【徹底検証】停電時に家庭用冷蔵庫を動かせる大容量ポータブル電源の選び方と必須知識

突然の停電で冷蔵庫の食材がダメにならないか、不安に感じていませんか。結論として、適切な容量と出力のポータブル電源を選べば、家庭用冷蔵庫を長時間動かし、大切な食料を守ることが可能です。

この記事では、ご自宅の冷蔵庫を動かすために必要なポータブル電源の容量(Wh)や出力(W)の計算方法、起動電力といった必須知識から、最適な製品の選び方まで専門家が徹底解説します。

近年増加する自然災害への備えとして内閣府も推奨する家庭での防災対策に、この記事をお役立てください。目的別のおすすめ製品や、実際の接続方法も紹介するため、読了後には迷わずご家庭に合った一台を選べるようになります。

目次

突然の停電でも安心 ポータブル電源があれば冷蔵庫の食材を守れる

台風や地震などの自然災害は、いつ起こるかわかりません。最近、日本では気候変動の影響もあり、大規模な停電が頻発しています。 災害による停電は数時間で復旧することもあれば、数日間にわたって続くケースも少なくないですよね。 そんな「もしも」の時に最も大きな問題となるのが、家庭用冷蔵庫の停止です。

電源が絶たれてしまうと、冷蔵庫内の食材は刻一刻と傷んでいきます。特に夏場や、乳幼児のいるご家庭、インスリンなど冷蔵保存が必要な薬を保管している場合、その影響は計り知れません。

しかし、大容量のポータブル電源を一台備えておくだけで、停電時でも冷蔵庫を稼働させ続け、大切な食材や医薬品を守ることが可能になります。

停電で冷蔵庫が止まることの具体的なリスク

停電によって冷蔵庫の電源が落ちると、庫内の温度は徐々に上昇し、様々なリスクを引き起こします。具体的にどのような危険があるのかを理解し、事前に対策を講じることが重要です。

食材の腐敗と経済的損失

冷蔵庫が停止すると、庫内の温度を低く保てなくなります。一般的に、ドアを開閉しなければ2~3時間程度は冷気が保たれるとされていますが、それを超えると温度は急激に上昇します。 特に肉や魚、乳製品といった生鮮食品は傷みやすく、食中毒の原因となる菌が繁殖する危険性が高まります。 多くの食材を廃棄せざるを得なくなり、家計にとって大きな経済的損失にもつながります。

冷蔵庫が機能しなくなる温度と時間の目安

停電時、冷蔵庫と冷凍庫がどのくらいの時間、安全な温度を保てるかを知っておくことは非常に重要です。状況によって時間は変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。

種類保冷が期待できる時間
(ドア未開封時)
注意点
冷蔵室約2~3時間この時間を超えると、食中毒のリスクが高まる5℃以上の温度になり始めます。
特に夏場はさらに時間が短くなる傾向があります。
冷凍室約24~48時間(中身が満杯の場合)中身が少ないと保冷時間は短くなります。
普段から冷凍食品や保冷剤で隙間なく詰めておくと、お互いが保冷材の役割を果たし、より長く低温を維持できます。

これらの時間はあくまで目安であり、冷蔵庫の性能や室温、中に入っている食品の量によって大きく変わることを覚えておきましょう。!

ポータブル電源が停電時の冷蔵庫問題の解決策になる理由

停電時に冷蔵庫の食材を守るための最も確実で手軽な方法が、ポータブル電源の活用です。発電機と比較して、家庭での使用に多くのメリットがあります。

ポータブル電源は、事前に充電しておいた電気を使って家電を動かす仕組みです。 停電が発生したら、冷蔵庫のプラグをポータブル電源に差し替えるだけで、冷却機能を維持できます。これにより、停電が長時間に及んだとしても、食材の腐敗を防ぎ、食中毒のリスクを大幅に軽減できるのです。

