕輪町(太陽光10万円/kW)が突出していますが、FIT認定が取れず売電先も指定されるという代償があります。金額だけで選ばないでください

そして長野市・軽井沢町・南箕輪村には市町村の補助がありません。この3つの自治体にお住まいなら、県の補助を確実に取ることが唯一の道です。だからこそ認定事業者選びがすべてになります。

最後に、日照と雪について。長野は「日照トップクラス」ではありませんが、不利でもありません。むしろ問題は県内格差です。

諏訪2,164.8時間と飯山1,668.7時間では、別の県くらい条件が違います。垂直積雪量も塩尻73cmと野沢温泉400cm以上で5倍以上。「長野県の平均」はあなたの家の話をしていません

やることはシンプルです。認定事業者を含めて複数社から見積もりを取り、標高と積雪の話ができる会社を選び、市町村の交付決定を待ってから契約する。それだけで、数十万円が変わります。

伊那市が要綱で「一般の競争に付すること」と定めているのは、まさにそのためです。まずは無料のシミュレーションと一括見積もりで、あなたの家の「発電量・費用・回収年数」を具体的に確かめてみてくださいね。

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補助金は県によって仕組みそのものが違います。近隣県と比べると、長野の制度の位置づけが分かります。新潟岐阜群馬静岡地域から探すに21都道府県の一覧があります。

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