発電機との比較 ポータブル電源の優位性

停電対策としてガソリンなどで動く発電機もありますが、特に冷蔵庫のような室内家電に使用する場合、ポータブル電源のほうがはるかに安全で手軽です。

比較項目ポータブル電源発電機
使用場所室内で使用可能屋外のみ(排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険)
稼働音静か(30dB程度~)大きい(50dB~80dB程度)
メンテナンスほぼ不要(定期的な充電確認程度)オイル交換や燃料の管理が必要
燃料電気(コンセントやソーラーパネルで充電)ガソリンやカセットボンベなど(備蓄と劣化管理が必要)
手軽さスイッチを入れるだけですぐに使える起動に手間がかかる場合がある

安全性や静音性、メンテナンスの手間を考慮すると、一般家庭、特に夜間や住宅密集地で冷蔵庫を動かすための備えとしては、ポータブル電源が最適な選択肢と言えますね!

【初心者向け】ポータブル電源で冷蔵庫が動く仕組みを簡単解説

【初心者向け】ポータブル電源で冷蔵庫が動く仕組みを簡単解説

「ポータブル電源で本当に冷蔵庫のような大きな家電が動くの?」と疑問に思うかもしれません。しかし、その仕組みは非常にシンプルです。

ポータブル電源は、内蔵されたバッテリーの電気を、家庭用のコンセントと同じ交流100Vの電気に変換して出力します。そのため、普段コンセントに挿して使っている冷蔵庫を、そのままポータブル電源に接続して使用できるのです。

ただし、冷蔵庫を動かすためには、ポータブル電源が持つ「電力」と「電力量」という2つの重要な要素を理解しておく必要があります。

W(ワット)とWh(ワットアワー)の違いとは

ポータブル電源を選ぶ際、必ず目にするのが「W(ワット)」と「Wh(ワットアワー)」という単位です。この2つの違いを理解することが、冷蔵庫に適した製品を選ぶための第一歩となります。

簡単に言うと、Wは「瞬間に使える電力の大きさ(出力)」、Whは「使える電気の総量(容量)」を示します。

W(ワット)は「冷蔵庫を動かせるかどうか」を判断する力、Wh(ワットアワー)は「冷蔵庫をどれくらいの時間動かし続けられるか」を判断するスタミナと考えると分かりやすいでしょう。それぞれの意味と役割を下の表で確認してください。

項目W(ワット)Wh(ワットアワー)
意味瞬間にどれだけの電力を供給できるかを示す「出力」どれだけの時間、電気を供給し続けられるかを示す「容量(電力量)」
確認する目的使いたい家電(冷蔵庫)を動かせるかを確認するため家電(冷蔵庫)をどのくらいの時間使えるかを知るため
消費電力150Wの冷蔵庫を動かすには、150W以上の出力が必要1000Whの容量があれば、消費電力100Wの製品を約10時間使える計算

ポータブル電源のスペックを確認する際は、このWとWhの両方を確認し、ご自宅の冷蔵庫の仕様と使用したい時間に適しているかを判断する必要があります。

冷蔵庫が最も電気を使う瞬間 起動電力について

冷蔵庫をポータブル電源で動かす上で、最も注意すべきなのが「起動電力」です。起動電力(サージ電力とも呼ばれます)とは、電化製品が動き出す瞬間にだけ必要となる、一時的に大きな電力のことを指します。

冷蔵庫は、庫内を冷やすためのコンプレッサーが動き出す際に、最も多くの電力を消費します。この起動電力は、通常運転時(カタログなどに記載されている定格消費電力)の3倍から5倍に達することもあります。

例えば、定格消費電力が150Wの冷蔵庫の場合、起動時には450W~750Wもの電力が必要になる可能性があるのです。

そのため、ポータブル電源を選ぶ際には、定格消費電力だけを見て「定格出力150W以上あれば大丈夫」と判断してはいけません。ポータブル電源の「定格出力」が冷蔵庫の「定格消費電力」を上回っていても、「最大出力(サージ出力)」が冷蔵庫の「起動電力」に対応できなければ、冷蔵庫は一瞬たりとも動かすことができません。 

冷蔵庫のようなモーターを内蔵した家電を動かすためには、必ずこの起動電力も考慮して、十分な最大出力を持つポータブル電源を選ぶようにしましょう。

ステップ1 自宅の冷蔵庫を動かすのに必要な電力を調べよう

ステップ1 自宅の冷蔵庫を動かすのに必要な電力を調べよう

停電時にポータブル電源で冷蔵庫を動かすためには、ご自宅の冷蔵庫の消費電力を正確に把握することが最も重要な最初のステップです。

必要な電力がわからないままポータブル電源を選んでしまうと、「容量が足りなくてすぐに使えなくなった」「出力が低くてそもそも動かせなかった」といった失敗につながりかねません。

この章では、冷蔵庫の消費電力を確認する方法と、どうしてもわからない場合の目安について詳しく解説します。

冷蔵庫の消費電力の確認方法

ご家庭にある冷蔵庫の消費電力を知るには、いくつかの確実な方法があります。ポータブル電源を選ぶ前に、必ず以下のいずれかの方法で確認しておきましょう。

確認すべき項目は「定格消費電力」で、単位は「W(ワット)」で記載されています。これは冷蔵庫が安定して動作しているときに消費する電力のことです。

  • 取扱説明書で確認する
    製品の取扱説明書には、仕様一覧のページに必ず「定格消費電力」の記載があります。最も確実な方法なので、まずは説明書を探してみましょう。
  • 冷蔵庫本体の「仕様銘板(定格銘板)」シールで確認する
    取扱説明書が見当たらない場合でも、冷蔵庫本体で確認できます。多くの冷蔵庫では、冷蔵室のドアの内側(ドアポケットの側面など)に、製品の仕様が書かれた銀色または白色のシールが貼られています。 ここに記載されている「定格消費電力」の項目を探してください。電動機と電熱装置のW数が分かれている場合、大きい方の数値(電熱装置)を参考にします。
  • メーカーの公式サイトで確認する
    冷蔵庫の型番がわかれば、製造メーカーの公式サイトで仕様を調べることも可能です。型番は前述の仕様銘板シールや、購入時の保証書などで確認できます。

消費電力がわからない場合の目安

古いモデルで情報が見つからないなど、どうしても消費電力がわからない場合は、一般的な目安を参考にしましょう。ただし、あくまで目安であり、製品の製造年や省エネ性能によって数値は大きく変動するため、この情報だけを頼りにするのは最終手段と考えてください。

一般的に、冷蔵庫はサイズが大きくても、技術の進歩により消費電力が低い傾向にあります。

冷蔵庫の容量(サイズ目安)定格消費電力(目安)
~200Lクラス(一人暮らし向け)100W~300W
300L~400Lクラス(2~3人家族向け)150W~350W
500L~600Lクラス(4人以上の家族向け)180W~400W

また、注意点として、冷蔵庫は電源を入れてから庫内が冷えるまでの間や、霜取り機能が作動する際に「起動電力」と呼ばれる一時的に大きな電力を消費するタイミングがあります。

この起動電力は、定格消費電力の3倍から5倍程度になることもあるため、ポータブル電源の出力(W)を選ぶ際にはこの数値も考慮に入れる必要があります。次のステップで詳しく解説しますが、まずはご自宅の冷蔵庫の「定格消費電力」を把握することが重要です。

ステップ2 冷蔵庫に最適なポータブル電源の選び方

ステップ2 冷蔵庫に最適なポータブル電源の選び方

ステップ1でご自宅の冷蔵庫に必要な電力を確認したら、次はいよいよポータブル電源選びです。停電時に「せっかく買ったのに動かなかった」という事態を避けるため、3つの重要なポイントを押さえて、ご家庭の状況に最適な一台を選びましょう。

冷蔵庫の稼働時間から必要な容量(Wh)を計算する

ポータブル電源選びで最初に決めるべきは「容量(Wh)」です。
容量とは、ポータブル電源にどれだけの電気を蓄えられるかを示す数値で、この数値が大きいほど冷蔵庫を長時間動かし続けることができます。

必要な容量は、以下の計算式で簡単に算出できます。

必要な容量(Wh) = 冷蔵庫の消費電力(W) × 動かしたい時間(h) ÷ 0.8

この計算式にある「÷0.8」が重要なポイントです。

ポータブル電源は、蓄えた電力をACコンセントから出力する際に電力の変換ロスが生じるため、カタログスペック通りの容量を100%使えるわけではありません。そのため、実質的に使用できるのは表示容量の8割程度と考え、安全マージンを見て計算するのが鉄則です。

例えば、消費電力50Wの冷蔵庫を24時間動かしたい場合、必要な容量は

「50W × 24h ÷ 0.8 = 1500Wh」

となります。つまり、容量1500Wh以上のポータブル電源が必要だということがわかります。

以下の表は、冷蔵庫の消費電力と稼働させたい時間から、必要なポータブル電源の容量の目安をまとめたものです。ご自身の冷蔵庫の消費電力と照らし合わせて参考にしてください。

冷蔵庫の消費電力(目安)12時間 稼働させる場合24時間(1日) 稼働させる場合48時間(2日) 稼働させる場合
50W750Wh以上1500Wh以上3000Wh以上
100W1500Wh以上3000Wh以上6000Wh以上
150W2250Wh以上4500Wh以上9000Wh以上

冷蔵庫の消費電力から必要な出力(W)を確認する

容量(Wh)と並んで重要なのが「定格出力(W)」と「サージ出力(W)」です。これらは、ポータブル電源が一度にどれだけ大きな電力を供給できるかを示す数値です。

定格出力とサージ出力(最大出力)

定格出力とは、ポータブル電源が安定して供給し続けられる電力のことです。 一方、冷蔵庫のようなモーターを内蔵した家電は、電源を入れた瞬間に一時的に大きな電力(起動電力)を必要とします。この起動電力に対応できるかどうかを示すのが「サージ出力(最大出力または瞬間出力)」です。

冷蔵庫を確実に動かすためには、ポータブル電源の定格出力が冷蔵庫の定格消費電力を上回り、かつサージ出力が冷蔵庫の起動電力を上回っている必要があります。 

冷蔵庫の起動電力は定格消費電力の2倍から5倍程度が目安とされているため、例えば定格消費電力150Wの冷蔵庫の場合、起動電力は300W〜750Wに達する可能性があります。

そのため、サージ出力に余裕のあるモデル、例えば1000W以上の製品を選ぶと安心です。

出力ポートと周波数(正弦波)

家庭用冷蔵庫は壁のコンセントと同じAC電源で動作するため、ポータブル電源にAC出力ポートが搭載されていることが必須です。

さらに、出力される電気の「波形」も非常に重要です。家庭のコンセントから供給される電気は「正弦波(または純正弦波)」という滑らかな波形をしています。 冷蔵庫のような精密な電子部品を含む家電は、この正弦波でないと正常に動作しなかったり、故障の原因になったりすることがあります。

安価なポータブル電源の中には波形が角ばった「修正正弦波」や「矩形波」のものもありますが、冷蔵庫を動かすためには必ず「正弦波(純正弦波)」対応のモデルを選びましょう。

ポータブル電源のバッテリー寿命と安全性をチェックする

万が一の時に確実に役立ち、長く安心して使い続けるためには、バッテリーの寿命と安全性も必ず確認すべき項目です。

バッテリーの種類で寿命が変わる

現在、ポータブル電源に採用されているバッテリーは主に2種類あり、それぞれ寿命(充放電サイクル回数)が大きく異なります。

項目リン酸鉄リチウムイオン (LFP)三元系リチウムイオン (NCM)
寿命(サイクル数)長い (約2,000~4,000回)短い (約500~1,000回)
安全性非常に高い(熱暴走しにくい)普通
特徴長期間の使用に最適。近年の主流。小型・軽量化しやすいが寿命は短い傾向。

「リン酸鉄リチウムイオン電池」は、三元系に比べて初期費用がやや高くなる傾向にありますが、充放電サイクルが3,000回前後と非常に長く、熱安定性が高いため安全という大きなメリットがあります。

AnkerやEcoFlow、BLUETTIといった主要メーカーの現行モデルの多くがこのタイプを採用しており、毎日充電しても約10年使えると謳う製品もあります。

停電という非常事態に備えるなら、長期的に見てコストパフォーマンスと信頼性に優れるリン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデルが断然おすすめです。

安全機能と認証マークの確認

安心して使用するためには、安全機能の有無も重要です。過充電や過放電、温度異常などを防ぐ「BMS(バッテリーマネジメントシステム)」は、バッテリーを保護し、事故を防ぐために不可欠な機能です。BMSが搭載されていることは、現在のポータブル電源選びの必須条件と言えるでしょう。

また、日本国内で正規に販売されている電気製品には、電気用品安全法に基づいた「PSEマーク」の表示が義務付けられています。

このマークがない製品は国内の安全基準を満たしていない可能性があるため、購入は避けましょう。信頼できるメーカーの製品には、PSEマークはもちろん、ULなどの国際的な安全規格も取得しているものが多く、安全性を判断する一つの目安となります。

【目的別】冷蔵庫が使えるおすすめポータブル電源

【目的別】冷蔵庫が使えるおすすめポータブル電源

ここからは、停電の期間や目的別に、家庭用冷蔵庫を動かせるおすすめのポータブル電源を紹介します。ご自身の備えのレベルに合わせて、最適な一台を見つけましょう。

1日程度の停電を乗り切るためのポータブル電源

半日から1日程度の比較的短い停電を想定している場合、容量1000Wh~1500Whクラスで、定格出力が1500W以上のモデルがおすすめです。このクラスであれば、冷蔵庫を半日以上稼働させつつ、スマートフォンの充電や情報収集のためのラジオなど、最低限の電力を確保できます。

選ぶ際のポイントは、冷蔵庫の起動電力に耐えられる十分な出力と、1日分の運転をまかなえる容量のバランスです。ここでは、信頼性が高く人気のある3つのモデルを比較します。

モデル名容量定格出力バッテリー種類特徴
Anker Solix C1000 Gen 21056Wh1500Wリン酸鉄リチウムイオン約54分で満充電できる超急速充電が魅力。
Jackery ポータブル電源 1000 Plus1264Wh2000Wリン酸鉄リチウムイオン別売りのバッテリーで容量を最大5kWhまで拡張可能。
EcoFlow DELTA 31024Wh1500Wリン酸鉄リチウムイオン業界平均の6倍にあたる約3,000回の長寿命バッテリーを搭載。

Anker Solix C1000は、なんといっても充電速度が速く、停電の合間に素早く電力を蓄えることができます。

 Jackery ポータブル電源 1000 Plusは、後から容量を増やせる拡張性が強みで、将来的に備えを強化したい方に向いています。 

EcoFlow DELTA 3は、バッテリーの長寿命さに定評があり、一度購入すれば長期間安心して使用できるモデルです。

2日以上の長期停電に備えるための大容量ポータブル電源

2日以上にわたる長期の停電や、冷蔵庫と同時に電子レンジやIHクッキングヒーターなどの高出力な調理家電も使用したい場合は、容量2000Wh以上、出力2000Wクラスのハイエンドモデルを選びましょう。このレベルのポータブル電源があれば、停電時でも普段に近い生活を送ることができ、精神的な負担も大きく軽減できます。

大容量モデルは、拡張バッテリーに対応している製品が多く、必要に応じてさらに長時間の電力確保が可能です。ここでは、特にパワフルで信頼性の高いモデルを紹介します。

モデル名容量定格出力バッテリー種類特徴
BLUETTI
AORA 200
2073Wh2200Wリン酸鉄リチウムイオン6000回以上の充放電の長寿命
Jackery ポータブル電源 2000 Plus2042Wh3000Wリン酸鉄リチウムイオン定格出力3000Wで、家庭にあるほとんどの家電を動かせる。
EcoFlow DELTA Pro3600Wh3000Wリン酸鉄リチウムイオン圧倒的な容量と出力。EVステーションでの充電にも対応。

BLUETTI AORA 200は、6000回以上の充放電の長寿命。わずか 1.25 時間で 80% 充電が可能。

Jackery ポータブル電源 2000 Plusは、6000回以上の充放電の長寿命.3000Wという非常に高い出力を誇り、複数の大型家電を同時に動かしたい場合に頼りになります。

そしてEcoFlow DELTA Proは、家庭用蓄電池に匹敵する3600Whという大容量で、長期停電に対する究極の備えと言えるでしょう。

ソーラー充電対応で停電が長引いても安心のポータブル電源

停電がいつまで続くか分からない状況では、ポータブル電源の電気を使い切ってしまう不安がつきまといます。その不安を解消するのがソーラーパネルによる充電です。

ここで紹介するモデルは、特にソーラー充電性能に優れており、太陽光さえあれば電力を自給自足できます。

選ぶ際のポイントは、ソーラーパネルからの入力値(W)が大きく、短時間で充電できるモデルであることです。また、充電しながら冷蔵庫へ給電できる「パススルー充電」に対応しているかも重要なチェックポイントです。

モデル名容量最大ソーラー入力バッテリー種類特徴
EcoFlow DELTA 2 Max2048Wh1000Wリン酸鉄リチウムイオン最大1000Wのソーラー入力で、晴天時なら約2.3時間で満充電可能。
Dabbsson DBS2300 Plus2330Wh800W半固体リン酸鉄リチウムイオン発火リスクを抑えた安全性の高い半固体バッテリーを採用。
ALLPOWERS R4000+3456Wh2000Wリン酸鉄リチウムイオン最大2000Wのソーラー入力に対応し、約2時間でフル充電が可能。

EcoFlow DELTA 2 Maxは、大容量かつ高いソーラー入力性能を両立したバランスの取れたモデルです。

 Dabbsson DBS2300 Plusは、次世代の半固体バッテリー技術を採用し、安全性を特に重視する方におすすめです。 

ALLPOWERS R4000+は、家庭用蓄電池に匹敵するスペックを持ちながら、最大2000Wという圧倒的なソーラー入力性能を誇り、停電の長期化に最強の備えとなります。

【実践】ポータブル電源と冷蔵庫を接続して動かしてみた

【実践】ポータブル電源と冷蔵庫を接続して動かしてみた

ここからは、実際にポータブル電源を使って冷蔵庫を動かす具体的な手順と、いざという時に慌てないための注意点を解説します。接続自体は非常にシンプルですが、安全に、そして少しでも長く稼働させるためにはいくつかのポイントを押さえておくことが重要です。

接続方法と稼働開始までの流れ

ポータブル電源と冷蔵庫の接続は、特別な工具や知識がなくても簡単に行えます。ここでは、AnkerやEcoFlowといった主要メーカーの製品を例に、基本的な流れを解説します。

STEP
ポータブル電源をフル充電する

停電はいつ起こるかわかりません。防災目的で備える場合、ポータブル電源の残量は常に100%に近い状態を維持しておくことが理想です。多くの製品は充電しっぱなしでもバッテリーを保護する機能がついていますが、長期保管の場合は60%~80%での保管を推奨するメーカーもあります。 使用前に必ず取扱説明書で確認しましょう。

STEP
冷蔵庫の電源プラグを抜く

感電や機器の故障を防ぐため、まずは壁のコンセントから冷蔵庫の電源プラグを安全に抜きます。

STEP
ポータブル電源に接続する

ポータブル電源本体のAC出力ポートに、冷蔵庫の電源プラグを直接差し込みます。延長コードは電圧降下や思わぬトラブルの原因になる可能性があるため、可能な限り冷蔵庫のプラグを直接接続することを強く推奨します

STEP
ポータブル電源のAC出力をONにする

多くのモデルでは、本体にある「AC」と書かれたボタンを押すことで給電が開始されます。製品によっては、ボタンを長押しする必要がある場合もあります。

STEP
冷蔵庫の稼働を確認する

冷蔵庫のコンプレッサーが作動する「ブーン」という音や、庫内灯が点灯することを確認します。同時に、ポータブル電源のディスプレイで現在の出力(W)と、バッテリー残量で示される予測稼働時間を確認しておきましょう。

稼働中の注意点と節電のコツ

冷蔵庫を無事に稼働させられたら、次は限られたバッテリーでいかに長く食材を守るかが重要になります。稼働中の注意点を守り、節電を意識することで、ポータブル電源の稼働時間を大幅に延ばすことが可能です。

稼働中の注意点

  • 延長コードの使用は慎重に
    やむを得ず延長コードを使用する場合は、コードが太く(断面積2.0sq以上を推奨)、長さができるだけ短い製品を選びましょう。 細いコードや長いコード、たこ足配線は、電力損失が大きいだけでなく、発熱による火災のリスクを高めるため非常に危険です。
  • ポータブル電源の設置場所
    稼働中のポータブル電源、特に冷蔵庫のような高出力の家電を接続している際は本体が熱を持ちます。BLUETTIやJackeryの大型モデルのように冷却ファンが搭載されている製品は、吸気口や排気口を塞がないよう、壁から離れた風通しの良い場所に設置してください。
  • パススルー充電の活用と注意
    ソーラーパネルをお持ちの場合、日中はポータブル電源を充電しながら冷蔵庫へ給電する「パススルー充電」が有効です。 これにより、バッテリー残量を維持、あるいは回復させながら稼働を続けられます。 ただし、パススルー充電はバッテリーに負荷をかけるため、対応を明記している製品以外での長時間の使用は避けるべきです。 AnkerやJackeryの一部モデルでは、バッテリーを保護しながらパススルー充電を行う機能を搭載しています。

少しでも長く!冷蔵庫の節電テクニック

冷蔵庫は扉を開けるたびに庫内の温度が上がり、それを再び冷やすために多くの電力を消費します。 停電時は以下のテクニックを徹底し、ポータブル電源の貴重な電力を節約しましょう。

節電テクニック具体的な方法と効果
ドアの開閉を最小限に中身を把握し、必要なものを一度に素早く取り出します。開閉の回数と時間を減らすことが、最も効果的な節電方法です。
設定温度を「弱」にする停電時の目的は冷却よりも「保冷」です。設定を「強」や「中」から「弱」に変更するだけで、コンプレッサーの稼働頻度が下がり、消費電力を大幅に抑えられます。
冷蔵庫の周囲に空間を空ける冷蔵庫は側面や背面から熱を放出しています。壁から5~10cm程度離して設置することで放熱効率が上がり、コンプレッサーの無駄な稼働を防ぎます。
凍ったものを保冷剤代わりにする停電が始まったら、冷凍庫にある凍った肉や保冷剤などを冷蔵室に移しましょう。冷たい空気は上から下へ流れるため、最上段に置くと庫内全体を効率よく冷やし、温度上昇を緩やかにできます。

まとめ

突然の停電時でも、大容量ポータブル電源があれば家庭用冷蔵庫を稼働させ、大切な食材を守ることが可能です。ポータブル電源を選ぶ際は、まずご家庭の冷蔵庫の「消費電力(W)」と「起動電力」を確認し、それらを上回る「定格出力」を持つモデルを選びましょう。

その上で、冷蔵庫を動かしたい時間から必要な「容量(Wh)」を算出し、バッテリーの安全性や寿命もチェックすれば、間違いのない製品選びができます。

この記事で解説した選び方のステップを参考に、万が一の事態に備えて、ご家庭に最適な一台を準備しておきましょう。

SOL|ポータブル電源ラボ編集部
電気工事士
沖縄在住/現役の電気工事士
台風による停電を何度も経験
家庭の停電対策としてポータブル電源を研究
「容量・出力・安全性」を現場目線で分かりやすく解説
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